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ドラマ共演が許される女優&アイドルは誰?

1 :ななじゃにー:03/03/18 17:47 ID:PQbvsoD/
私的には、内山理名です。逆に嫌なのは、
深キョンと、ゴマキ。

2 :ななしじゃにー:03/03/18 17:49 ID:9kz+jA+o
主演によるだろ。
俺様とかだと内山理名でもキツイものがある

3 :めい:03/03/18 18:16 ID:rvdikwpF
内山りなってほとんど共演してるよね…ブスが!!

4 :ななしじゃにー:03/03/18 18:18 ID:cYaRrp+m
許せる・・・篠原涼子
許せない・・・米倉涼子

5 :ひげ:03/03/18 18:24 ID:zXrbBLyr
http://kotubunet.hp.infoseek.co.jp/king.htm

6 :ななしじゃにー:03/03/18 18:28 ID:/0gyHiah
敢えて奥菜恵。
小さいから自担もいっちょ前の男に見える。
イヤなのは自担が見上げなきゃイケナイ女優全部。

7 :許せる:03/03/18 18:43 ID:yXdCUcvN
仲間タン 美人だから

8 :ななしじゃにー:03/03/18 18:47 ID:RQ7+ilmb
4ばんかなり笑える!
確かに背が高すぎる人は嫌だよね。。

9 :ななしじゃにー:03/03/18 19:59 ID:aE4Rpzwn
>3
ブスで安心だからじゃね?

10 :ななしじゃにー:03/03/19 03:10 ID:OwHvBwA5
どうせなら美人と共演してほしい

11 :でらえもん調査局ヽ(`Д´)ノ ◆CJMS06S/xs :03/03/19 03:32 ID:vJspwdWV
       ______
       \|        (___   
.しんすれ♪ |\            `ヽ、 
           |  \             \ 
   ノノハへ |オメ♪\             〉  
   川 ´D`)|つ   \           /
 ‖ /つ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄! ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ
 ‖( 匚______ノ--ー―ーrー´
  〓〓(_)‖    ||       ||
 ‖    ‖ ‖            .||


12 :ななしじゃにー:03/03/19 03:55 ID:Cl1Vwni0
矢田ちゃん

13 :ななしじゃにー:03/03/19 04:41 ID:7BU6kupe
   ______________
 /:\.____\
 |: ̄\(∩´∀`) \  <先生!こんなのがありました!
 |:在  |: ̄ ̄ U ̄:|
http://saitama.gasuki.com/shinagawa/

14 :ななしじゃにー:03/03/19 05:44 ID:tS2uE4Dz
>12
へたれすぎ

15 :ななしじゃにー:03/03/19 11:49 ID:NaZ5TwLj
若菜

16 :ななしじゃにー:03/03/20 00:44 ID:ZcFjFUZY
安倍なつみかな。

17 :ななしじゃにー:03/03/20 04:15 ID:gLzKOGIq
酒井美紀は良く
共演してる。

18 :ななしじゃにー:03/03/20 04:17 ID:gLzKOGIq
連続だけど、来週の
ナマアラ奥菜。

19 :ななしじゃにー:03/03/20 04:56 ID:s2HnRy+w



          ( ´D`)ノ ののたん




20 :ななじゃにー:03/03/20 10:12 ID:2y5Yd/b3
なっちは許せる。
ナースマンでも嫌味なくかわいいと
思った

21 :ななしじゃにー:03/03/20 14:48 ID:ytvMCVGa
安倍は鴇以上限定で許す。

22 :ななしじゃにー:03/03/20 14:51 ID:hkiXVVrk
管野美穂ちゃん。
あと了見が狭いな〜と思うけど、彼氏が発覚してる女の人・・・。

23 :ななしじゃにー:03/03/20 15:16 ID:ZacVQ6gZ
仲間由紀恵さん
竹内結子さん
柴咲コウさん

ハロプロでは
あややかな。



24 :ななしじゃにー:03/03/20 20:29 ID:NO3TxoG1
可愛いからハセキョ-。
管ちゃんもイイ。


25 :ななしじゃにー:03/04/11 16:47 ID:89dqWxme
>>10
同意。
そのほうが視聴率もとれるしね

26 :ななしじゃにー:03/04/11 16:54 ID:95WR7n4A
―――復讐○仕返し○特殊探偵○悩み事相談○駆込み寺―――
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27 :洋物動画:03/04/11 16:56 ID:W+YaV1p/
http://www.agemasukudasai.com/movie/

28 :???a°?A´?AE?・?¶?X?}?\:03/04/11 17:11 ID:DH1kkLWO
共演してもいい女優ってつまり

彼女になっても誇らしい もしくは
彼女になりそうもない(22の二行目)

ってことなのね


29 :ななしじゃにー:03/04/12 18:43 ID:jUug7UqL
許せるのは、男っぽくてさばさばした女優。
芸人だけど、久本雅美とか、どう?(コメディーしか出来ないと思うけど。)

30 :ななしじゃにー:03/04/12 18:47 ID:j3oDQXD3
鈴木の杏ちゃん。
あややはもう嫌だ。

31 :ななしじゃにー:03/04/12 18:58 ID:tCTEA3sQ
>29
久本は草加に勧誘されそうでいやだ能。

32 :ななしじゃにー:03/04/12 19:07 ID:ZG4KjZJ1
男前なアニキ系女優が好きなんだな。

33 :ななしじゃにー:03/04/12 19:28 ID:jknRR8LN
個人的には松本リオタン。あと宮崎あおいタンとか。
リオタンは性格良さそう。

34 :ななしじゃにー:03/04/12 19:32 ID:/S/WGhd5
あややはオゲ!ゴマキはイヤンだな。
鈴木杏タソはオゲ!

35 :ななしじゃにー:03/04/12 19:36 ID:ZkM8ybYr
嫌なのは結構いっぱいいる(w
柴崎コウ、ヒロスエ、奥菜とか。
(奥菜はやり◯んらしいから自担とはもう共演してほしくないw)

36 :ななしじゃにー:03/04/12 19:43 ID:wsbmNj/g
層化のタレ以外ならOKでつ。

37 :ななしじゃにー:03/04/12 20:07 ID:TYNVbeqX
矢田亜希子はブランド志向強くて野心ギトギトで
セックス醜聞多すぎるから嫌だ。

竹内結子は真性オジコン、一回り歳上からがターゲットだから
そういう点では安心。

38 :ななしじゃにー:03/04/12 20:13 ID:UiI7sTVn
上戸に山口さやか、優香、管野オッケ

39 :ななしじゃにー:03/04/12 20:55 ID:qxHrsX3n
共演なんて絶対ゆるさない。
堂本が女役やればそれでいいのよ。
あと、さかなくんとか、おすぎとぴーこ。

40 :ななしじゃにー:03/04/12 21:05 ID:lRH+/e0i
山田麻衣子
以前から紙ご用達?で見慣れている。

41 :ななしじゃにー:03/04/15 22:45 ID:WjUuajTq
うーん。

42 :ななしじゃにー:03/04/15 23:07 ID:I9ndxsI6
やりま○だろうと奥菜。
自担がでかく見える。
裏でやってようがやってまいが画面上おけ!ならおーるおけ!!

43 :山崎渉:03/04/19 23:44 ID:aX9gSGK1
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)

44 :連載目指す職人 ◆DVBV.H/mhs :03/04/23 00:51 ID:IDRiGb1d
 =バトルロワイアル参加者名簿=

 1、相葉雅紀   17、堂本光一
 2、赤西仁     18、長瀬智也
 3、秋山純     19、長野博
 4、生田斗真   20、中丸雄一
5、井ノ原快彦  21、二宮和也
 6、上田竜也   22、長谷川純
 7、大野智     23、町田慎吾
 8、岡田准一   24、松岡昌宏
 9、風間俊介   25、松本潤
10、亀梨和也    26、三宅健
11、国分太一   27、森田剛
12、坂本昌行   28、山口達也
13、桜井翔     29、山下智久
14、城島茂     30、屋良朝幸
15、田口淳之介  31、米花剛史
16、田中聖    


【計31名】

45 :ズレた・・・(鬱 ◆DVBV.H/mhs :03/04/23 00:55 ID:IDRiGb1d
波乱を呼びそうなメンツで書く前から恐ろしいんですが・・・
別腹だと思って、軽ーく読んでいただければ幸いです。
暴力的な香りのするトリップですが、気の利いた名前が思いつかないので
連載を目指すって事で連載とでも呼んで下さい。・・・テキトー杉ですね(苦藁
名簿にない数名の行方は、追々分かると思います。
数日おき、最長でも1週間おきの更新・連載を目指して頑張ります。
ヒソーリマターリ、sageで宜しくお願いいたします。

46 :ななしじゃにー:03/04/23 01:08 ID:IYHQBAjW
連載さん(でいいのか?)がんがって!
楽しみにしてるよ。

47 :1 蛇似ゴメソ・・・ ◆DVBV.H/mhs :03/04/23 01:24 ID:IDRiGb1d
  
ぼんやりと瞳を開けると、そこは見慣れない部屋だった。
ガランとした室内を見渡しても家具と呼べるものは何もない。
――なんか・・・寒い・・・。
大野智はブルッと身体を震わせ、自分を抱きしめた。
なにか、嫌な感じのする寒気だ。
何でこんな所にいるのか、ここは何処なのか。
そんな疑問が頭に浮かぶまでは少し時間がかかった。
起きるまでにあったことを思い出して、あれこれ想像もしてみたが
やっぱりどうしても分からない。記憶が一本の線につながらない。
葬式に出て・・・、それからの記憶が全くないのだ。

社長の死は本当に突然だった。
知っている者は知っていたのだろうが、
所属タレント達は驚きを隠せない様子で、皆一様に戸惑っていた。
そう言えば最近姿を見てないな・・・くらいにしか思っていなかったから。
これからどうなるのか、どうすればいいのか。
式の間中、悲しい気持ちとは別のところで、それぞれに不安を抱えていた。
そうやって皆で集まって、同じバスに乗って。
・・・ダメだった。どうしたって思い出せない。
あのまま誰かに、ここに運ばれたのだろうか。

48 :2 須磨はきっと移籍済み ◆DVBV.H/mhs :03/04/23 01:28 ID:IDRiGb1d
「んん・・・」
隣で声をあげた誰かが、むくっと起き上がる。
「しょうくん」
「おはよう、じゃない、よね?」
ごく普通に挨拶しようとした櫻井だったが、やがて訝しげな表情に変わる。
「どうしたんだろうね、僕たち」
翔くんなら何か知ってるかも、とそう思って聞いてはみたものの、
問われた櫻井もぼーっとした表情のまま首をかしげる。
室内に明かりはついていなかったが、そこにいる大体の顔ぶれは分かった。
TOKIO、V6、Jr達、そしてkinkiの・・・
「あれ?」と、大野は思わず口に出してしまっていた。
「どうした?」
その声のした方に顔を向けると、少し離れた所から松本潤が歩み寄ってきた。
「つよしくんだけがいないんだよね。なんでだろ」
周辺にいた数人はその大野の言葉を受け、室内をグルリと見渡す。
その通りだった。
同じ事務所の面々が顔を揃える中で、
つよしだけがいないのは明らかに不自然なことだった。
ただ、葬式で一堂に会したばかりだったということもあり、
これだけの人数が集められていることを疑問に思う者は意外に少なかった。

49 :◆DVBV.H/mhs :03/04/23 01:31 ID:IDRiGb1d
  
ザッザザザッ・・・

急に雑音が響いたかと思うと、部屋の前方にある大きなTVに電源が入り、
薄暗い室内に砂嵐がボオッと浮かび上がった。
「うわぁっ!」
そのTVのすぐ側にいた赤西仁が、大声を上げながら飛びのく。
「ハハ〜だっさい!」
側にいた田口淳之介に大声で笑われ、赤西は顔をしかめた。
「うるせぇな・・・ビビッたんだよ!悪いかよ!」
「TV付いただけじゃん。ビックリさせんなよ・・・」
呆れたように亀梨和也が言う。
「誰つけたんだよ。消せって」
田中聖の言葉に、田口がきょろきょろとリモコンを探し始めた。
「でも、何もないよー誰か触った?」
TVの前でそう騒いでいると突然、砂嵐がやんだ。
部屋にいた全員の視線が、一斉にTVに注がれる。
誰かがヒュウッと息を飲む音が聞こえる程の静寂。

ピッ
 

50 :◆DVBV.H/mhs :03/04/23 01:34 ID:IDRiGb1d
「東山さん?!」
切り替わった画面に映し出されたその人物に、どよめく室内。
全員の胸中にあった疑問が一気に爆発した。
「おい・・・これ一体なんなんだよ。何かのロケか?」
そう言って坂本が立ち上がる。
「もしかしてドッキリとかさ、そういうんじゃないの〜?これ」
のんびりと長瀬が言う。だが、誰からも答えは帰ってこない。
「・・・つよし、どこ行ったんやろ」
そう光一が呟いた時だった。
「つよしならここだよ、光一」
「うわぁっ」
突然スピーカーから流れ出した声に、再び赤西が飛びのく。
「2回もやるなよ仁・・・」
その亀梨の声に重なるように、東山が再び口を開いた。
「皆、お疲れ様。よく眠れたかな」
穏やかな、でも感情のない・・・どこか冷たさを帯びた声。
「狭いところに押し込んで悪かったね。もうすぐここから出れるから。
 そう、それで皆にこれからしてもらうことについてだけど・・・」
誰も一言も発しなかった。
全員が、東山の言葉に聞き耳を立てている。
「皆にこれから、ちょっと殺し合いをしてもらう」

51 :◆DVBV.H/mhs :03/04/23 01:37 ID:IDRiGb1d
「ええぇっ?!」
「うるせぇよバカ!!」
またしても同じように大声をあげた赤西を、
いい加減にしろとばかりに中丸雄一が怒鳴りつけた。
「ったく、嘘に決まってんだろ?黙って聞いとけよ・・・」
「嘘なんかじゃないんだよ、中丸くん」
「え」
やけに丁寧に呼びかけられ、思わず黙り込む中丸。
と、画面の中の東山がリモコンのようなものを振ってみせた。
「あ、リモコン・・・」
そっちにあったんだ、と何の気なしに田口が呟いた。
「これはね、何かって言うと」
そう言いながらそのリモコンのボタンを押す。
ピッという音が、スピーカーを通して室内に響いた。

ピーーーッ ピーーーーッ

その音とは違う音が、今度は近くから聞こえる・・・
どこだ?一体どこから・・・・
「うっ、うわあぁぁぁぁ!!!」
恐怖に彩られたその声は、中丸のものだった。
「どっ・・どうしたんだよ、中丸・・・」
「く、首から変な音すんだよ・・首輪が・・・」

52 :6 つづく・・・ ◆DVBV.H/mhs :03/04/23 01:40 ID:IDRiGb1d
――首輪。

その言葉に、全員がハッと首に手をやった。
そう、目覚めた時からずっと気になっていたこの金属の輪。
今まさに、中丸の首にはめられたそれが不気味な電子音を発しているのだ。
「なんだよこれ・・・んだよ!訳わかんねぇよ!!はずれねぇし!!」
必死で首輪に両手をかけるも、ガチャガチャという嫌な音がするだけ。
ピーーッピーーッ ピーッピーッ
「音・・・早くなってる・・・」
上田竜也が震える声でそう告げる。
「うわぁぁぁーーーー!!!」
暴れだした中丸に、周囲の人間が自然に後ずさった。
ピッ ピッ ピッ
光の点滅と電子音が、よりいっそう速くなる。
「やだよ!ふざけんなよ!!なんだよコレ!!誰かこれ外し・・・」

パーーーーーンッ

何かがはじけるような音がしたと思った次の瞬間には、
中丸の首から吹き出した鮮血が周囲に飛び散っていた。
「ぎゃぁぁあぁあーーーー!!!」
あまりにもおぞましい光景だった。
首と呼べるものはもうそこにはない・・・。
かつて中丸の顔であったものは、血に染まった肉塊に成り果てた。
冗談にしては笑えない。夢にしてはリアルすぎた。
つまりこれは紛れもない現実なのだと、
中丸の生々しい姿とその臭気が教えていた。

【中丸雄一 死亡 残り30名】


53 :連載タン乙です:03/04/23 02:39 ID:HeWemF49
今までにないメンツですね・・・楽しみが増えた。がんがれ〜

54 :ななしじゃにー:03/04/23 13:45 ID:hjRjlErU
滝つもでないんですか?
連載さん楽しみにしてます。

55 :ななしじゃにー:03/04/23 13:48 ID:S/0FRl0F
顔を知らない人が5人もいるが…
それでも乙。

56 :微妙な連載 ◆DVBV.H/mhs :03/04/23 17:45 ID:IDRiGb1d
実は私もよく知らない人々が・・・(苦藁
すいません、ほんと色んな意味で微妙だとは思うんですが、
他のBRと変化をつけるため思い切った事してしまいました。
序盤は書きやすいのでちゃんと名の通りになりそうです(w
>54さん もう少しお待ち下さい。

57 :◆DVBV.H/mhs :03/04/23 17:49 ID:IDRiGb1d

「分かったか?中丸。嘘じゃないんだよこれは」
冷静なその台詞に、一同は言葉を失くした。
一体どんな言葉が出てくるというんだ。
こんなものを目の前にして・・・。

「それじゃ、軽く説明する。ここは無人島。他には誰もいない。
 これから一人ずつ荷物を持って部屋を出てもらう。
 その中には食料と水、地図と懐中電灯、そして武器が入ってる。
 武器は人それぞれだから。銃だったり、色々ね。
 誰にどんな武器が当たるかは分からない。それも運次第」
「あの」
説明がひと段落したところで松岡が口を開いた。
東山は話すのをやめ、松岡が言葉を発するのを待っているようだった。
「聞いていいですか?俺らが殺し合わなきゃなんない理由」
「社長が死んだからだよ」
「は?」

58 :◆DVBV.H/mhs :03/04/23 17:50 ID:IDRiGb1d
――なんだよそれ・・・。
誰もがそう思った。
どこの世界にそんな理由が通る“殺し合い”があるだろうか。
「社長が死んだから・・・俺らも死ななきゃならないんすか?」
井ノ原が低く尋ねる。
「そう。でもお前たちにはまだチャンスがあるんだよ、
 生き残れるチャンスが。ただし2人だけに」
「ふたり・・・」
誰からともなく、そんな呟きがもれる。
「そのチャンスがあるだけいい。滝沢と翼はもう社長の側に行った。
 選ぶ権利はなかったんだ、あの二人には」
――社長の側に・・・?!
「嘘だ!」
大声で叫びながら勢い良く相葉が立ち上がる。
「嘘じゃないって、何度言ったら分かるんだ・・・」
「やめとけ!」
涙のたまった目で画面を睨みつける相葉を、後ろから山口が抑えた。
「嘘だ・・・嘘だよ・・・」
「相葉ちゃん・・・」
泣きそうな顔で斗真が近づき、相葉の腕を掴んで首を振った。
――だって、これはきっと嘘じゃない・・・。
信じたくないけど、もう滝沢くん達はいないんだよ。
斗真の目がそう言っている。
その瞳に浮かんだ悲しみに、Jr達が唇を噛み締めた。


59 :◆DVBV.H/mhs :03/04/23 17:54 ID:IDRiGb1d

「僕は事務所を任されてしまったんだ。ただでさえ小さい子達もたくさんいるのに
 お前達皆の事まで抱えきれない。だからつよしと、あと二人にだけ残ってもらう。
 もともと社長はお前達の事みんなを連れて行きたかったんだからね・・・。
 でも、全員じゃあんまりだから、こうやってチャンスを与えることした」
「つよしは何処にいるんですか?!」
ずっと気にかかっていたことだ。耐え切れずに光一がそう叫ぶ。
「今、そっちに行かせるよ」
ガラッ
扉が開き、銃を構えた二人の男に連れられて部屋に現れたのは、
他でもない、堂本剛だった。
「つよし!」
「つよしくん!!」
青白い顔で俯くつよしは、決して顔を上げようとはしない。
怯えにも似た色を浮かべた瞳は、ただひたすら床を見つめている。
「さぁ、もう時間だ。今から順に名前を呼ぶから、呼ばれた人から前に出て、
 つよしから荷物を受け取って外に出るんだ。いいね?
 タイムリミットは24時間。それまでに2名以上生き残ってた場合、
 全員の首輪が爆発するから気をつけて。
 最初から2人で行動してもいい、単独で戦うのもいい。それは自由だ。
 6時間ごとに定期的に放送を流す。もし何かあれば臨時でも入れる。
 それと、僕が定めた危険区域に足を踏み入れると今の中丸みたいになる。
 それは海に入っても同じことだから、くれぐれも愚かなことは考えないようにね」


【ゲーム開始 0:00  残り30人】
   

60 :10 ◆DVBV.H/mhs :03/04/23 17:59 ID:IDRiGb1d

「じゃ、まず一人目。相葉雅紀。」
「相葉ちゃん・・・」
嵐のメンバー達が口々にその名を呼ぶ。
山口は、グッと涙をこらえる相葉の肩に手を置いた。
「とにかく落ち着け、しっかり気を持てよ。いいな?」
相葉は、何も言わずに前へと歩き出す。
つよしは震える手で荷物を掴むと、恐る恐るそれを手渡した。
相葉は悔しそうに顔を歪め、小さく震える声で一言吐き捨てると
勢いよく部屋を飛び出して行った。

その後も、一人また一人と部屋を後にしていった。
悔しそうに睨みつけていった者、逃げるように去っていった者・・・。
太一は目を合わせようともせずに出て行ったが、
井ノ原は精一杯明るいそぶりをしてみせた。
「次、堂本光一」
東山が読みあげたその名に、つよしの震えが一段と大きくなる。
銃を持った男達に急かされるまで光一は目の前から動こうとしなかった。
つよしがおずおずと顔を向けると、真っ直ぐな瞳で見つめ返してくる。
耐え切れずに目をそらし、荷物だけを胸に押し付けた。
光一はそんなつよしの様子をしばらく見つめ、「信じてるからな」と残すと
荷物を手に、そのままゆっくりと出ていった。
   
 

61 :11 ◆DVBV.H/mhs :03/04/23 18:02 ID:IDRiGb1d

胸の中でぐるぐると回り続ける様々な感情に、正直戸惑っていた。
そして、今自分の手の中にあるそれが、余計に心を乱す。
――俺にどうしろってんだよ・・・。
ここで死ねってことか。こんなところで、こんな形で。
岡田は一つ息を吐き、手の中のそれ――拳銃に目を落とした。
――これ、撃ったらどうなるんやろ。
ちょっと興味があった。
撃ったら人が死ぬとか、撃たれたら痛いとか、そういう事ではなくて。
何かが変わるのだろうか。自分の中で何か変化するだろうか。
未知の領域に足を踏み入れた時、自分はどうなっているのだろう。
自分の瞳に、新しい景色が映るのだろうか。
哀しいだろうか、それとも・・・。

そんなことをひたすら考えていた時。
自分の後ろから何かが近づいてきた。
ゆっくりと振り返ると、少し遠くの方に人影が見える。
ひとつ、ふたつ・・・。
「岡田ーーー!」
こちらの存在に気付き、大きく手を振っているのは秋山と生田。
岡田は、そのままゆっくりと拳銃のスライドを引き、離した。
「よーい・・・」
口の中で小さく呟きながら、両手でそれを構える。

「ドン」


62 :12 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/04/23 18:05 ID:IDRiGb1d

バ――――ンッ

「あぁぁぁあっ!!」
「斗真?!」
銃声が響いたのと、隣にいた生田が倒れたのはほぼ同時だった。
秋山が慌てて助け起こすと、その腹に風穴が開いている!
撃ち抜かれたのだ・・・今まさに岡田が放った銃弾によって。
「い、た・・い、痛いよ・・・」
顔を歪める生田の額に、大量の脂汗が浮かぶ。
「斗真?斗真大丈夫?!しっかり!!」
「う・・うぅ」
生田の身体を支えながら、ふつふつと湧き上がる怒りを抑え切れなかった。
「どういうつもりだよ・・・岡田ぁ!!!」
森の中に、秋山の悲痛な叫びがこだまする。
「おかだ・・・」
動こうともしない、声を発することもない岡田と、目が合った。
帽子からのぞくその大きな瞳に、鈍い光が宿ったのを秋山は確かに見た。
それは、かつての級友のものではない・・・直感でそう悟った。
今すぐ逃げろ!と、本能がそう告げる。
バンッ
苦痛に喘ぐ生田を背負った途端、再び新たな銃弾が足元の土をえぐった。
「斗真・・・死ぬなよ!絶対死ぬなよ!!!」
自分の背にそのぬくもりを感じながら、秋山は走り出した。

  

63 :ななしじゃにー:03/04/24 00:05 ID:LisszYsr
おお、新しいBR書きさんですな。
がんがってくだせえ。楽しみにしてます。

64 :ななしじゃにー:03/04/24 12:14 ID:1NRSkePw
凸発動か?!

65 :ななしじゃにー:03/04/24 22:28 ID:Gk9lcLyk
ぉお!別BRから飛んできますたが…(・∀・)イイ!イイ!
今までにないキャ・ストなので楽しみでつ。かんがってください。
  どつよ〜…。。

66 :13 ◆DVBV.H/mhs :03/04/25 02:20 ID:kIm0Fp+3

やがて何も音がしなくなった頃、岡田はゆっくりと体の向きを変えた。
だが、少し歩いてからまた立ち止まる。
そこに自分を見つめる人物がいたから。
「剛くん・・・」
森田は、何も言わずにただこちらを見ているだけ。
その手には鋭く光る日本刀が握られていた。
お互いに一言も発さないまま、時が流れる。
「何も、聞かへんの?」

森田はゆっくりと息を吐いた。
岡田の手の中の拳銃、そしてあの銃声、悲鳴・・・。
ただ、それよりも何よりも、あの岡田の目を見れば大体のことは分かる。
聞く必要もないと思った。言及するつもりもない。
「・・・別に。ただ」
森田はそこまで言うと、右手で柄をしっかりと握り締めた。
「ただ?」
「今お前が俺を撃つ気があんのかないのか。俺に関係あるのはそれだけ」
岡田は少し俯き、やがて顔を上げると静かに首を横に振った。
「・・・そっか」
口の中で小さく呟き、日本刀を握り締めていた方の力を抜く。
深呼吸をすると、もう一度しっかりと岡田と向き合った。
「お前さ・・・」
「俺は、一人で戦うって決めたから」
森田の言葉をさえぎるようにして岡田が言った。
――俺・・・今、何言おうとしたんだよ。一緒に行こう、って?
そんな自分がなんだか可笑しくて、森田は口の端を緩めた。
決意を固めた岡田に何を言っても無駄だという事くらい、分かっていたのに。

67 :14 ◆DVBV.H/mhs :03/04/25 02:25 ID:kIm0Fp+3
もう話すことはなかった。
岡田は岡田のやりたいようにやるのだろう。きっと、最期まで。
でも、それでもいいと思った。
ここは常識だとか奇麗事が通じる世界じゃない。
それに自分もきっと、自分のやりたいようにやるだろう。

「健くんは?」
再び訪れた沈黙の中、岡田がやっと一言を絞り出した。
「これから捜す」
「うん」
「・・・撃つなよ?」
「うん」
軽く笑ってみせると、岡田も小さく微笑み返した。
「じゃ、な」
「うん」

「・・・ありがと」
森田の背中を見送りながら呟いた。
他愛もない言葉のやり取りだったが、少しだけ時間が戻ったような気がした。
懐かしい空気が蘇る・・・。岡田はグッと拳を握り締め、目を閉じた。
もう少しでその心地よさにすがってしまいそうな自分を押し留める。
違う。もう、ここは違う。心地よい場所などではない。
自分の意思で、自分の足で踏み出してしまったのだから。
思わず微笑んでしまった自分を強く戒めた。
さよなら剛くん。さよならみんな。さよなら、今までの俺。
――俺は戦う・・・。
岡田は再びゆっくりと目を開けた。


68 :悩める連載 ◆DVBV.H/mhs :03/04/25 02:29 ID:kIm0Fp+3
レスくれた皆さんどうもありがとうございます。
お叱りなりご提案なりご感想なり、どんどんお待ちしております。
何かありましたらご遠慮なくこの連載めにぶつけてやって下さい。
それでは、また。

69 :ななしじゃにー:03/04/25 08:29 ID:lCda5qZA
連載さん乙!
黒凸は新鮮だねぇ。

70 :乙でーす:03/04/25 12:33 ID:lJyAXL/y
番長凸のシチュエーションなんかカコイイ!!

71 :ななしじゃにー:03/04/25 17:16 ID:GAJ8eEpr
連載さん(・∀・)イイ!!
ハードめな文章も好きっす


72 :15 ◆DVBV.H/mhs :03/04/26 23:42 ID:9w3VBWc1

――つよし、一体どないしてん・・・。
建物の窓を見上げながら、光一は唇を噛み締めた。
葬式の後、東山と話をしているのは見た覚えがある。
だがその時は別段変わった様子もなかったし、
その前も、その後も、普通につよしと話をしている。
何かを隠している様子もなければ、疑わしい行動もなかった。
第一、何らかの兆候があればすぐに分かったはずなのだ。
誰よりも先にこの自分が。
おそらく本人にとっても寝耳に水のような出来事だったのだろう。
そして、当然意思に反したことに従っている。
あの表情・・・。おそらく抵抗できない理由があるのだ。
つよしは今も東山の側にいる。
それでもこの狂ったゲームを阻止出来ないのは何故だ?
何かを、誰かをかばっているのか?
あるいは、つよし自身の命も東山が握っているのか。
どちらも大いにありえる話だった。
――ちくしょう・・・。
すぐそこにいると分かっていて何も出来ない自分が歯がゆい。
こんな状況でのつよしの心情は容易に想像出来る。
だからこそ、どうにかしたいのだ。


73 :16 ◆DVBV.H/mhs :03/04/26 23:50 ID:9w3VBWc1

部屋を出てから、山口は廃校らしきその建物の周りをゆっくりと歩いていた。
“滝沢と今井が死んだ”という事実をどう受け止めていいものか、
自分の中でどう整理をつけていいのか・・・。分からなかった。
中丸とは違いその二人に関しては何の証拠もない。まだ望みはあるかもしれない。
だが、つよしのあの怯え方は尋常ではなかった・・・。
それでも、このゲームにとってつよしは鍵とも言える存在のはずだ。
――どうすればいいんだ・・・一体どうすれば・・・。
そうやって一人悶々と時を過ごしていると、遠くの方から銃声が聞こえてきた。
驚いて周囲を見渡したが、声も何も聞こえない。
そして、また一発・・・。
誰かが既にゲームを始めている?!
だとすれば急がないと大変なことになる、取り返しのつかないことに!!

「山口くん?!」
走り出した山口の前方から、同じように走ってきた光一が姿を現した。
「光一!!」
互いに駆け寄る二人。
「今の銃声・・・」
「あぁ、もう、始まっちまったらしいな」
低い声でそう返す山口の目がにごる。
悔しさを噛み締めるように俯いた光一だったが、やがて顔を上げた。
「僕らの手でこのゲーム止めませんか?山口くん」
決意のこもったその言葉に、山口もその目をジッと見つめ返す。
「皆の事も、つよしの事も助けたいんです。協力・・・してくれませんか」

74 :17 ◆DVBV.H/mhs :03/04/26 23:53 ID:9w3VBWc1
返事をするまでもなかった。
昨日までと何ら変わりのないその光一の目の色に、心の底から安堵した。
助かるかもしれない。そう思える気がした。
「協力するもなにも・・・これは俺ら皆の問題だろ?」
笑いかけながらも、山口の目に自然と力がこもる。
「まずは散らばった奴らの意思統一しなきゃな。なるべく全員、一人でも多く・・・」
――全員。
それはまず無理に等しいということは、今しがた聞こえた銃声が教えていた。
教室での惨劇のこともある。考えたくはないが、十分予想できることだった。
「とりあえず・・・一人でも多くに伝えましょう。
 これは戦争じゃないんやから・・・何とかなるはずですよ」
その言葉に山口は大きく頷くと、荷物から地図を取り出した。
「俺はこの島を時計回りに回る、お前は逆に回れ。
 で、この観光協会ってとこで落ち合おう。会った奴にもそう伝える。だから」
「伝える相手は・・・選ばなきゃなりませんね」
光一がそう続けて、思わず苦笑する。

全員集めるのは無理だということ。
そして、誰にでも伝えていいものではない、と心のどこかで思っていたこと・・・。
自分では想像もつかないようなところで、既にこのゲームは動きだしていた。
でも、まだ間に合うかもしれない。
まだ人を信じられるうちに、やらなければならないことがきっとある。
それを“信じる”しかないのだ、今の自分達は。


75 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/04/26 23:59 ID:9w3VBWc1
実現するかどうかは別として、凸平安を書いてみたいのですが
平安→凸ってなんて呼んでたでしょう・・・
ご存知の方いましたらいつでもいいのでレスお待ちしてます。

次回更新では、少し時をさかのぼりまして、
物語の序章とも言うべき部分のうpを予定してます。

76 :ななしじゃにー:03/04/27 08:16 ID:OJMKcmYH
普通に名字では?もしくは、〜君づけ? フォローよろしこ

77 :焦る連載 ◆DVBV.H/mhs :03/04/29 00:32 ID:C3ZzqKmg
海の向こうに長期滞在する可能性が浮上してきてしまった連載(;´Д`)
書けるうちにガシガシ書こうと、休みだったので必死こいてみますた・・・
そのため今日は大量です。次回からはまたチョビチョビだと思いますが(苦藁

78 :18 時をさかのぼります ◆DVBV.H/mhs :03/04/29 00:36 ID:C3ZzqKmg

堂本剛はタクシーに乗り込み事務所へと向かっていた。
早朝から、あんなとんでもないものを耳にしてしまったのだ・・・。

『次のニュースです。 昨夜未明、
 東京都内○○の国道○○号で、乗用車と9.4トンダンプが衝突。
 この事故で、乗用車を運転していた○○さんが意識不明の重体、
 また、後部座席に乗っていたジャニーズ事務所副社長藤島メリー泰子さん、
 同事務所所属タレントの滝沢秀明さんと今井翼さんが、頭などを強く打ち、
 病院に収容されましたがまもなく死亡しました。
 ○○署では、ダンプを運転していた○○容疑者を、
 業務上過失障害容疑で現行犯逮捕、また、過失致死容疑でも
 調べを進めています・・・・』

――嘘やろ?!
昨日・・・あの葬式の後、事故に合ったって言うんか・・・?
そんなん有り得へん!なんで・・・なんでや!!!
そのニュースを見てからすぐに、あらゆる場所に電話した。
それこそ、知っている番号全てに連絡した。
事務所やマネージャー、そして光一にも。それこそ長瀬や井ノ原にも・・・。
とにかく、ありとあらゆる事務所関係の人間にかけまくった。
だが・・・奇妙なことに、誰も応答しないのだ。
聞こえてくるのはツーツーツー・・・という音。もしくは
「お客様のおかけになった番号は、現在電波の届かない所に・・・」という音声、
あるいは留守番電話サービスセンターへの接続アナウンスだけ。
――やっぱり変や・・・。

次々に浮かんでくる嫌な予感を必死で打ち消しながら、
昨夜のことを思い出していた。

79 :19 ◆DVBV.H/mhs :03/04/29 00:39 ID:C3ZzqKmg
「つよし、ジャニーさんからの遺言だよ」
東山からそう言われたのは、社長の葬式の後だった。
光一や事務所の皆と参列したが、何故か自分だけが呼び出された。
「お前は、俺と一緒にこれからの事務所を支えて欲しいんだ」
不思議なくらい落ち着いた表情で、ゆっくりと語りかける東山。
「な、んですか?突然・・・そんなん言われても、俺」
突然の社長の死に対するショックと、戸惑い、そしてこれから先への不安。
様々な感情に占拠されていたつよしの心は、
そんな東山の言葉を受け止めるのには、弱り過ぎていた。
「それに、そんなんやったらあいつの方が、光一の方がきっと」
東山はまるでガラス玉のような瞳で見つめながら、首を左右に振る。
「いや、光一はダメだと思う。きっと反抗するだろうから・・・。
 出来ることなら、帰ってきて欲しいけどね」
「え?」
――それ、どういう意味ですか?東山さん。
“帰ってきて欲しいけど”
意味深なその台詞を頭の中で繰り返す。
――帰ってきて欲しいて、光一はあそこにおるやん・・・。
そう、確かにその通りだった。
光一はまだ会場内にいて、TOKIOやV6の皆と話し込んでいる。
「あ、の。東山さん?」
東山はあえて何も答えはせず、静かに微笑みかけると、踵を返した。

80 :20 ◆DVBV.H/mhs :03/04/29 00:41 ID:C3ZzqKmg
呆然とその背中を見送っていると、今度は突然後ろから声をかけられた。
「・・・つよしくん」
「あ」
頭の切り替えがうまくいかないままでぼんやりと振り返ると、
神妙な面持ちの滝沢と今井が自分を見つめている。
「大丈夫ですか?」
心配そうに翼に声をかけられ、ようやく笑顔を返すことができた。
「なんやーお前らか。ごめんなぁボーッとしてて」
出来るだけ普通に、明るく返事したつもりだった。
でも、いつものような無邪気な微笑みは返ってこない。
つよしは思わず頬が引きつりそうになるのを抑え、なんとか笑みを保つ。
「どうしたん?」
滝沢の目が、何か言いたげに、不安そうな色をたたえているのに気付いた。
つよしの胸にも言い知れない不安が満ちていく。
「あ、あの・・・」
「滝沢!」
去ったはずの東山が、少し離れたところからこちらを見ていた。
ビクンと跳ねた滝沢の肩を、隣にいた翼がそっと両手で支える。
「行こう」
滝沢は何も言わずに、ただ俯くだけだった。「滝沢?」
つよしの問いにも、もう何も答えようとはしない。
「それじゃ・・・失礼します」
訝しげな表情のつよしに軽く会釈をすると、翼は滝沢を支えたまま歩き出した。
向かってくるのを確認すると、東山も再び歩き出す。

81 :21 そして1の場面に繋がります ◆DVBV.H/mhs :03/04/29 00:45 ID:C3ZzqKmg
次第に小さくなる3人の背中。
それ自体はそれほど珍しい光景ではない。
だが・・・何かがおかしかった。この違和感はなんだろう。
――なんか、めっちゃ気持ち悪い・・・なんでや・・・。
その奇妙さが気になって、なかなか寝つくことが出来なかった。

そして目覚めてみれば・・・これだ。
嫌な予感はある意味的中した。
だが、それでもやはり違和感が拭いきれない。
違う。このモヤモヤはもっと違うとこにある!!!
滝沢と今井のあの痛々しい表情、そして東山の妙な言動。
そう・・・そして昨日、あの二人は東山と一緒だったはずなのだ・・・。
タクシーから飛び降りると、見慣れたその建物の入り口へと走る。
だが、その扉は固く閉ざされたまま、誰の気配もしない。
ドンドン!!ドンドンドン!!!
激しく扉を叩く音にも、誰も、何も反応しないのだ。
「開けろ!開けてくれ!!誰かいるんやろ?!開けろーー!!!」
と、ふいに何かの気配を感じて振り返ろうとしたつよしの頭に、
すさまじい衝撃が走った。
そのまま、つよしの意識は深い地の底へと落ちていった。



82 :22 再び無人島。>17の続きです ◆DVBV.H/mhs :03/04/29 00:50 ID:C3ZzqKmg

森の中を、二つの影が速いスピードで移動していた。
「うわっ!」
出っ張った木の根に躓きバランスを崩しかけた屋良を、咄嗟に米花が支える。
「気をつけろって」
「ごめん・・・」
ニッと笑ってみせる米花を見て、少しだけ安心した。
「ヨネと呼ばれる順番が近くて良かったよ」
「え?」
再び走り出した米花にそう声をかけた屋良の表情は、まだ固い。
それはそうだ。だって、「殺し合いをしろ」と。
世話になった先輩や、仲間や、後輩と、「殺しあえ」と言われたのだから。
怖くてたまらなかったし、それ以前に、こんなの絶対に有り得ない事だ。
外に出てからどう動けばいいのかも分からないまま、教室を後にした。
だから、米花に「待ってて」と言われていたわけでもないのに、
校舎の出口に立ったところから、足が動かなくなってしまった。
「ヤラっち!?」
後から出てきた米花に呼ばれるまで動けなかった。
その間に誰にも襲われなかったのは、運が良かったのかもしれない。
米花に「逃げるぞ!」と言われなかったら、“逃げる”という概念すら
自分の頭には浮かばなかったのかもしれない。
米花に引っ張られるようにしてようやく走り出したのだ。

83 :23 ◆DVBV.H/mhs :03/04/29 00:53 ID:C3ZzqKmg
だって・・・どうしたらいいか分かんないじゃん。
逃げるったってさ、何から・・・何処に逃げんだよ・・・。

「・・・お前も俺も、ヤ行の名前で良かった」
「なんだよさっきから」
走りながらでもほとんど息切れしない米花の体力には、毎度のことながら感服だ。
こいつと一緒だから、今自分は生きてられるのかもしれないな、と思った。
生きた心地がする。少なくとも一人でいるよりはずっと。たとえこんな状況でも。
「とりあえず灯台に行こう・・・嵐の皆とか、きっといるから」
「あぁ・・・」

まだ、どうしたらいいのか、自分では分からない。
でもとりあえずこいつに着いて行こうと思った。
走る先に何があるのか、まだ全然分からないけれど。
走っていられるうちは走り続けようと思った。



84 :24 ◆DVBV.H/mhs :03/04/29 00:54 ID:C3ZzqKmg

松岡と井ノ原が出会ったのは、小高い丘の上だった。
「ガキはたけぇとこが好きなんだな」
「あ?!」
一人で草むらに座り込んでいた井ノ原は、
突然背中から聞こえてきたその声に反射的にそんな返事をしていた。
「なんで同じとこにいんだよ」
「るせーな・・・お前が真似したんだろ」
そう言いながらも、松岡が挙げた片手にバシッと拳を入れる。
二人黙って並んだまま、しばらくの間そこから景色を見ていた。
別段、何が見えるというわけでもなかったが。
「二人だけだってよ」
松岡がぽつり呟く。
「一緒に生き残るか」
「冗談じゃねぇよ」
心底嫌そうな表情を浮かべる井ノ原。
返ってきたその“らしい”台詞に、松岡も笑顔を返した。
「なんだよ、ちょっと嬉しかったくせに」
そう茶化しながら二人で話していると、ここが無人島で、
殺し合いの舞台だなんて事をすっかり忘れてしまいそうだった。
このまま、こうやってずっと二人でくだらない言い合いでもしながら過ごせば、
何も見ず、苦しい思いはせず、悲しい思いもせずにいられる気もした。
たとえ、20数時間後に死ぬのだとしても・・・。

85 :25 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/04/29 00:58 ID:C3ZzqKmg
うーん・・・と伸びをしながら、松岡が首を鳴らす。
「さて」
動き出すそぶりを見せる松岡に井ノ原が顔を向けた。
「どこ行くんだよ」
「どこ・・・行けばいいんだろうな」
「なんだ決めてねぇのか」
井ノ原は安心したような、けれども少し残念そうな微妙な表情でそう返す。
「とりあえず誰か探すわ。皆がどうしてんのか心配だし」
「あぁ・・・」
そうか。この島にいるのは俺達だけじゃない。
当然他の皆も、今どこかにいる・・・。
そんな当然の事をようやく実感した気がしていた。
――俺は今たまたまコイツに会えたし、たまたま殺意のない奴だったけど・・・。
もしかしたら他の誰かは既に、殺意のある誰かに遭遇し、
命の危険にさらされているのかもしれない。
そう、例えば・・・V6のメンバーだってその例外ではない・・・。
「あいつら大丈夫かな」
井ノ原の表情がかげるのを見て、松岡の口の端がわずかに上がる。
「お前も一人でいる性分じゃねぇだろ、着いてくるか?」
あぁ、と返事をしかけた井ノ原が眉間にしわを寄せた。
なにかおかしい・・・。
「なんでお前が偉そうなんだよ、ムカつくな・・・」
そう言うと、先を歩んでいた松岡を急ぎ足で追い越してやった。
松岡は笑いながら、そんな井ノ原の後に続いた。
   


86 :ななしじゃにー:03/04/29 02:34 ID:UlVrG5XO
おおおーめちゃ進んでる(喜 連載タン乙!

87 :ななしじゃにー:03/04/29 07:11 ID:krXguU1W
連載さん乙!です。
ザクザク進んでて禿ウレスィです。

88 :ななしじゃにー:03/04/29 15:28 ID:k0Wm+cVH
連載さん乙ー。

89 :ななしじゃにー:03/04/30 01:08 ID:MJLIxk9H
ココ初めて見ました。面白い〜もっと読みたいでつ!!

90 :ななしじゃにー:03/04/30 03:28 ID:ojPN9R4e
おもろー

91 :ななしじゃにー:03/04/30 08:13 ID:UyG70kWW
>>45 を読みなさいな。
連載さんはsage進行キボンだよ。

92 :ななしじゃにー:03/04/30 13:53 ID:p/zfs9tN
めちゃおもしろい。できれば須磨も出してほしぃでつ
マッチさんはいないのか

93 :ななしじゃにー:03/04/30 15:42 ID:dlsCsTd5

■■メールアドレス大量販売!ビジネスにご活用ください。アダルト情報もあります。
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94 :ななしじゃにー:03/05/01 00:01 ID:Jho3KYW3
連載さん乙!!
めちゃ面白い。
こーゆージャニバトロワ話って前にもあったような記憶があるんだけどそれってどこで見れるかわかる方いらっしゃいますか?
他のも見たくなってしまいました。

95 :ねむねむ連載 ◆DVBV.H/mhs :03/05/01 00:09 ID:BjCLXSi3
皆さんレスありがとうございます!
他バトロワへの誘導も貼った方がいいですかね。
>92
須磨とマッチさんですか・・・大御所軍団(w の代わりに
沢山の子供を借りてしまったため、チョト難しい鴨しれません。
考えてみますが、ご期待に添えなかったらごめんなさい。

96 :26 ◆DVBV.H/mhs :03/05/01 00:14 ID:BjCLXSi3

“灯台に集まろう”
これは櫻井が自分で提案したことだった。
近くに嵐のメンバー全員、そして米花がいたこと。
これは非常に運が良かった。小声でも伝えることが出来た。
相葉のことも不安だったし、とにかく皆で一緒にいることが必要だと思い
咄嗟に思いついた場所が、東山が説明する際に使った地図の中の灯台だった。
一人でいたっていい事があるはずない。
とりあえず集まっていれば、何かいい案が浮かぶかもしれない。
間違いを起こすこともないはずだ。
――みんな無事にたどり着いたかな・・・。
心配でたまらない。
自分が怖いのも確かだが、離れてしまった以上、
助けてやることも、側にいてやることも出来ないのが悔しい。
他の参加者がどういう行動を起こすのか、それが不安だった。
何よりも今、櫻井自身が“一緒にいたい”、と思っている。
ついさっきまでは当たり前のように隣にいたのに、
こんなに会いたくてたまらなくなるなんて。
そんな弱々しい自分に、思わず苦笑した。
早く会いたい。それだけを思いながら櫻井は必死に歩き続けた。
荷物に入っていた武器と呼べるべきものはロープ1本。
他の人は、どんなものが入っていたのだろう・・・。
それも気になっていた。
誰がどんなものを持っているのか。
それによって心構えもまったく変わってくる。
だが、嵐の4人や米花達が自分に危害を加えることはない。
それだけは胸をはって、自信を持って言える。
その気持ちは今でも変わらなかった。
と、歩みを進める櫻井の目に、木の側にしゃがみこんでいる誰かが映った。

97 :27 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/05/01 00:21 ID:BjCLXSi3
思わずピタリと立ち止まった櫻井。
息を飲み、それが誰であるのかじっくりと観察した。
柔らかく揺れる茶色の髪。それは、思いつめた表情の山下智久だった。
山下もこちらに気付いて視線を向ける。
あぁ、あいつなら大丈夫だ。
安心し、櫻井は笑みを浮かべてゆっくりと近づいていった。
ただしゃがみこんだままの山下の様子がどうも気にかかる。
――俺の存在に気付いてんのに・・・具合でも悪いのか?
それとも、誰かにやられてケガしたのだろうか。
櫻井の胸に焦りが生まれ、山下に向かって軽く駆け出した。
「大丈夫?やま・・」
山下が、そっとこちらに手を差し出す。
櫻井は最初、握手でも求められているのかと思った。
それとも、立てないから手を貸して欲しいのかと思った。
だから、思わず自分も手を差し伸べようとしたところだった。

パンッ

透明な、茶色の瞳でこちらを見つめたまま、銀色に光るものを向けている。
櫻井は声をあげる間もなくバタンと倒れこんだ。
「今のご気分を、ラップでどうぞー。翔くん」
山下がゆっくりと立ち上がり、にこりともせずに冷たい瞳で見下ろしている。
やがて櫻井の荷物をガサガサとあさり始めた。
「か、はっ・・・」
言いたいことが、うまく言葉にならない。
胸のあたりが焼けるように熱かった・・・。
「ロープもらってくね。バイバイ」
ヒクヒクと痙攣する櫻井に一瞥をくれ、山下は去っていった。
 

98 :ななしじゃにー:03/05/01 00:46 ID:LgyaOLAC
連載さん乙です。ざくざく進んで嬉しいです。

勝手に載せていいかわからないけど、
ジャニ板のバトロワ全部まとめてあるサイトあったよね。

99 :ななしじゃにー:03/05/01 01:27 ID:hYrXZpdO
ああっ、傘がぁー! Pこえぇ・・・

100 :ななしじゃにー:03/05/01 01:34 ID:Jho3KYW3
>>98
是非うpキボンヌ。
自分ぐぐっても出てこなかったんだな。
うざかったらスルーで。

101 :ななしじゃにー:03/05/01 01:56 ID:elPUDJXh
完結してるし書き溜めさんのお薦めだよ。 と言うか、代打屋さんや完結さんのも禿しく好きだったんだが、 途中で止まっちゃってるからね・・・煮え切らない感が。続きが読みたいよ。 連載タンもがんがれー

102 :ななしじゃにー:03/05/01 11:28 ID:lsYCjfKW
>>100
98ではないが、どぞ。
tp://cute.cd/jbr/

103 :ななしじゃにー:03/05/02 00:57 ID:BfT4+eSw
ありがd

そして連載タンがんがれー

104 :あわあわ連載@藍喪:03/05/02 23:55 ID:zT9Yi8Zv
PCがやられてしまいますた。始まったばっかりでカナーリ幸先悪いですね(ニガワラ   必ず戻って来ますので、どうか待ってて下さい!

105 :付け足し連載@藍喪:03/05/02 23:57 ID:jmAEXD2n
藍喪からなので、改行出来なくてすみません。具合によっては案外早く復帰できる、やも。やも・・・

106 :ななしじゃにー:03/05/03 18:12 ID:uN8I71xA
連載さん丼米。傘はどうなるんだ・・・?死ぬなぁーー

107 :カコワルイ連載・・・ ◆DVBV.H/mhs :03/05/03 21:09 ID:1+dabCFS
大事には至らずなんとか復旧作業を終えました。
一人で騒いでなんだかすごく恥ずかしい気持ちイパーイです(苦藁
シャキシャキ更新しますので、これからもよろしくお願いします。
では、また後程。

108 :ななしじゃにー:03/05/04 00:25 ID:iX5oVSuK
>>107
連載サンがんがってください。

109 :28 ◆DVBV.H/mhs :03/05/04 00:41 ID:AUNuF0nu

目の前ではじけるような音がして、長谷川は反射的に草むらに身を隠した。
静かにそこから顔を出した長谷川が見たのは、血に染まった櫻井と、
それを撃った山下の冷酷な瞳だった。
「?!」
長谷川は思わず言葉を失った。
――なんだよ、なんだよオイ・・・何やってんだよ・・・!!
山下はまるで何事もなかったのように森の奥へと消えていく。
「ちょ、ちょっと・・・山下くん!!」
長谷川が草の陰から飛び出したときには、山下はもう見えなくなっていた。
少しの間呆然とその方向を見つめていた長谷川だったが、
櫻井の呻く声に一気に現実に引き戻され、急いで側に駆け寄った。
「翔くんっ!!!」
櫻井が薄く目を見開いたまま、消え入るような声を漏らす。
慌ててその手を握ったはいいが、どうしたらいいか分からない・・・。
「どーしたらいいんだよ・・・なんで撃たれてんだよ!!」
今にも泣き出しそうな勢いで叫びながら、パニック状態に陥る長谷川。
「血も止まんねーよ・・・あぁぁ!!」
「まつ・・ん?」
「翔くんっ?!」
「だ、れ?ニノ・・・?」
違うよ!と訂正しようとも思ったが、長谷川はその言葉を飲み込んだ。
櫻井の瞳にはきっと、一番会いたい人達の姿が映っている・・・。
「うっ・・・」
名前を呼び続ける櫻井の姿に、溢れる涙を止められない。
長谷川は嗚咽を必死でこらえながら、更に力強くその手を握ってやった。

110 :29 ◆DVBV.H/mhs :03/05/04 00:46 ID:AUNuF0nu
「・・・何?翔くん」
「お、のくんと、あいばちゃ・・・」
「大丈夫だから!みんなここにいるよ!みんな・・・ちゃんと生きてるから!!!」
必死で叫んだその声に、櫻井の瞳が静かに長谷川の姿を捉えた。
その目が小さく笑い、ゆっくり、ゆっくりと閉じられていく・・・。
長谷川は言葉を発することも忘れ、祈るようにそれをただ見つめていた。
何度か痙攣を繰り返したが、少しずつ苦しげな表情は消えてゆき、
やがて、穏やかな時が訪れた。

櫻井の頬を伝う涙の行方を追う。
ぽたりと地に落ちた雫が終わりを告げた。
それでも、その温もりが消えるまで、握った手を離すことが出来なかった。


【櫻井翔 死亡  残り29人】




111 :30 ◆DVBV.H/mhs :03/05/04 00:53 ID:AUNuF0nu
「相葉ちゃん大丈夫?」
二宮の問いかけに、相葉は机を見つめたままこくりと頷いた。
相変わらず顔色は悪く、両手でしっかりと自分を抱きしめている。
2人が必死でなぐさめても、相葉は青い顔で俯いたままだった。
二宮は椅子に両手をついてフゥとため息をつくと、天井を見上げた。
「翔くんもまだだし・・・大野さん、大丈夫かなー」
心配そうに呟いた二宮に、窓の近くに立つ松本が思わず苦笑する。
「翔くんかMAの誰かが一緒だといいけど・・・」
窓から離れ、腕を組んだまま壁に寄りかかった。
櫻井の提案通り、相葉と二宮、そして松本がここ灯台に集まった。
しかし、それからは誰もここを訪れない。
次第に3人の胸中にも不安が満ちていく。
「ね、ここ、さ。分かり易いからいいって選んだんだろうけど・・・
 明らかに人目につきますよね・・違う人、来たらどうしましょうか」
その言葉に続き、二宮がハハ、と渇いた笑いをこぼす。
松本の表情にも緊張が走った。
「やめてよ、怖いこと言うの・・・」
「ごめん」
あーもう最悪!と、松本が歩き出す。
居ても立ってもいられなくなったのか、小さな備え付けのキッチンに移動し
ガサガサと何かを探し出した。
蛇口をひねると、そこからは綺麗な水が出た。水道は生きている。
どこからか出てきたヤカンを流し台にガシャンと置き、水を入れた。
ぶっきらぼうにそれをコンロに起き、栓をひねる。
チチチ・・・と音がして、やがて火がついた。
「あんまり大きな音立てないで下さいよー松本さん。
 音を聴きつけて誰か・・・来たりして」

112 :31 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/05/04 00:57 ID:AUNuF0nu
その言葉に弾かれたようにバッと振り返った松本は、
困ったような、怒ったような、訴えかけるような視線を二宮に送った。
「そういう事言うなっつったろ?!」
――怖いんだってば・・・。
平気な顔してそういう事を言うから腹が立つ。
「どーすんだよ・・・俺ら、誰もちゃんとした武器持ってないのに・・・」
「はは、来ないといいね」
二宮も立ち上がり、松本の隣に並んだ。
戸棚をゴソゴソとあさると、そこからティーパックらしきものが出てきた。
「あ、ニノ、それお湯沸いたら作って。相葉ちゃんに飲ませよ」
「手榴弾」
「え?」
「相葉ちゃんの武器、手榴弾だった。万が一の時はそれ使おう」
真剣な顔でそう言う二宮に、ゴクンと生唾を飲み込んだ。
「パナとか、秋山くんとか、みんな来たらまた状況が変わるだろうけど」
「・・・あぁ」
シューと音を立て始めたヤカンを取り、カップにお湯を注いだ。
湯気を立てるそれを、二宮が机に置く。
「相葉ちゃん、これ飲んで。少しは落ち着くよ」
肩を叩きながら優しく声をかけると、相葉は弱々しく微笑んだ。
「ねぇ、ニノ」
「ん?」
流し台の方を向いたままで松本が呟く。
「また、5人でコンサートとか・・・やれるかな」
その気持ちが痛いほど分かって、二宮はすぐに答えを返せなかった。
松本はそれを察してか、自ら振り返る。
「やろうな、絶対」
やがて二宮から返ってきた笑顔に、満足そうに口の端を上げると
松本は二つのカップにお湯を注ぎ始めた。  
       

113 :ななしじゃにー:03/05/04 01:42 ID:F5YZyI/s
連載さん色々と乙です!毎日密かに覗いてます。
傘が…・゚・(ノД`)・゚・。
最後のシーンに禿感動しました。
これからもがんがってください!

114 :ななしじゃにー:03/05/04 09:22 ID:z4KdnW60
子供とって新しいですね。
漏れ子供とカケモだから嬉しいでつ!

115 :32 ◆DVBV.H/mhs :03/05/06 01:19 ID:NH9VCOMZ

――誰か見てる・・・?
さっきからずっと、太一は歩きながら何度も振り返っていた。
「なんなんだよ・・・気持ち悪いな・・・」
ずっと誰かの視線を感じるのだ。
かと言って誰かが襲ってくる様子もない。そういう予感はしない。
それなのに、誰かにじっと見張られているような、そんな変な感覚だった。

「太一?」
「・・・っ!!」
突然声をかけられ、ビクッと立ち止まる。
ガサガサと音を立てて近づいてきたのは長野博だった。
――てことは、後をつけてたの長野くんだったのか?
「今までずっと俺の後、つけてた?」
「え?いや、僕あっちから来たし。なんで?」
首をかしげる長野。嘘をついている様子もない。
自分の思い過ごしだったのだろうか・・・。
「大丈夫?ケガとかしてない?」
「あ、あぁ。うん大丈夫だよ」
太一の返事を聞き、そっか良かったーと笑顔で近づいてくる。
「・・・相変わらず優しいねー長野くんは」
「え?そうか、そうかな」
少し照れくさそうに笑う長野を、不思議なものを見るような目で見つめた。
「何?」
「ううん、なんでもないよ」
ほわんとした雰囲気の長野に、自分もにこりと微笑み返す。
いつもと変わらない。
今までと何一つ変わらない関係がここにあった。

116 :33 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/05/06 01:23 ID:NH9VCOMZ
「殺し合いかぁ」
二人で並んで歩きながら、太一は意を決して呟いた。
その言葉を口に出してみると、思っていた以上に恐ろい響きだった。
「ヒガシくんもひどいこと平気で言うよなぁ」
「あぁ・・・うん、そうだね」
太一が低い声で呟くと、長野は少し困ったように笑う。
悔しくて仕方がなかった。
あんなに長い時間一緒に過ごした後輩を、殺し合わせるなんて。
「僕、ヒガシくんの秘密いっぱい知ってるのに・・・」
「あはは〜それがなんになるんだよ」
長野は笑ったが、太一はいたって真剣だ。
こんなことになるならもっと公の場で暴露しときゃ良かったよ。
あ、それでヒガシくんのこと脅迫してみようかな。
・・・それじゃ逆に消されるか。ダメじゃん。
くだらない事をたくさん考えても考えても、最後に出るのはため息だった。
どこか変わってるとは思ってたけど、ここまでだったとは・・・。
それとも、東山を豹変させる何かがあったのだろうか。

人間なんて、変わるのは簡単なのかもしれないな。
考え抜いてそんな結論に達した。
もしかしたら、自分だって案外簡単に豹変してしまうのかもしれない。
何をキッカケに?どんな風に?
自分自身に問いかけながら、長野に見つからないよう
そっと荷物の中から武器を取り出してみた。
黒く、ズシリと重みのある拳銃。
太一の喉が、グッと音を立てて鳴った。

117 :ななしじゃにー:03/05/06 01:33 ID:lLN+Y0fs
連載さん乙です!
歪の言葉に禿泣きました!
ちなみに平安は凸のことは岡田くんと呼んでますよ

118 :ななしじゃにー:03/05/06 01:44 ID:dC9+iAaO
連載さん乙〜!

>「僕、ヒガシくんの秘密いっぱい知ってるのに・・・」
>こんなことになるならもっと公の場で暴露しときゃ良かったよ。

ワラタ。今からでも遅くないぞ(w

119 :名無しさん:03/05/06 16:11 ID:E5SPxTlw
>>1
菅谷理沙子

120 :ななしじゃにー:03/05/06 23:09 ID:vGZi2+05
博様は自分のことは「俺」と言う様な・・・
ウザかったらスルーしてくだされ

121 :ななしじゃにー:03/05/06 23:26 ID:q8wny0Xi
いや、たまーに「僕」も使うよね。確か。

122 :ななしじゃにー:03/05/07 00:42 ID:FCDVomEP
しかし早く続きが読みたくなるな
連載さん期待してるね

123 :ななしじゃにー:03/05/07 22:53 ID:s8hJf4La
若菜ちゃん!

124 :コーラが飲みたひ・・・連載 ◆DVBV.H/mhs :03/05/08 00:36 ID:LRBUKHvk
今夜中に続きうpできますように、と願いながら
書き書きしています。スラスラッと書ける頭が( ゜д゜)ホスィ…
>120
スイッチが入ってない博様(w は僕、という
何とも偏見に満ちた連載的な使い分けのつもりでした。
そう言えば俺と僕を両方使ってる蛇似タレ多いですよね?

125 :34 ◆DVBV.H/mhs :03/05/08 01:31 ID:LRBUKHvk

たとえば、そう。こんな武器がキッカケになる。
強い武器を持つと自分まで強くなった気になる。
きっとすごく偉くなった気になる。
弱いものをいじめて、自分の強さを誇りたくなる。
それでも表向きは立派な人間の仮面をかぶって、
自分は正義だと、強さこそ正義だと声高らかに歌う。
別に珍しいことではないのだ。
他の国では、まるで当然のように殺し合いをしている。
自分もそんな人間になり得るのだろうか・・・。

――長野くんはどうなんだろう?
後をつけてきたのは、やはり長野だったのかもしれない。
何気なく近づいて、いつか自分のことを殺す気なのかもしれない。
そうだ・・・だからこんなに落ち着いていられるのだ・・・。
長野は優しいだけの男じゃないということを、自分は知っている!

決断してから行動に移すまでは本当に一瞬だった。
突然立ち止まると、取り出した拳銃を構えた。
「?!」
即座に身を交わし、地面にしゃがみこむ長野。
「おい太一!やめろよ!!」
太一はグッと歯を食いしばり、引き金に指をかける。
「くっ!!」
長野はその腕にしがみつくと、そのまま身体を突き倒した。
思い切り地面に背中をたたきつけられた太一。
上から長野が馬乗りになり、身体を押さえつける体勢になった。

126 :35 中途半端で申し訳ない ◆DVBV.H/mhs :03/05/08 01:38 ID:LRBUKHvk
「落ち着けって!!」
――何が落ち着けだ・・・自分だって生きたいくせに!!!
「うるさい!!!」
太一は腹にグッと力をこめると必死の形相で上体を起こし、両手を突き出した。
「うわぁぁあぁぁあああーーーーー!!!!」
バンッ
「ぐあっ」
太一の手に残るビリビリとした感触・・・。
それと同時に、呻き声を上げた長野が弾かれるようにして倒れこんだ。
――しんだ・・・・?
恐る恐る立ち上がり、長野を覗き込もうとしたその時。
死んだと思っていたその身体が動き、太一は思わず後ずさった。
起き上がって膝をついている長野の左腕は血にまみれ、ダランと垂れて動かない。
それを右手で押さえながらこちらを見つめる長野の目は冷ややかで・・・。
「太一」
自分を呼ぶその静かな声に、太一の身体が震えた。
「今、お前、何したか分かってるよね・・・」
言葉が出なかった。今、必死で長野が押し殺している激しい怒りの炎・・・。
太一はその青白い光に圧倒されながらも、決意を込めてそれを見据える。
「俺は誰のことも殺す気なんてないよ。ただ・・・負けるのは嫌いなんだよね」
「どういう、意味だよ・・・」
長野を睨みつける太一の視線にも鋭さが宿った。
「俺が黙ってやられるような奴だと思ったら大間違いだよ、太一。
 ・・・それくらい知ってるでしょ?」
抑揚のない、低い調子の声のままそう言うとゆっくりと立ち上がる長野。
「それ知ってて、俺のこと撃ったんだよね」
挑戦的なその口調に、太一の口元が嘲笑うかのように緩んだ。
「なんだよ、戦う気満々なんじゃん・・・。
 殺す気なんてないとかってさ・・・それなら最初から奇麗事言うなよ!!」

127 :36 つづく・・・ ◆DVBV.H/mhs :03/05/08 01:44 ID:LRBUKHvk
「説得でもして欲しかったんだ?」
「・・・は?」
「気の迷いだったんだよね、とか。怖かったんだよな、とか。言って欲しかった?」
「何言って・・・」
「太一まだ迷ってたでしょ、戦うのかどうか。だからちゃんと命中しなかった。
 撃ってみて、やっぱりダメだと思ったらまだ戻れると思ってたんでしょ」
ゆっくりと近づいてくる長野を、無意識のうちに避けようとする自分の足。
後ろを向いて逃げようと思っているのに、何故だか視線を外すことが出来ない。
「紙一重なんだよね、何でも。みんなギリギリのところで生きてる。
 けどね、やっていい事と悪いことがある。それを越えたらもう戻れない。
 坂本君や井ノ原だったらどうするか分からないけど・・・俺はお前を許さないよ」
天を仰いだ後、太一に視線をうつす。
その瞳の強さに思わず固まった太一をめがけて、長野が右腕を振り上げた。
「ぐ、はっ」
その拳が腹を直撃し、ふらふらと倒れこむ太一の襟首を掴むとグイッと引き寄せた。
「立てよ」
「・・・っ!!」
近づいた長野の顔を悔しそうに睨みつける太一。
「ちょっと・・・撃ったのは太一なんだよ?そんな目しないでよ。
 今のところ、明らかに被害者は僕なんだから」
――う、るさい。
「弱い奴が武器持つとこうなるんだよね・・・やめとけば良かったのに」
――うるさいよ・・・。
「その手に持ってるもの、よこして?」
――うるさいウルサイうるさいウルサイうるさいウルサイうるさい・・・・
「馬鹿に・・・するなっ!!!」
吐き出したすように叫んだ太一の手が、拳銃をギュッと強く握り締めた。

128 :ななしじゃにー:03/05/08 01:49 ID:hfy2rXps
博様怖すぎ…ドキドキしました。
あまりの怖さに、眠れなくなりそう(w

129 :ななしじゃにー:03/05/08 01:53 ID:8t+OMrZW
撃たれてんのに博様の方が怖い…(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル

130 :ななしじゃにー:03/05/08 03:12 ID:K+f8qZX4
博様スイッチオン、コワー(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガク

131 :ななしじゃにー:03/05/08 03:18 ID:eDd1B2Ad
読むのを楽しみに帰ってきた
スイッチ入った博様怖すぎ・・・
凸もPもかなわんな

132 :ななしじゃにー:03/05/08 13:43 ID:LP0jhP/+
博様かっこえ〜
自担じゃないのにときめきました(W


133 :37a 長すぎたので分割 ◆DVBV.H/mhs :03/05/10 00:13 ID:+1BGIjnR
左手を振り上げて拘束から逃れると、グリップで長野を殴りつける。
ガンッ!という衝撃によろけた身体に、間髪いれず無我夢中で拳を入れた。
かろうじて立っていた長野も、ずざざっと地を這うようにして倒れこむ。
それを見下ろす太一の呼吸は荒い。
「馬鹿にすんなよ・・・なんか勘違いしてない?僕、銃持ってんだよ?」
長野の威圧感のせいで忘れそうだったが、自分は武器を――拳銃を持っている。
こちらが怯えなければいけない理由など何処にもないはずだ。
「くっ・・・」
長野もゆっくりと立ち上がり、腕を押さえたままの体勢でこちらを見つめた。
満身創痍の状態でも、その瞳の色だけは未だに変わらない。
それが太一にとっては気に喰わない。どう考えてもこちらの方が優位なのに、
何故こんなにも自分が必死にならなくちゃいけない?
全てを見透かされているような・・・そんな空気がすごく気持ち悪い・・・。
「そろそろ死んでもらうよ」
早く片付けてしまいたい。不思議な自信に満ちたその目を、早く閉じさせてやりたい。
拳銃を両手でしっかり握り締めると、身体の前に突き出して構えた。
まだ荒い呼吸を落ち着けるように肩を上下させながら、大きく息を吐く。
外すわけにはいかない・・・次で最後だ。
長野は自分に向けられた銃口を見据えると、ふいに身体の緊張を解いた。


134 :37b  ◆DVBV.H/mhs :03/05/10 00:20 ID:+1BGIjnR

「俺のこと殺したとして・・・手強そうなの他にも大勢いるけど、みんな殺すの?」
焦りにも似た太一の心を読んだかのように、咄嗟に投げかけられた問い。
「山口くんとか、松岡とか、長瀬とか、茂くんとか・・・。同じように殺せる?」
返す台詞も見つからずに黙り込む太一を見て長野がフッと笑みをこぼした。
「お前甘いよ。だから言ったでしょ、弱い奴が武器持つとろくなことないって」
じわじわと深層心理の中に踏み込んでくるような言葉に、太一が舌打ちを返す。
「そんなこと聞いてどうすんだよ、どうせあんたはもうすぐ死ぬ」
「・・・そうかもしれないね」
急に素直になった長野が不気味で、なぜだか引き金を下ろせない・・・。
「じゃあ長野くんは?長野くんは強いから、メンバーでも平気で殺せるわけ?」
「言ったでしょ、俺は誰のことも殺す気はないって」
「へえ・・・僕のこと殺そうとしたくせによく言うよ、偽善者」
「自分の命惜しさに、元同僚の人殺しを容認する方が偽善だと思うけど?」

太一の眉間がピクリと震える。
――何が言いたいんだよ・・・。
「何そんな平気な顔してんの・・・自分は死なないとでも思ってるわけ?」
「そんなこと。太一の指の動き一つで俺は死ぬ、残念だけどね」
「・・・黙れよ」
「お前がそれ撃てば黙るよ」
「黙れって言ってるじゃん」
――分かったようなこと・・・言うな。


135 :38 ◆DVBV.H/mhs :03/05/10 00:27 ID:+1BGIjnR

バンッ

長野の上半身が勢いよく反り返り、バタンと地に落ちる。
まるでゴムのおもちゃみたいな動きだった。
それはカッと目を見開いたまま、もう動かなかった・・・。
「長野くん・・・」
――今の・・・なんだったんだ・・・これ誰がやったんだよ・・・。僕?
グッとこみ上げてくるものを無理矢理抑えた。
後悔とか、申し訳ないとか、悲しいとか、そんなもの忘れよう。
そんなこと考えてたら生きていられない。
後で空しくなるかもしれないなんて、考えちゃいけないんだ。
そのためなら仮面でも猫でも、何だってかぶってやるよ。
いくらでも演じてやる、精一杯演じきる・・・。

「太一か〜?」
どのくらい時が経ったのだろう。
寝ぼけたような城島の声に、太一は一気に現実に引き戻された。
拳銃を握り締めていた右手をサッと隠したのは無意識だった。
生い茂る草と夜の闇が、長野の体を隠している。
――大丈夫・・・見えてないよね・・・。
「どないしてん、そんな顔して」
心配そうに尋ねる城島。更にビクつく自分の身体。
今、自分はどんな顔をしてるんだろう。自分では見えないから、尚更怖い・・・。
今までの自分はどんな顔をして、どんな風に生きていたか、
必死で思い出しながらなんとか笑顔を作り出した。

136 :39 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/05/10 00:31 ID:+1BGIjnR
「良かったわ〜お前に会えて。なぁ、どっかで休まへん?」
「う、うん。そうだね」
後ろに隠した右手にギュッと力を込める。
――ダメだ・・・撃てないよ・・・。
「ほんまに、おかしな話やわ。なぁ太一?」
自分の少し前を歩き出す城島。
――何も今撃たなくたっていいんだよ、まだ時間はあるんだから・・・。
拳銃をそっと荷物の中にしまうと城島の後に続いた。
と、突然懐中電灯で顔を照らされ、その眩しさに片目を閉じた。
「あ、太一。頬切れてるんちゃう?」
ゆっくりと振り返った城島が自分の頬をトントンと指でさしながら言う。
「え?あぁ、ありがと・・・」
城島は頷いて笑顔を浮かべると、再び歩き出した。
太一が手の甲で頬をぬぐうとそこに鮮やかな血が付着した。
だが、指でさぐってみても自分の頬には傷の跡などない。
――長野くんの血だ・・・
ドキリとして前を歩く背中を見つめる。
――気付いてないんだ・・・リーダー・・・。
『俺はお前を許さない』
『お前甘いよ』
長野の言葉が、浮かんでは消える。
自分は今、騙してる。自分を心配してくれるこの人の事を・・・。
――演じろ、演じるんだよ!
必死でそう自分に言い聞かせながら歩き続けた。

【長野博 死亡  残り28人】



137 :ななしじゃにー:03/05/10 01:07 ID:1VHuipEf
キャー連載さん乙!
待ちわびてたよ

138 :ななしじゃにー:03/05/10 01:15 ID:YRYSE8SG
中堅よ、博様を殺めた罪は重いぞ・・・ガクガク(((( ゜д゜;)))ブルブル

139 :ななしじゃにー:03/05/10 01:16 ID:CI2KWGo7
おぉ!追加されてる。
続きが気になりますじゃ。

140 :ななしじゃにー:03/05/10 01:17 ID:JEsRn7aR
博様は貞子のように中堅に付きまといそうだ。
中堅、すでに壊れてるが、ますます破綻しそうだ。

141 :ななしじゃにー:03/05/10 01:43 ID:694hcY5b
死んでからも怖いよ博様…((;゚Д゚)ガクガクブルブル

>140
ジャニーズエンターティメント!!

142 :豆知識:03/05/10 17:42 ID:o2j2cZKd
<アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)←脳の機能的疾患(遺伝が要因)>
http://www3.ocv.ne.jp/~cochome/kaisetsu.htm#chigai
http://www.autism.jp/l-02-03-aspe3.htm
http://www.geocities.co.jp/Beautycare/5917/as/
●接し方のルールがわからず無邪気に周囲の人に対して迷惑なことをしてしまうこと
がある。人を傷つけるということには鈍感です。年配の先生に向かって「おばあさん
先生おはようございます」と明るい大声で挨拶する生徒もいる。こういった言動をす
る場合にも彼らには悪意はない。
●小さな声でひとり言を言ったり、考えていることを声に出して言うことがある。
●融通が利かないことも学校生活で問題になる。時間割の変更や突然の教師の欠勤と
いう事態で不安を感じたりかんしゃくをおこしたりする。あまりに規則に厳格なため
に、遅刻した同級生に延々と注意をしたり、修学旅行などで消灯時間をかたくなに守
り、他の生徒の顰蹙をかったりすることがある。
●行動・興味・活動のパターンが貧困で反復常同的なことも自閉症の特徴である。すな
わち、日常の活動の様々な面にわたって柔軟性のないルーティン(決まった手順や日課)
を押しつける傾向、これを慣れ親しんでいる習慣や遊びのパターンだけでなく、たいてい
は新しい活動にも押しつける。そしてルーティンや個人的な環境の細部の変化(家の中の
置物や家具の移動によるなど)に対する抵抗がみられることがある。
●揺れる木の葉を見続ける子どもは興味のレパートリーが狭いとも言え、視覚的な敏感さ
があるといっても良い。
●精神遅滞を伴うものと伴わないもので大きく分かれる。100%果汁のオレンジジュー
スを思い浮かべてください。それにだんだん水を加えて薄めて行くと終いには水にごく近
くなる。一口飲んで「オレンジジュースだ!」とわかるものは自閉症、水に近いけれどな
にかオレンジの味が混じっているのがアスペや高機能・・。その濃度はさまざま。濃いオ
レンジジュースであったとしても早期の療育や周りの対応によって水に近づいていくこと
は可能。しかし間違えてはいけないのはオレンジジュースが一滴でも落ちている場合は
「純粋な水」にはなれないのです。


143 :ななしじゃにー:03/05/11 07:27 ID:Z+T9osJI
>102さんの例のサイト、最近更新されてないよね?
連載さんのも載ってないけど誰か連絡した方いる?
それとも管理人さん最近は更新やめちゃったのかな(´・ω・`)

連載さん毎日楽しみにしてまつよ!

144 :ガクガクブルブル・・・連載 ◆DVBV.H/mhs :03/05/11 23:28 ID:NYf1IKO+
皆様お世話になっております、連載です。
中堅・・・一緒に罪を背負って生きてゆこうね・・・(w

番長は剛と明記していましたが、高位置がいるシーンでは
(特に近畿担はどつよを連想してしまう人が多いと思うので)
ゴウ、と明記するようにします。分かりづらくてスマソ。

145 :40 ◆DVBV.H/mhs :03/05/11 23:33 ID:NYf1IKO+

「うぅ〜、う〜〜っ」
低く唸るような声が、暗い森の中にこだまする。
身をかがめ、まるで盗人のような足取りで歩いているのは坂本昌行だった。
キョロキョロと辺りを見渡しながら、出来るだけ大きな道の真ん中を進む。
何故なら暗いから。そして、虫が出そうだから。
虫の形を想像するたびにブルッと体が震え、思わず声が出る。
そんな自分の声がますます気味悪い。
「マジで勘弁だよ・・・こんな森の中・・・」
すると突然、横に広がる草むらがガサッと揺れた。
「うっ・・うわわあぁぁあああっ!!」
この世の終わりか?という程のどでかい叫び声を上げた坂本。
思わず両手で頭を抱え、尻を突き出した妙な格好のまま固まってしまった。
「うおっ!」
草むらから現れた方も、そのあまりのリアクションの大きさに相当驚いている。
「びびったぁ・・・なんだよ、坂本くんじゃねぇかよ・・・」
呆れたその声は、三宅健のものだった。
「へ?」
「へ?じゃねーよ、もうっ。超ビックリしたじゃん!!」
半泣きで気の抜けた顔のまま、三宅に叱られる坂本。
今、自分は最高にださい醜態をさらしてしまっている。
でも今はそれどころじゃない・・・反論する力も湧かない。
「うわぁぁ、もう!!ムカツク!!はぁーーー!!!」
とうとう坂本はそのまま地べたにベタンと寝転がってしまった。
「ムカツク、ってさ・・・。いくつだよ坂本くん」
ため息をつきつつ、あまりにも頼りない三十路過ぎの男を見下ろす。
「あっ、そこ虫っ!」
「うわぁぁぁぁっ」
バッ!ともの凄い勢いで起き上がった坂本に笑い転げる三宅。
「嘘だよ〜いないよ〜」
「っ?!!」

146 :41 ◆DVBV.H/mhs :03/05/11 23:38 ID:NYf1IKO+
鼻の穴を広げ、必死の形相ですがるような視線を送る坂本。
ところが三宅はますます面白がり、腹を抱えて笑う。
「ごめんごめん!ひゃははは」
そんなやり取りを二人が繰り広げていた時だった。

「坂本くんっ?健、大丈夫か?!」
だるだるの空気感にはそぐわない、緊迫した表情の光一がそこにいた。
息を切らし、苦しそうに眉をひそめてこちらを見つめている。
「・・・え?」
「えっ?」
「ええ?!」
3人それぞれの声が、一つずつ大きくなった。

三宅が事情を説明すると、光一は大きく息を吐いて膝に手をついた。
「あんな声で叫ばれたらビックリしますわ坂本くん。
 すんっごい、もうめっちゃ全力疾走で飛んで来たのに・・・」
「すまん・・・悪かった」
バツが悪そうに肩をすくめる坂本に、ククッと笑いをこらえる三宅。
それにつられて光一も思わず笑ってしまう。
「坂本くんが誰かに襲われてるー?!思て、急いで来たらこれやもんなぁ」
ひとしきり笑った後、安堵のため息をこぼす。
「ま、何もなくて良かったんやけど・・・」
「何もなくてって・・・今までなんかあったの?」
三宅が小さく問う。
「健、坂本くん。このゲーム止めましょう」
一変したその真剣な瞳に、二人はゴクリと生唾を飲み込んだ。
「参加してしまったらもう止められへん。まだ間に合ううちに皆で決起しましょう」
「そりゃ本気で殺し合いなんてする人、いないでしょ?」
そう聞いた三宅の目に僅かに不安の火が灯る。
「いや、さっき何発か銃声が聞こえてん・・・きっともう始まってるんやと思う」
光一の言葉に二人が絶句した。

147 :42 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/05/11 23:42 ID:NYf1IKO+
「山口くんも今皆に伝えて回ってます。最終的にはこの観光協会で落ち合って、
 それから作戦とか、色々練るつもりです。俺は長瀬とかも探さなアカンし・・・
 また後で会いましょう。ここ、健、分かったか?地図のこの場所」
“長瀬を探す”、その一言に健の顔色が変わる。
「ねぇ・・・ゴウ、見なかった?」
「いや、まだ見てへんな」
「そっか・・・」
「俺も見てない。まだ誰にも会ってないんだ」
次第に坂本の表情も曇る。
事態は思っていた以上に深刻だったということを初めて実感していた。
光一は俯く三宅の肩に手を置き、笑顔を見せる。
「ゴウなら大丈夫やって!二人とも、とりあえず観光協会に向かって下さい。
 他にも誰か来るかもしれへんし。一人になるんが一番危険ですから」
「あ、あぁ。分かった。お前も気をつけてな」
「・・・坂本くんも」
力強く頷くと、光一はまた別の方向へと歩き出す。
「光一!」
光一が振り向くのを確認し、坂本が一歩前へ出た。
「V6の奴ら、誰か見たら・・・よろしくな」
その言葉に片手を挙げると、光一は再び森の奥に姿を消した。

それを見届けると、坂本は三宅の背中をバシッと叩いた。
「よし、俺らも行くぞ」
「・・・うん」
浮かない表情の三宅の頭をポンポンと軽く叩いてやる。
子供扱いするな!と噛み付かれると思いきや、大人しいままだ。
坂本は無言でその肩に手を置き、自分を精一杯奮い立たせた。


148 :ななしじゃにー:03/05/12 00:51 ID:iui63ccX
連載さん、乙です!
何様も☆もすごくあの2人らしーですね(w
番長も無事合流できるといいなぁ。

149 :ななしじゃにー:03/05/12 01:09 ID:ZXl5ZrKP
カコイイ高位置、カコワルイ何様に萌え(w

150 :ななしじゃにー:03/05/12 01:52 ID:QU6Rd+dQ
何様の「V6の奴ら、誰か見たら・・・よろしくな」の言葉、
すでにいない博様、手を汚してしまった凸を思うと泣ける・・・
連載さん、頑張ってくだされ



151 :43 ◆DVBV.H/mhs :03/05/14 00:12 ID:IOUArkTU

校舎を出てから1時間後。ミカン畑でたまたま町田と出会った大野は、
突如として襲ってきた睡魔に負け、そのまましばし仮眠を取った。
気の置けない奴に会えた安心感があったせいかもしれないが、
それはそれはよく眠れた。
ようやく出発しようか、という事になったのはその3時間後だった。

「まだ眠いの?」
「うんちょっと・・・」
あんだけ熟睡しといてまだ眠いのか、と呆れながらも苦笑する町田。
寝たいと言い出した大野に、最初はもちろん従う気はなかったが
「だって夜だよ」の一言ですっかり脱力してしまい、仕方なく付き合うことにした。
大野の荷物から出てきた“武器”は肌触りの良いケープ。
昼寝の時にかけるには最高の、クリーム色のフリース生地だった。
それを広げて見た途端に目がとろんとし始めた上、
もう寝る、と宣言されては反論する気にもなれない。
第一少しでも寝かさないと、歩きながらでも寝そうな勢いだったから。
それに対して自分の荷物に入っていたのは、人よりも余計に多い食料品。
こんなにそれぞれに最適なものを用意されてしまっては、
その通りに行動するよりほかないようにも思えた。
「東山さん、武器も運だなんて言ったけど嘘だよな、絶対」
「でも良かったじゃん、おいしいもの入ってて」
「うん、まぁ」
――良かったけど、二人揃って丸腰じゃん・・・。
町田はため息をつきながら、あたりを見回した。
真っ暗な闇が広がっていて、懐中電灯を照らすとその部分だけがぼおっと明るい。
「すっごい怖いんだけど・・・」
「・・・」
地震の時の避難程度の備えしかないのに、殺し合いだなんて。
とてもじゃないが、あまりにもかけ離れた世界の話だった。
こんな暗い道を歩くだけでも恐ろしいというのに。

152 :44 ◆DVBV.H/mhs :03/05/14 00:17 ID:IOUArkTU
ふいに立ち止まった大野が、小さな声で何かを呼んだ。
「何?」
町田が尋ねても、大野から返事は返ってこない。
「どうしたの」
「町田・・・翔くんが・・・」
大野が震える声でそう告げる。
嫌な予感がして、町田の足がすくんだ。
自分の目が、そこにある現実を見る事をためらう。
大野の足元には静かに横たわる櫻井の姿があった。
町田の持っている懐中電灯が、その顔を照らす。
青白いその顔に血の気は全く感じられない。
それなのに・・・微笑みを浮かべたその表情だけが、温かみを保っていて。
大野はゆっくりと地面にしゃがみこみ、投げ出された手を握った。
「かたい・・・」
その冷たさと、すっかり固まってしまったその現実を目の当たりにし、
みるみるうちに顔がくしゃくしゃに歪んでいく。呟きが涙に濡れていた。
「翔くんっ翔くん!!ねぇ・・・翔くん!!」
「嘘、だろ・・・?誰がこんなこと・・・」
町田が放心状態で呟く。
泣きながら櫻井に声をかけ続ける大野を、ただ黙って見つめていた。
それ以外に、自分に出来る事が一つも見つからなかった。

やがて声がかれ、目も赤く腫れ始めた頃、大野がゆっくりと立ち上がった。
「町田、手伝って。翔くんのこと連れていく・・・」
町田は、憔悴しきった大野の肩に手を置いた。
「連れてくって、どこに?」
「みんなのとこ・・・ニノも松潤も相葉ちゃんも、翔くんのこと待ってんだ」
「いきなり翔くんの身体、皆に見せるの?
 生きて会えるって信じてる皆に、いきなり現実を突きつけんの?」
「翔くんも会いたがってるはずだから。会わせてあげたい・・・」

153 :45 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/05/14 00:22 ID:IOUArkTU
大野の一言一言が、町田の胸に突き刺さる。
気持ちは痛いほど分かる。だからこそ、返事に困る。
重苦しい沈黙が訪れた。
「やっぱやめた方いいって。みんなのショック考えたら、まだ・・・早いよ」
「じゃあ、翔くんを一人でここにおいとけって言うのかよ・・・」
大野のそんな顔は、本当に久しぶりに見た気がしていた。
いや、初めてかもしれない。改めてこの事態の重さを思い知らされる。
「違う、待っててもらうんだよ。灯台はここからそんなに遠くないはずだからさ」
大野はそれでも動こうとしない。
「一人にしたら可哀相・・・」
そう言って再び桜井の側に座り込む大野。
「お前がみんなに知らせに行って。俺ここで翔くんと待ってるから」
そこまで言われては、とうとう町田も折れるしかなかった。
「・・・分かったよ、翔くんも一緒に連れて行こ」
そしてようやく立ち上がろうとした時だった。
ぱらららら
タイプライターを打つような音がして、2人の周辺の地面を削ったのだ!!
「?!」
「なに?」
慌てて身構え周囲を見渡すと、少し離れた所に二つの人影が見える・・・。
「逃げるぞ!大野!!」
「翔くん・・・」
「バカ!お前が死んで翔くんが喜ぶかよ!」
大野は町田の真剣な眼差しにグッと言葉を飲み込み、黙ってしゃがみこんだ。
――待っててね、必ず戻ってくるから・・・。
心の中でそう呼びかけ、その手をもう一度ギュッと両手で握り締める。
横たわる桜井の顔を見ていたら、また泣いてしまいそうだった。
視界がぼやけて、急いで両手でぬぐう。
それを待って町田が走り出した。大野もその後を追った。


154 :ななしじゃにー:03/05/14 00:45 ID:6riKNURJ
連載さん乙〜!!いつも楽しみにしてまつ。
二つの人影…ガクガク(((( ゜д゜;)))ブルブル



155 :46 がんばれ連載 ◆DVBV.H/mhs :03/05/15 21:14 ID:wrqLX0EG

「あ〜っ!外れちゃった・・・」
「ちゃんと狙えっつったろ?!」
マシンガンをぶらぶらと振りながら残念そうに呟く田口淳之介に、
田中聖が苛立たしげに言葉を吐き出した。
「とりあえず追いかけっぞ!」
――なんでまたコイツと行動することになったんだか・・・。
自分でも不思議だったが、この田口が持っている武器、
それが大きな理由でもある・・・。
校舎を出てからすぐに、本当にたまたま出会ってしまった。
その手にあった武器とは対象的な笑顔で迎えられ、聖は戸惑った。
このまま別れたら、いつ何時敵として撃たれるか分からない。
だったら今のうちに味方につけた方がいいのか・・・。
散々迷って、一緒に行動することにした。
生き残れるのは2人・・・。
自分が生き残るには、強力な武器が必要。
自分が持っているのはブレードナイフ。これで戦い抜くのは無謀だ。

「今の町田くんだったよね?」
走りながら田口がぼんやり尋ねる。
「あ?ああ、あと大野くんもいたな」
「大野くんを撃つなんて、オーノー!って感じだよ〜」
恐ろしい殺人の道具を持っていながら、相変わらず平和な笑顔を浮かべる田口。
軽く一発殴ってやりたい気持ちを必死で抑えた。
「・・・今度くだんない事言ったらブッ殺すぞ・・・」
へらへらしてるくせに、コイツは何の躊躇いもなく引き金をひける。
外れはしたが、町田の姿を見つけてから撃つまでは本当にあっという間だった。
まるで本当にゲームをしているかのように、楽しそうに撃った田口。
――敵に回したら一番怖いのは田口かもしんないな・・・。
イライラはするが、味方につけたのは間違いじゃなかったかもしれない。
そう思っていた時だった。
「あ、見つけた」

156 :47 がんばれ自分 ◆DVBV.H/mhs :03/05/15 21:19 ID:wrqLX0EG
ぱらららら
再び音が響いて大野が顔を向けると、隣にいた町田の身体がぐらりと傾く・・・。
「町田?!」
そのまま崩れ落ちた町田は、腹を抱え子供のように丸まっていた。
「どうしたんだよ!町田!!!」
「う・・あぁあ・・・」
顔をしかめ苦しげに呻く町田の身体を起こすと、
その背から、腹から、赤い血が吹き出しているのが分かる。
「町田ぁ!!」
町田の肩を揺すると、紅い血の池が広がり始め、大野は怯えた。
――腹が・・・腹が熱い。
焼けるような痛みをこらえ、何とか立ち上がろうとするがせいぜい這う事しかできない。
ぼおっとする意識の中で必死に目を開けると、櫻井を見つけた時と同じくらい
青い顔をして今にも泣き出しそうな表情の大野が自分を見つめていた。
「町田!」
「い、けよ・・・逃げろ・・・」
「やだよ!!」
――行くな。
「はやく・・・っ、追ってこないうちに早く・・」
――行かないで・・・。
もうすぐで喉から出て来そうな言葉をグッと飲み込み、大野の腕を振り払った。
「翔くん、一人になっちゃうだろ・・・行けって・・・」
「なんだよ!お前の事こんなとこに放って行けるはずないだろ?!」
大野の言葉とその眼差しが町田の胸をしめつける。
「頼むから・・・行けって、早く・・・」
俯いた町田の肩が、その声が震えていた。
「絶対・・・後から絶対行くから・・・」
ぱららら
その音が聞こえた瞬間、「行け!」という町田の声が響いた。
それに背中を押され、大野は走り出した。
『後から絶対行くから』
その言葉だけを信じて走った。走り続けた。

157 :48 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/05/15 21:22 ID:wrqLX0EG

「町田さん、カッコイイなぁ」
寝ぼけたようなその声に、町田がハッと振り返る。
サブマシンガンを構えた田口がそこにいて、にこにこと笑顔を向けていた。
苦しげに、けれども真っ直ぐな瞳で見つめ返す町田に、首をかしげる。
「逃げないんですか?・・・じゃあ、さよなら」
ひらひらと手を振るその顔から、一瞬、笑みが消えた。

――大野ごめん。俺、嘘ついた・・・。

ぱらららら、という音と共に、町田の身体が踊り、
胸に開いた無数の穴から勢いよく血が噴き出す・・・。
聖が追いついた時には、既に動かなくなった町田の体がそこにあった。
「お前・・・もう殺っちゃってたのか」
「ん?」
何事もなかったかのように聞き返す無邪気な笑顔に、身体が震える。
鼻歌まじりに歩き出す長身の背中を追いながら
胸に広がる不安を打ち消そうと、聖は軽く頭を振った。


【町田慎吾 死亡  残り27人】



158 :ななしじゃにー:03/05/15 21:44 ID:yPFnt5bS
やはり大野といえば町田なんだね・・・・・。
大町永久に・・・・。


159 :ななしじゃにー:03/05/15 21:56 ID:dfZXNwyB
>158 チネ!!

160 :ななしじゃにー:03/05/16 00:03 ID:Amo0RwXB
>158
ageてんじゃねーよブォケ!

161 :ななしじゃにー:03/05/16 00:15 ID:ofQ8V7Ij
連載さん乙〜。
続き楽しみにしてます。

162 :ななしじゃにー:03/05/16 17:08 ID:1EgU1hZS
俺愛コワー(;゚∀゚)

163 :ななしじゃにー:03/05/16 18:58 ID:BPB0ossI
連載さん、面白いなー
ホント楽しみっす 

164 :とまどいながら連載 ◆DVBV.H/mhs :03/05/18 00:14 ID:BIh5bgeA
レス蟻がとうございます!こんなメンツのバトロワでも
読んで下さる方がいるというだけで感激もひとしおな連載。
ちゃんと終わらせないと・・・嗚呼、先が見えない・・・(苦藁
色んな反応を下さる方々がいて面白いです、が、
とりあえずsameなpersonじゃありませんのであしからず。

165 :49 ◆DVBV.H/mhs :03/05/18 00:19 ID:BIh5bgeA

光一と別れてから歩き続けていた山口。
少しの間足を休めると、時計に目を移しながら大きく息を吐いた。
「4時か・・・」
そろそろ夜が明ける。
少しずつ空が白み始め、辺りが見えやすくなってきた。
大きく両手を広げて伸びをすると、再び歩き出そうと足を踏み出した。
「・・・?」
その時山口の目に映ったのは、見覚えのある・・・
「長瀬!」
大きな背中がこちらを向いた。その顔が、みるみるうちに笑顔に変わる。
「山口くん?!」
大急ぎで駆け寄ってきたその背中を山口がバシンと叩いた。
急にそうされた長瀬は驚いて跳ね上がる。
「な、なんすか?!」
――良かった。無事で・・・。
山口はあえてその言葉を口にする事なく、ただひたすらその身体を叩いた。
お互いに何のケガもない事を確認し、それぞれに安堵の表情を浮かべる。
「長瀬、お前光一に会ったか?」
「え?いや、誰にも会ってないですけど・・・なんで?」
山口は、長瀬に事の顛末を説明した。
真剣な表情で一生懸命に話を聞いているその姿に、山口の頬が思わず緩む。
「光一スゲーな。あいつそんなことまで思いついて・・・」
感心したように言葉を漏らす。
「けど・・・俺も絶対イヤです。殺し合いなんて」
「あぁ、だからこれから他の奴らにも話しに行く。お前どうする?先に行って待ってるか?」
長瀬はぶんぶんと横に大きく首を振り、着いて行くという意思を示した。

166 :50 つづけ・・・ ◆DVBV.H/mhs :03/05/18 00:24 ID:BIh5bgeA
「俺、あれからずっと考えてたんです」
歩きながら、長瀬がぽつりと呟いた。
「考えて・・・でも結局、よく分からなかったんすけど・・・」
「分からなかったか」
あまりにもそれらしい答えが可笑しくて、山口は笑いをこらえきれない。
「でも・・・俺、やっぱみんなの事が好きなんですよ」
山口は笑うのをやめ、返事の代わりに小さく頷いた。
「俺には、どんなに考えたってそれくらいしか思いつかなくて・・・。
 けど、その自分の気持ちが一番大切じゃないかって思ったし。
 だから・・・その気持ちに従うことにしようって・・・」
一生懸命に言葉を選んで、一言一言を絞り出す。
「ああ、そうだな」
「つよしの事だって、どうしたって好きなんすよ。嫌いになんてなれないし。
 きっと何かあるんだって、そのくらい、俺にだって分かります」
「・・・お前も大人になったんだな」
眩しいような顔でそう言われ、長瀬が大きな背中を縮める。
「やめて下さいよー、照れますから!ほんと」
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑うその横顔に、山口は決意を新たにした。

絶対、この狂ったゲームを止めてやる。
こいつも連れて、皆で一緒に帰ってやる。
絶対に。

  

167 :ななしじゃにー:03/05/18 09:06 ID:KFuDH8hG
乙です〜。末っ子がんがれ!

168 :51 ◆DVBV.H/mhs :03/05/20 00:40 ID:rd8jL7t4
『ひとごろし』

あの相葉の瞳と歪んだ顔、その言葉が離れない。
“ひとごろし、ひとごろし、ひとごろし・・・”
頭の中をグルグルとその言葉だけが回り続ける。
ガクガクと震えだす自分の身体をどんなに抱きしめても、
恐怖から逃れることは出来ない。
――そうや、俺は人殺しや・・・皆を見送ることしか出来んかった。
何も、出来なかった・・・
みんなを見殺しにした・・・。
狂ってしまいそうだった。
いっそのこと、このまま完全に狂ってしまえたらどんなにいいだろう。
どんなに楽だろう、全てを忘れてしまえたら・・・。

『信じてるからな』

――そんなこと・・・言わんといて・・・。
俺のことなんて憎んで、恨んで・・・そして、殺しに来て。
誰もいなくなった広く暗い部屋の隅で小さく丸まっていたつよしは、
頭をかきむしり、たった独り、声を殺して泣き続けていた。
ガラッ
扉が開き、そこから東山が入ってくるのが見える。
震えながら顔を上げるつよしを見ると、東山はゆっくりと近づいてきた。
――来るな・・・来んなや・・・。
声もなく首をブルブルと振り続ける。
後ずさりたくても、もう、逃げる場所など何処にもない。

169 :52 ◆DVBV.H/mhs :03/05/20 00:44 ID:rd8jL7t4
東山が持っていたリモコンを操作していた。
すると正面の黒板が開き、一面に大きな画面が姿を現す。
呆然とそれを見つめていたつよしに振り返ると、東山は薄く笑った。
「さぁつよし、これからだよ」
ウィーン・・・と音を立て、画面に様々なものが映し出された。
電光掲示板に、島全体の地図と、たくさんの青い光が広がる。
そして、その中に幾つかの赤い光が混ざっていて・・・。
つよしは何かに誘われるようにふらふらと立ち上がり、画面に近づいた。
「これからはどんどん赤い光が増えていくと思う。こっちの名前が減るんだ」
画面の右端には、参加者全員の名前が番号順に並んでいるリストがあり、
そのいくつかの光が消えていた。
桜井翔、中丸雄一、長野博、町田慎吾。――残り27人。
「これって・・・」
つよしの頭が真っ白になる。
途端に襲ってきた吐き気と眩暈をこらえきれず、両膝を床につけた。
「うっ、うぐ」
――有り得へん・・・こんなん・・・。
「う、うあぁぁぁぁああああ!!!」
床につっぷして泣きわめくつよし。東山は立ち上がってその背中にそっと触れた。
「大丈夫、お前は一人じゃない。俺がいる」
つよしはぐちゃぐちゃになった顔を上げ、信じられないものを見るように東山を見た。
――この人は何を言うてんねん・・・そんな・・・そんな問題と違うやろ?!
「なんで、な・・でこんな事するんです!!一人じゃないて・・・そんな・・・
 俺、もう何がなんだか分からへん・・・嫌だ・・・嫌や!こんなんイヤや!!!」
錯乱状態で叫びだしたつよしが、東山の手を振りきり床の上で暴れる。
「人は、一人じゃ生きていけない」
人形のような表情で静かにそう言ってのけた東山に、つよしは言葉を失った。
「さっきから・・何言うてるんですか東山さん。
 人が死んでるんですよ?こんなん・・・ただの人殺しやないですか!!」

170 :53 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/05/20 00:49 ID:rd8jL7t4
「何故、生き残れるのが二人なのか、何故今つよしと俺が一緒にいるか。
 ・・・分かるか?人はね、とても弱いから一人じゃ生きていけない。
 きっと一人だけ生き残っても、罪の重圧や悲しみには耐え切れない。
 でも同じ痛み、同じ傷を負った誰かと寄り添えば、生きていけるんだよ」
東山はゆっくりと立ち上がり、画面の中の光を見つめた。
「滝沢も翼も、そうやって一緒に旅立った」
「狂ってる・・・あんた狂ってるよ・・・」
つよしの言葉にも振り返ろうとしない。
「それ以前に、こんなことしなければいいだけやないんですか?
 邪魔なら、解雇でもなんでもしてくれればええだけやないですか・・・」
「社長の遺言だからね」
「そんな・・・」
涙も枯れ、反論する気力さえも失われていくのが自分でも分かった。
まったく話が通じていない・・・。
「狂ってる、か。確かにそうなのかもしれないな」
ポツリと東山がこぼした。
「自分でもよく分からないよ。ただ、俺はとにかく命令に従うだけ」
東山はそう言いながら、パソコンを操作する。
すると、ザザザと音がしてスピーカーから音が漏れ始めた。
『・・・俺、みんなのことが好きなんですよ』
――長ちゃん?!
そこから聞こえてきたのは、長瀬と山口の声だった。
「あの首輪には盗聴器もついててね、会話も聞こえるようになってる」
『つよしの事だって、どうしたって好きなんすよ。嫌いになんてなれない。
 きっと何かあるんだって、そのくらい、俺にだって分かります』
つよしは思わず両手で口元を押さえた。
苦しくて、苦しくて、胸がつまってしまいそうだった。
「ああ・・・」
――そんな事、言わんといて・・・。
震える両手で自分の首に触れたつよしは、再び床に崩れ落ちた。
  

171 :ななしじゃにー:03/05/20 18:32 ID:+v77YQ+3
連載さん乙です。
次どうなるのか毎回楽しみにしとりやす。


172 :ななしじゃにー:03/05/21 00:12 ID:Vk8pPfiw
乙彼さまです。
続き楽しみにしてます。

173 :ななしじゃにー:03/05/21 19:08 ID:n8QgvvSX
ぅわぁぁぁぁんっ!!・゜・(ノД`)・゜・

ど●よ担には堪らんかったでつ。
これからも かんがって下さい。

174 :54 次回は朝の放送です ◆DVBV.H/mhs :03/05/21 23:58 ID:nKyJ9CuS

上田竜也は怯えていた。
誰かが自分を殺しに来る・・・。
そんな強迫観念にかられ、手にした斧をしっかりと握り締めながら
木の陰から辺りをうかがっていた。
――こわい、こわい、こわい、こわい・・・
もし誰かが近くに来たら、斧を振り下ろせばいい。
と、上田の耳に何か物音が捉えられた。
「ヒッ・・・」
思わず声が漏れ、急いで口を押さえたがその相手には聞こえたらしい。
「誰かそこにいんのか?」
聞き覚えのある声・・・それは風間俊介だった。
「誰?斗間か?山P??」
――くっ、来る・・・!!!
上田の心臓が跳ね上がるように脈打ち、斧を握り締める手にも汗がにじんだ。
「うわーーーーー!!!!」
ブンッ
木の陰から飛び出すと、上田は思い切り両手を振り上げて襲い掛かった。
「うっ、上田?!」
風間が声をあげた瞬間、斧がその左肩から首にかけてグサリとささる。
「あぁぁぁあああっ」
雷が落ちたと思う程のすさまじい痛みが身体中を走り抜ける・・・
右の手で押さえると、そこから血液が流れ出しているのが分かった。
「おっ、おまえ・・・」
ふらふらとかろうじて足を踏ん張る風間に、上田が再び斧を振りかざす。
と、上田の背後の草がカサカサと音を立てて揺れた。

「かざま・・・?」

175 :55 ◆DVBV.H/mhs :03/05/21 23:59 ID:nKyJ9CuS
「ご・・ぅ・・くん・・・」
「っ?!」
風間の漏らした声に、ビクリと身体を震わせて振り向いた上田の目が見開く。
日本刀を手にした森田が驚いたようにこちらを見つめていた。
「お前・・・何してんだよ・・・」
「くっ!!」
鋭い視線を向ける森田の瞳から逃れるように背を向けると、再び腕を上げる。
「殺すんだよ!!!」
「やめろーーーーー!!!」

ザクッ

肉を断つ音。
上田は後ろから何か衝撃を受けたような気がして、少しゆらりと揺れた。
でも、衝撃を与えたのは自分のはずだった。
次第に風間の目からは生気が失われ、やがてそのまま倒れていく。
上田が振り下ろした斧を首に残したままで・・・。
「・・・死んだ?」
上田が恐る恐る風間を覗き込む。
でも、何故だか胸がとても熱い・・・。
ゆっくりと自分の胸に目をやると、そこから何か、光るものが出ていて。
「え・・・?あ」
ズブッ
やがてそれが抜かれ、上田はそのまま地面に突っ伏した。

【風間俊介・上田竜也 死亡  残り25人】



176 :56 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/05/22 00:07 ID:CKfPSVXi
森田は上田が動かなくなったのを確認し、慌てて風間を抱き起こした。
「おい風間!!・・・おい!!!」
風間はもうピクリとも動かなかった。
立ち上がり、地面に転がる二つの身体を睨みつける。
握り締めた日本刀に目をやると、
その先からまだ新しい赤い雫がポタポタとしたたっていた。
「チクショウ・・・」


「うっわ・・・」
その様子を遠くから見つめていた赤西が、思わず声を漏らす。
森田が上田を刺す瞬間を見てしまった。
やばい、このままではきっと自分も刺されてしまう・・・。
「あぁぁ!もう!どうしたらいいんだよ!!!」
大声でわめく赤西だったが、次の瞬間、自分の幸運に感謝した。
「亀!!」
「・・・仁?!」
こんな島で、こんなタイミングで出会えた自分達に拍手したいくらいだった。
赤西のあまりの慌てぶりに、亀梨は喜ぶより先に顔をしかめて近づいてくる。
「どうしたんだよお前・・・」
「どうしたもこうしたもねぇよ!マジやばい!!剛くんに殺される!!」
「は?!」
「お前、お前武器は?武器なんだった?!」
「え。なんかゲーム機みたいな、探査機みたいなやつ」
「あぁぁあ!ダメじゃん!!」
泣きそうになりながらわめき散らす赤西。
騒ぎ続ける二人を一瞥し、森田がその場から遠ざかっていたことに気付いたのは
すっかりその姿が見えなくなってからの事だった。


177 :ばふぁりん連載 ◆DVBV.H/mhs :03/05/22 00:14 ID:CKfPSVXi
頭が・・・頭がいたひ・・・・゜・(ノД`)・゜・

皆さんの応援のおかげでなんとか50過ぎまでこぎつけ、
これでようやく全員登場し終えたんじゃないかと思います。
とりあえずひと段落で、ここからが展開となる予定です。
連載の間隔が長くなる等あるかもですが、ご了承下さい。

178 :ななしじゃにー:03/05/22 01:18 ID:L5NxS3F1
連載さんキタワ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*!!!!!
これからも楽しみにまってます

179 :ななしじゃにー:03/05/22 02:32 ID:E6vWOnwj
連載さん乙ですー。
これからも楽しみにしてます!!

180 :57 ◆DVBV.H/mhs :03/05/25 01:49 ID:o8jm0teC

米花と屋良が灯台にたどり着いたのは、夜が明けてからだった。
「よし・・・行こ」
米花の声に頷き、二人が階段に足をかけた時、キーンという音が響き渡る。
驚いた二人が顔を見合わせると、それと同時に灯台の中から松本が現れた。
「マツジュン!」
「あ・・・!」
再会を喜んでいる暇はなかった。
カンカンカンと音を立てて松本が下に降りてくる。
「今の音なに?」
「放送、じゃないかな・・・」
屋良が言うと、雑音混じりに音楽が流れ出した。
夜のうちは気がつかなかったが、辺りを見回すと所々にスピーカーが設置されている。
「放送・・・」
3人の動きが止まる。
定期的に流す放送で、危険区域とそして――死亡者を読み上げると、
東山がそう言っていたのを思い出したからだ。

『おはよう、朝の6時になった。今までの死亡者を発表するから確認してくれ。
中丸雄一、桜井翔、長野博、町田慎吾、風間俊介、上田竜也。以上6名・・・』



181 :58 ◆DVBV.H/mhs :03/05/25 01:51 ID:o8jm0teC
「しょ・・・」
米花の口が、その名を呼びかけて固まる。
――今、なんて言った?東山さんはなんて言った?!
「町田さん・・・そんな・・・翔くんも・・・」
屋良はただ呆然と立ち尽くし、その名前を頭の中で繰り返し呼んだ。
「誰だよ・・・」
固く握り締めた松本の拳が震える。
「マツジュン・・・」
「誰がやったんだよ・・・」


「相葉ちゃん!!!マツジュン来て!相葉ちゃんが・・・」
3人の重苦しい空気が、その二宮の叫びによって解かれた。
ただならぬ事態を感じさせるその声に、3人は無言のうちに階段を駆け昇る。
「相葉ちゃん!!やめろって・・・お願いだから・・・」
扉を開けてすぐにその目に飛び込んできたのは、手榴弾を握り締め、
それを投げつけようとしている相葉と、その手を必死で抑える二宮の姿だった。
「離せっ、離せよ!!!」
「相葉ちゃん?!」
松本が慌てて走り出し、相葉を取り押さえる。
「どうせ・・・どうせみんな死んじゃうんだろ・・・っ!!」
相葉は鋭い視線で真っ直ぐ前方を見据えながら、手榴弾を持つ手をかかげる。
その手を押さえつける松本と二宮をグッと睨みつけた。

182 :59 ◆DVBV.H/mhs :03/05/25 01:54 ID:o8jm0teC
「はなせ!!!」
「落ち着けよ!!」
更に米花が加わり、その手に握られている手榴弾を必死で取り返した。
それを見た松本と二宮が、静かに相葉から離れる。
「どうしたんだよ・・・こんなの、らしくないよ・・・」
そのまま床に崩れ落ちた相葉に、二宮が小さく呟いた。
こみ上げる涙をこらえたその表情が歪む。
その顔を見た松本が、激情を抑えきれず壁に蹴りを入れた。
相葉に・・・じゃない。
この状況に、今の自分に腹が立って仕方がなかった。
バンッというその大きな音に相葉の動きが止まる。
「辛いのはみんな一緒じゃん・・・相葉ちゃんだけじゃねーよ・・・」
相葉がハッと顔を上げると、松本の瞳からは大粒の涙があふれ出していた。
言葉に詰まり、片手で顔を覆う。
「っていうかマジでさ・・・ちょっとおかしいんじゃないの?
 死んだとかって・・・ぶっちゃけありえないでしょ・・・」
泣いているような、笑っているような表情を浮かべ、髪をぐしゃぐしゃとかきあげた。
「あー・・・。なんか、おかしいって俺・・・」
泣きながら笑う松本に、二宮の静かな視線が注がれている。
そこに言葉はなかった。
「涙とか止まんねぇし・・・むかつく・・・・・・っ・・う・・っ」
かくんと折れた膝が床につき、ゆっくりと頭が垂れていく。
頭を抱え嗚咽を漏らし続ける松本の背中に、震える屋良の手がそっと触れた。
自分には何も出来ない。
もう、櫻井のためには何もしてやれない。
ただ機械的に読み上げられたその名前を呼び、泣くことしか出来ない。
足を踏み鳴らして憤りを表してみても、
そこに残るのは深い悲しみと、つかみどころのない虚無感だけ。

何てちっぽけなんだろう・・・。
なんて弱く、無力なんだろう。
ここに生きている自分は。

183 :60 ◆DVBV.H/mhs :03/05/25 01:57 ID:o8jm0teC
「相葉ちゃん?」
二宮が、低く、微かに震える声で呟く。
「翔くんは、みんなで一緒にいたいからここに集まろうって言った。
 みんなで一緒に生きていきたいから、集まろうって言ったんだと思う。
 みんなで死ぬためじゃない。それは、絶対に間違えないで・・・」
その真摯な眼差しにも、深い怒りと悲しみが宿っていた。
「それに・・・相葉ちゃんまで死んじゃったらさ、俺ら生きていけないよ・・・」
急に弱々しくなったその声に、相葉が顔を上げる。
“辛いのはみんな一緒じゃん”
隣を見れば、いつもよりずっと小さく見える松本がそこにいた。
米花も屋良も、真っ直ぐに自分を見つめている。
今、自分は一人じゃなかった・・・櫻井が皆を集めてくれた。
『集まろう』、その一言がこうやって自分達を会わせてくれた。
それは、櫻井の思いがまだここに生きている証拠だった。
今自分達が死んだら、櫻井のその意思まで殺してしまうことになる・・・。
「ごめん・・・どうかしてた・・・なんか、おかしかったんだ・・・」
相葉の言葉に、4人の表情が少し和らぐ。
今自分達は同じ悲しみを共有し、同じ涙を流している。
それだけで、不思議なくらい勇気づけられていた。

「俺、ちょっと行ってくる」
やがてそう言い出した二宮が立ち上がった。
「え、どこに?」
屋良が驚いて聞き返す。
松本は何も言わず、ただその視線を二宮へと向けた。
「せっかく集まったのに・・・」
「大野くんも秋山くんもまだだし、他の人がどうしてるかも気になるし・・・」
危険だ、と。松本の目がそう言っていた。
現にこの島で既に5人が命を落としている。
「全員がこのゲームに参加してるだなんて、どうしても思えないんだよ」
「でもさ・・・」

184 :61 ◆DVBV.H/mhs :03/05/25 02:00 ID:o8jm0teC
「俺も行くよ」
米花が一歩前へ出てそう言った。
「ヨネ!」
屋良が止めようとしても聞かない。
「ここでずっと俺達だけで固まってても仕方ないよ・・・
 何か行動起こさねーと何も変わんない」
米花は、荷物の中から拳銃を取り出した。
それを目にした屋良が、ゴクンと生唾を飲み込む。
「じゃ、俺は相葉ちゃんのこれ、一個もらってくね」
そう言って二宮は机の上から手榴弾を一つ取るとポケットに入れた。
相葉は無言で頷く。
「あと二個あるし、これはお前達が持ってて。自衛のために」

無敵の要塞だと思っていた、そう信じたかった、この灯台。
だが、ここにも確かに戦いの始まりの予感が満ちていた。
もう止まってはいられないのだということを、肌で感じる。

「帰ってこいよ、絶対」
それまで黙っていた松本が、急に二宮の手を取りがしっと握り締めた。
「なに?」
驚いたように聞き返しながら二宮が笑みを浮かべる。
茶化されたのに腹が立ち、松本はますます真剣な瞳になった。
「勝手に死んだら・・・許さねぇからな」
二宮の目が笑うのをやめ、やがて静かに頷いた。
同じように米花の手を取ろうとすると、米花は自ら手をあげる。
そのまま二人はバチンと手のひらを合わせた。
「気をつけて・・・」
屋良の言葉に微笑みを返すと、米花は扉を開けて出て行く。
そして、二宮もそれに続いた。

185 :難産でした連載 ◆DVBV.H/mhs :03/05/25 02:08 ID:o8jm0teC
んー、非常に悩みました。トテーモ苦しかった・・・。
リアルさとフィクションのバランスというのが難しく、
日々精進です。先は長いぞ、気合い入れろ自分。

細かいことですが訂正をさせていただきます。
>>180の桜井→櫻井に。小僧→秋山は「アッキー」が良かったかな、
と今更ながら思ったので、それぞれ脳内での変換をお願いします。
お目汚しスマソ。

186 :ななしじゃにー:03/05/25 02:47 ID:QrrbQVLc
連載さん乙です!!がんがってください。
続きも楽しみにしてます!

187 :ななしじゃにー:03/05/25 02:55 ID:1AoFwjdq
乙です!
屋良と米が握手でなくバチンなのがらしい!と思いますた。

188 :62 ◆DVBV.H/mhs :03/05/28 01:12 ID:ngIF17tC

夜のうちに、井ノ原と松岡は診療所だったらしい家屋にたどり着いていた。
それぞれに仮眠を取り、放送に備えて起きだした頃、
表で何かが倒れる音がして、二人は咄嗟に顔を向き合わせた。
「なんだ?!」
松岡はシッと口に人差し指を当て、井ノ原に合図を送る。
「(俺が見てくる)」
口の動きでそう言い、松岡は音を立てないよう慎重に移動した。
バタン!
その何者かは、こちらの詮索を待たずして侵入してくる。
だが、何か様子がおかしい・・・。
「・・・秋山?!」
「お前・・・声出すなって」
言っただろ!と怒鳴ろうとしたが、やがて松岡もその異変に気付いた。
「い・・のはらくん・・・」
視線の先では、秋山が息も絶え絶えに何かを訴えようと必死に口を動かしている。
不審に思い近づいた松岡の目に映ったのは、蒼白な顔で倒れている生田の姿。
「斗真?!」
「撃たれたんです・・・。朝方、様子が急変して・・・それで・・・」
「分かった、後は任せろ!」
任せろ、と生田を抱えて診療台に寝かせたはいいが、
生田の容態の悪さは、素人の目から見ても分かる程に明らかだった。
「あ・・・」
「分かるか?!斗真!!」
わずかに意識のある生田から、声が漏れた。
だがあまりにも弱々しいその微笑みに、松岡は愕然とする。
「斗真・・・」
するとその時、表から大きな音楽と共に東山の声が流れ出した。

189 :63 ◆DVBV.H/mhs :03/05/28 01:14 ID:ngIF17tC

『おはよう、朝の6時になった。言っていた通り、今までの死亡者を発表する。
中丸雄一、桜井翔、長野博、町田慎吾、上田竜也、風間俊介。以上6名・・・』

「長野くん・・・?」
読み上げられた名前に、呆然と立ち尽くす井ノ原の横で、
生田が微かに目を開いた。
「か、ざま」
小さなその声に松岡が振り向いた時には、既に生田の瞳は固く閉じられていた。
「斗真?」
秋山がふらふらと立ち上がり、生田が横たわる診療台に手を付いて座り込む。
「斗真あぁぁ!!!!」

秋山の嘆きが家中に響き渡る。
安らいだ表情を浮かべたまま、生田はもう二度と目を開けることはなかった。

【生田斗真 死亡  残り24人】



190 :64 ◆DVBV.H/mhs :03/05/28 01:17 ID:ngIF17tC
「岡田が・・・撃ったんです。俺と斗真だと分かって、引き金を引きました」
「は?」
秋山を睨みつけ、胸倉をぐいっと掴む井ノ原。
「おい!やめろ井ノ原!」
松岡の制止も聞かず、そのまま立ち上がった。
「適当なこと言うんじゃねぇよ!いくらお前でも許さねぇぞ?!」
「俺だって・・・信じたくないよ!!!」
秋山はその手を振りほどき、キッと睨みかえした。
「・・・やめろ、井ノ原」
「だって!!」
「たぶん、秋山の言う通りだよ」
その言葉に、井ノ原の目の中で炎が燃え上がる。
「今お前・・・なんつった?」
「秋山は嘘ついてないって言ってんだよ」
「ふざけんな!!!」
井ノ原の拳が松岡の頬を直撃し、床にズザザッと倒れこんだ。
「お前・・・岡田の何を知ってんだよ・・・
 あいつがそんな奴じゃないってことはなあ、俺がよく知ってんだよ!!
 お前はV6じゃねーからそんなことが言えんだ・・・」
「じゃあ、お前は岡田の何を知ってんだ?」
その言葉に、井ノ原の動きが止まる。
沈黙が訪れた。
松岡は手で口元の血を拭うと、大きく息をして立ち上がった。

191 :65 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/05/28 01:22 ID:ngIF17tC
「ここが普通の世界ならな、俺だってそういう事言えるよ。
 岡田がそんな奴じゃないって事くらい、秋山も俺もよく知ってる。
 それに、この島にいんのは皆そういう奴の集まりだろ?
 でも現に斗真は誰かに撃たれて死んだ。それが現実なんだよ・・・」
井ノ原は黙ったまま座り込んだ。
・・・分かっている。松岡の言うことはもっともだ。
松岡だって岡田を憎んでいるわけではない。
そんなことは分かった上で、納得できなかった。
長野が死んで、岡田が人を殺して・・・。
納得したくなかった。まだ納得する気はない。
「わりぃ秋山。お前は悪くねーよな・・・」
うな垂れる井ノ原。返事の代わりに秋山の目から涙がこぼれた。
「とりあえず落ち着こうぜ、まだ時間はあるし。
 これからどう動けばいいのか、ゆっくり考えるしかねぇよ・・・」
松岡は静かに立ち上がり、生田に近づいて行った。
「まだこんなに細ぇ腕してさあ、何歳だよ、こいつ」
もっともっと小さな頃から生田を知っている。
だからこそこの成長ぶりに驚いたり、感心したりもしていた。
それでもまだ若すぎる。あまりにも。
「何で死ななきゃなんねーかな・・・なぁ?斗真」
震えが止まらない。
それが怒りなのか、悲しみなのかさえよく分からない。
「許せねえよ、俺・・・」
斗真を撃った岡田が、じゃない。
許せないのはそんなことじゃない・・・。
こみ上げる悔しさを噛み締め、松岡は瞳を閉じた。


192 :ななしじゃにー:03/05/28 01:59 ID:1/MEnoNp
連載さん乙です!
頑張ってください

193 :ななしじゃにー:03/05/28 02:21 ID:LWUkP80u
連載さん乙〜。

194 :山崎渉:03/05/28 10:10 ID:Gw5OocjI
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉

195 :66 遅くなりました! ◆DVBV.H/mhs :03/05/31 21:07 ID:ln1CUt7X
 
坂本と三宅は、光一と別れた後すぐに観光協会へ向かい、そこで夜を明かした。
訃報、と言うのだろうか・・・。あれを。
涙が出ないのが不思議だった。
「長野くん・・・」
その名前を口にしたのもこれで何度目だろう。
三宅はさっきからずっとそうやって長野の名を呟き続けている。
それしか言葉が出てこないのだ。
「殺したって死なないような人だよ?そんな、嘘に決まってるじゃん・・・」
弱音一つ吐いたことのないあの強い男が、そんなに簡単に死ぬはずがない。
二人の中にはそんな確信めいた思いがあった。
それだけ、よく知っているから。
「そのうちさ、そこら辺から笑顔でひょっこり現れたり、しないかな・・・」
坂本は三宅の声を聞きながら、ただひたすら目を閉じて黙っていた。

――勝手に死んでいいと思ってんのか?
   お前、今どこにいるんだよ・・・早く来いよ・・・。
それは何より自分が辛いからかもしれない。
井ノ原もいない今、長野にいて欲しいと思うのは
何よりも自分のためなのかもしれない。
不安・・・。
今の自分の胸を占めているのは確かにその感情だ。
生きているのか死んでいるのか、それを確かめもしないうちには悲しめない。
悲しんでやるもんか、という意固地な思いもあったのかもしれない。
そうだ、健の言う通り、殺しても死なないような男だ。
自分よりも先にあっさりと逝ってしまうはずがない。
膝の上で組んだ手を、より強くギュッと握り締めた。
と、その時だった。

196 :67 ◆DVBV.H/mhs :03/05/31 21:11 ID:ln1CUt7X
「長谷川?!」
沈黙を破ったその三宅の声に、坂本も驚いて目を開ける。
立ち上がった三宅の視線の先で、長谷川が苦しげな顔で咳き込んでいた。
長い時間走り続けてきたらしいことは、額を流れる汗とその表情を見れば分かる。
何か言いたそうに口をぱくぱく動かすが、呼吸を整えるのに必死なのか、
ただひたすらぜぇぜぇと息をしながらこちらを睨みつけているだけだった。
「どうしたんだよ・・・」
近づいてきた三宅の肩に、勢いよく置かれた長谷川の右手が圧し掛かる。
三宅が驚いたのにも構わず、もう片方の手も更に肩に置いた。
「な、なんだよっ」
「翔くんが殺された!!」
「・・・は?」
鬼気迫る長谷川の様子に気圧されながらも、とりあえず落ち着かせようとなだめる。
だが長谷川は一向に落ち着く気配も見せず必死で訴え続けた。
「撃ったんだよ・・・山下くんが、拳銃で撃って殺したんだよ!!」
ストレートなその言葉に、三宅の身体が震えた。
どうしたらいいか分からず、助けを求めるように坂本に振り返る。
「長谷川、お前・・・」
「あんたらさぁ・・・何落ち着いてんだよ!!」
ゆっくりと歩みよってくる坂本に長谷川が苛立ちを露にした。
「放送聞いてたんだろ?!何でそんなに落ち付いてられんだよ!!!」
長谷川の顔から、涙とも汗ともとれないしずくが飛び散る。
「冗談言うなよ」、そんな台詞は一切出てこなかった。
長谷川の目は、現実を見てしまった者の目だ・・・。
否定できない。疑うことも出来なかった。
「わかんないよ・・・もう、何がなんだか・・・風間くんまで・・・」
次第に威勢の良さも失われ、力なく地面に座り込んだ長谷川。
三宅と坂本もそれと同時に言葉を失くした。
信じたくなかった現実を、長谷川が連れてきた。
それでもまだ自分達は幸せなのだろうか、その現実に直面しなかっただけでも。
それとも、直面出来なかったのは不幸なのだろうか・・・。

197 :68 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/05/31 21:14 ID:ln1CUt7X
カタン
と、何か物音がして、3人は重い身体をそちらに向けた。
「坂本、か?」
様子を伺うように壁に隠れたまま、おずおずと声をかけてきたのは城島だった。
「茂くん?!」
坂本は必要以上に大きな声を出した。
まだ自分にも、以前と同じような声が出せるのかを確かめたかったのかもしれない。
「あぁ・・・健も一緒か。良かったわぁ、このまま会えへんかったらどうしよ思て。
 あれ、それから・・・なんやったっけ、えぇっと」
長谷川、と代わりに三宅が答える。
「あぁ〜そうやったそうやった」
「茂くん一人?」
「いや、太一も一緒や。偶然会うてな。あれ、あいつ何してんねやろ・・」
辺りを見回したが、太一の姿は見あたらない。
そのうち来ると思うわ、と言うと城島は坂本達と合流した。

――落ち着け・・・自分。
壁の向こうには坂本くんと健がいる。
――落ち着け落ち着け、いつもと同じようにするんだよ・・・。
太一はひたすら自分に言い聞かせていた。
長野を殺してしまった、という負い目が自分にはある。
消えることのない重い罪が。
だが、それを態度に出すわけにはいかない。
今更こんなところで懺悔したって何も変わらない。もう、遅い。
――ここまで来た以上、僕はもうこうやって生きていくしかないんだよ。
生きるためにはそうするしかない、これは自分で選んだ道だ。
自分を、皆を騙して、演じて。そういう生き方しか残されてない。
ギリギリのところで、自分の精神状態を支えていくしかない・・・。
大きく深呼吸をすると、太一は一歩ずつ歩みだした。


198 :ななしじゃにー:03/05/31 23:17 ID:mhZfoTXC
連載さん乙です!
中堅の仲介で事務所復帰を果たしたあと、
何様は中堅のことを「親友」と呼んだんですよね。

苦しい…苦しすぎる…。

199 :ななしじゃにー:03/06/01 01:49 ID:ZvXPoCvb
中堅の演技の見せ所だな。
連載さん、がんがってくだちい!!楽しみにしてまつ!

200 :ななしじゃにー:03/06/01 23:43 ID:Napry3yn
平家派大混乱!

201 :69 今日は短いです ◆DVBV.H/mhs :03/06/04 00:27 ID:OyMOIBXL

「俺達まだデビューもしてないのにさ・・・」
赤西は、亀梨と歩きながらずっとそんなことをぼやいていた。
「上田も中丸も死んじゃったなんて・・・おかしーよこんなの・・・」
「泣くなよ・・・」
「もう、帰れねーのかな、俺ら」
肩を落とし、それでもとにかく歩き続けた。
フと亀梨が自分の持つゲーム機のようなその端末に目をやる。
「なぁ仁・・・この二つの点って、俺らだよな?」
「え?あ、うん。たぶん」
「で、もう一個。この近づいて来てる点って・・・」
「・・・」
――やべっ!!
お互いの目がそう言っていた。
言葉もなく走り出す。
「仁!お前の武器も出しとけ!」
亀梨が怒鳴りつけると、赤西は手をブンブンと振る。
「何もねーよ!何も入ってなかったの!!」
と、二人の間を何かがかすめていった。
そして、続けてもう二発。
「うわぁあっ!!」
「亀?!」
亀梨が足をもつれさせ、惰性でゴロゴロと転がる。
「転んでんなよ!!」
だが助け起こそうとした赤西の目に映ったのは、その背中を染める赤い血だった。
「・・・おいっ・・・ちょっと、亀・・・」
うるせーな、という様な顔をしながら赤西を見上げ、フッと微笑みを浮かべた。
その口が動き、「じん」と自分を呼ぶ。
しかし、赤西の返事を待つ事なく、亀梨の頭がガクンと力を失った。

【亀梨和也 死亡  残り23人】

202 :70 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/06/04 00:29 ID:OyMOIBXL
「おい・・・?かめ!!亀!!!」
ズシリと重く感じられるその身体を必死で揺さぶる。
叩いても叫んでも、もう動かない。
「もーしもーしかぁめよ、かめさんよー」
背後から響いてきた不気味な歌声に、赤西の体を恐怖が走り抜ける。
振り向くのが怖い、でも振り向かなければならない・・・。
「やっほー、じんくん」
「やま・・・」
上からこちらを見下ろしていたのは、山下の冷たい瞳だった。
にこりと笑ってみせるが、冷え切った眼差しに感情は宿っていない。
「親友同士、二人仲良く逃げてたの?」
「な、んで・・・?お前、亀撃ったのって・・・」
「そんなに泣かないでー」
震え続ける赤西に優しく語りかけ、ゆっくりと側にしゃがみこむ。
視線の高さを同じくすると、山下がそっと赤西の髪に触れた。
「また二人一緒に逃げるといいよ。・・・天国までね」
赤西のこめかみにヒンヤリとしたものが触れる。
「行ってらっしゃーい」
ふんわりと微笑んだ山下を見た次の瞬間、赤西の顔が歪んだ。

【赤西仁 死亡  残り22人】



203 :ななしじゃにー:03/06/04 04:18 ID:ckB8BDIC
連載さん。乙!
続きを楽しみにしてます。

204 :71 短くてすみません・・・ ◆DVBV.H/mhs :03/06/06 23:55 ID:hOHcInBn

放送を聞いた山口と長瀬は、ほんの少しの休息を取っていた。
お互いに木の根に寄りかかりながら、どっかりと座り込んだ。
荷物の中にあったほんの少しのパンと水で朝食を済ませる。
自分達はまだ食べれる、話せる、まだ笑える。
そんな一つ一つのことを噛み締めながら。
   
水を取り出すのと同時に、山口が突然衣類を長瀬に差し出した。
着ておけ、と言って手渡したそれは防弾チョッキだった。
「山口くんのは?」
その問いかけに、自慢げに胸をトントンと叩いてみせる山口。
「自前のがあるから」とでも言いたげな顔に、長瀬がプッと吹き出した。
「山口くんでもさすがに銃弾は弾き返せないっすよー」
「いいから、着とけって」
山口の有無を言わせぬ口調でそれを押し付けられ、
言われるままシャツの下にそれを着込んだ。
「山口くん、あの」
「ん?」
「もし、皆で集まれたとして・・・その後、どうするんすか?」
長瀬は膝の前で組んだ手を動かしながら、視線を落とした。
「ゲームを止めるのに、具体的に何したらいいか・・・」
不安そうに語尾が下がる。
山口は少し考えてから、ペットボトルの水をゆっくりと飲み込んだ。
「つよしにも、戦ってもらうことになると思う」
「え?」
「人間がやってることを人間の手で止められないはずがない。
 心ってもんがあるだろ?俺達にも、動かしてる方にも。
 とりあえずはそこにかけてみるしかないと思う」
長瀬が、分かったような分からないような顔で頷く。

205 :72 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/06/06 23:57 ID:hOHcInBn
「戦おうとする人間がいなければ、このゲームは成立しないんだよな・・・。
 逆に言えば一人でもそういう人間がいる限りは、終わらない」
そこまで言うと山口は大きく息を吐いた。
「それが一番大きな壁なんだ・・・。そういう奴に直面したとき、
 俺はどうすればいいのかが未だに分からない。だけど」
そこまで話していた時だった。
二人のすぐ側で、バンッと耳をつんざく音が響いた。
「っ?!」
弾かれたように振り向いた二人の目に映ったのは、
こちらを静かに見つめる岡田の姿だった。
「え、岡田・・・?」
長瀬が呆然と呟く。
こちらに気付いてるのに声をかけてこようともしなければ、
歩みよってくる様子もない。
今この状況で、“銃を撃ったのは岡田かもしれない”ということは
長瀬にとって想像できることの範囲内になかった。
そんな長瀬の隣で、山口は岡田と無言の対峙を続けている。
岡田は、自分を試すようなその視線を真っ直ぐに受け止めながら、
片手で帽子に触ると、静かに礼をした。
その行動の意味が分からず訝しげな表情を浮かべる長瀬。
「長瀬・・・走るぞ」
「え」
「いいから!走れ!!」
バンッ
再び響いた銃声に、長瀬も飛び上がるように走り出した。
「なんで?!岡田・・・?!」
「今は何も考えんな!!とにかく走れ!」
バンッ
再びその音が響いたが、二人は立ち止まることなく走り続けた。

206 :ななしじゃにー:03/06/07 00:53 ID:Qv75daZA
連載さん乙ですー。
凸…?((((( ;゚Д゚))))ガクガクブルブル

207 :ななしじゃにー:03/06/07 12:13 ID:a6sPzd1p
連載さんモツカレー。

208 :ななしじゃにー:03/06/08 02:44 ID:zaJyMIzb
連載さん乙です!
続きを楽しみにしてます。

209 :ゆけゆけ連載 ◆DVBV.H/mhs :03/06/10 01:09 ID:YywWmmCL
不定期連載みたいになってきてしまってすみません。
どれくらいの読者さんがいるのかは予想もつきませんが
皆さんはどんな展開を望んでるんだろうか・・・と、
それを考えると非常に悩める毎日です。
伺ったところでその通りに書ける自信もないくせに(w
自分のつたない想像力で踏ん張るしかないのですよね・・・
なんとかがんがります。そう、例のサイトの管理人さん。
私のも載せて頂いたようで感謝です。蟻がとうございます。

210 :73 ◆DVBV.H/mhs :03/06/10 01:16 ID:YywWmmCL

――足速ぇよ・・・。
岡田は顔を歪めて立ち止まると、二人の消えた先を睨みつけた。
乱れた髪が目にかかり、指でそっとかきわける。
俊足の山口と、身体の大きな長瀬に到底追いつけるはずもない。
切れる息を落ち着けようと深呼吸した。
「うー・・・横っ腹いたい・・・」
そのまま地面にゴロンと寝転がり、大の字になり天上を見上げる。
銃を静かに地面に置くと、今までそれを握り締めていた右手を見つめた。
5本の指がついた自分の手。手相。爪。
指が増えたわけでも、減ったわけでも、手の色が変わったわけでもない。
それでも、昨日までの手と同じにはどうしても思えない。
不思議な感覚だった。
別にすごく興奮しているわけでもない。
でも、最初に撃った時よりも、ずっと簡単に引き金を引いていた自分。
一体何が違っているのかと、空にかざした手をまじまじと見つめた。

――神様って、あの空の上で俺のことを見てんのかな・・・。
だとしたら、死んだ後には裁かれるのだろうか。
それとも、救われるのだろうか。
――天国には行けないんかな、俺。
この期に及んでそんな事を思う自分がなんだかひどく滑稽だった。
それなら、綺麗なままでい続けるのが理想?
・・・そういうわけでもない。
自分は人間だ。
欲もある。
良心だけじゃない、下心だってある。
そういう醜い部分もあるからこそ美しいのが人間なはずだ。
岡田はゆっくりと立ち上がり、再び歩き出した。

211 :ななしじゃにー:03/06/10 01:17 ID:NZS+Iyng
好きにしていいからとにかく完結してくれ
中途半端なものは読みたくないから更新の度に
保管して完結したら読もうと待ってる

212 :74 ◆DVBV.H/mhs :03/06/10 01:23 ID:YywWmmCL
走るスピードも次第に遅くなり、長瀬は険しい表情で後ろを振り返った。
「・・・もうっ・・いない、みたい・・・」
後ろに誰の気配もないことを確認すると、その場に座りこむ。
「はぁっはぁっ・・・心臓痛ぇー・・・」
上を向きながら荒い息を吐き出す長瀬。
と、隣にいた山口も同じように倒れこんだ。
「これしてると、ちょっと暑苦しくって・・・あ、はは・・・」
次第に呼吸も落ち着いて、長瀬は軽く笑顔を浮かべて山口を見やった。
・・・だが、何か様子がおかしい。
「山口くん・・・?」
走ってきた苦しさによるものではない、その呼吸の乱れ、汗。
倒れこんだ山口が、悶えるようにして転がり両手を地面についた。
「山口くん!!」
「くっ・・・」
山口は右肩の後ろあたりを押さえ、声を抑えて痛みを耐えている。
腕の血管は浮き、傷口を押さえた指からは血液が漏れるように溢れ・・・。
「大丈夫?!山口くん!!」
こんな時、どんな処置をしたらよいのかなど知っているはずがない。
慌てふためきながらも、なんとかその痛みを和らげてやろうと
背中をさすることぐらいしか出来なかった。
「あ、ああ・・・、大丈夫」
それでもなお、クッと歯を食いしばりながら俯く山口。
「撃たれたなんて・・・俺全然気付かないで走ってて・・・」
長瀬の口がわなわなと震える。
「これ、山口くんが着てれば助かったのに・・・」
今にも泣き出しそうな長瀬を見て、山口はその肩に左手を置いた。
「動かない方がいいっすよ!!!」
止めようとする長瀬の肩にグッと力を込めてフラフラと立ち上がると、
身体を引きずるようにして側にあった大木に寄りかかり、
そのまま背中で幹をすべり落ちるように、ストンと地面に座り込んだ。

213 :75 ◆DVBV.H/mhs :03/06/10 01:28 ID:YywWmmCL
「やられちゃったな」
わざと明るく微笑んでみせる山口。
その表情を見ているのが、長瀬にとっては余計に辛い。
「けど急所は外れてるみたいだし、心配すんな」
いつもと変わらない、頼りがいのある、強い言葉。
それでもその辛さはヒシヒシと伝わってくる・・・。
たとえ死に至らないにしても、すぐには動けない。
「手当てとかしないと・・・俺、診療所行って何か取ってきます!!」
「いや・・・それはいいから、俺の変わりに他の誰かに伝えろ」
「でも!」
「しばらく休めば動けるようになるよ、心配すんなって言ったろ?
 行って戻って・・・のタイムロス考えたらずっといいから。頼むわ」
強くて優しい瞳が、長瀬を捉えて話さない。
長瀬が頷かないのを見かねて、山口は苦笑いを浮かべた。
「第一手当てするって、お前、何すればいいか分かんのか?」
「そ、れは・・・」
しゅんとする大きなシルエットに、思わず微笑みがこぼれる。
「光一も今きっと島中歩き回ってんだ、でも一人じゃ無理だから、
 お前が手伝ってやれ。途中で会えるかもしれないし。
 俺は・・・なんとか自力で観光協会までたどり着いてみるわ」
「・・・分かりました」
長瀬はしぶしぶ頷いた。
少し前よりは山口の様子が安定している。
表情も穏やかになったのも、長瀬に安心感を与えていた。
「じゃ、またな」
左手を上げてみせる山口に大きく頷く。
手の中には、自分に武器として支給された硬式の野球ボール。
胸に手をやれば、山口がくれた防弾チョッキがある・・・。
ヨシ!と気合いをいれると、長瀬は行き先を見据えて走り出した。

214 :ふんどし締めろ連載 ◆DVBV.H/mhs :03/06/10 01:33 ID:YywWmmCL
>211
お、ストレートなお言葉天球です。
完結・・・しますよ。してみせます。
満足していただけるかは分かりませんが
どうか待っていて下さい。がんがります。

215 :ななしじゃにー:03/06/10 01:37 ID:NZS+Iyng
がんがれー

216 :ななしじゃにー:03/06/10 01:47 ID:U8E0CVAE
連載さんの文章、臨場感があって大好きです。
頑張ってください。

217 :ななしじゃにー:03/06/11 00:34 ID:xsd0nHXB
連載さん乙です!
更新を楽しみに毎日仕事をしてます
頑張ってください


218 :ななしじゃにー:03/06/11 21:25 ID:PHiqaA+T
連載さん乙!
完結目指してください。楽しみにしてます。

219 :76 何が何でも連載 ◆DVBV.H/mhs :03/06/12 00:24 ID:rYgpTjpK

ゆめ。
生まれてから今まで色んな夢を見た。
もしかしたらこれも夢なんじゃないかと、頬をつねってみた。
櫻井が死んだのも、町田の名前が呼ばれてしまったのも。
ぜんぶ夢なのかもしれない。
『後から絶対行くから』
――だって・・・・お前そう言ってたじゃん。
夢の中でまた夢を見てるとか、そういう感じかもしれない。
もう一回寝てみようかな。
そしたら元の世界に戻れるかもしれない・・・。
荷物からケープを取り出し、もう一度小さく丸まってみた。
暖かいそれに包まれて、はぁと息を吐く。
何がどうなって、こうなってしまったんだろう。
昨日までの自分を振り返ってみた。
色んな事があったけれど、とても幸せだった。
嵐として、みんなと一緒に、平和で暖かい日々を過ごしていた。
とても幸せだった。大好きだった。大切だった。
それなのに・・・。
こうして一人でいると、それら全てが幻だったような感覚に襲われる。
自分が一体何をしたというんだろう。
何故、そんな自分の日常を、理不尽な理由で奪われなければならない?
次第に腹が立ってきた。
いや、腹が立つ、というのとは少し違うのかもしれない。
こんな風に自分の世界を侵される事の、不快感。
納得できるはずがない。
たとえ事実とは言え、納得できない事を受け止めるわけにはいかない。

220 :77 完結目指して連載 ◆DVBV.H/mhs :03/06/12 00:26 ID:rYgpTjpK
以前にもこれに似たような気持ちを味わった事があった様な気がして、
ぼんやりと記憶を辿ってみた。
突然、こんな世界に放り込まれて、途方に暮れている自分。
「ちがうか・・・」
やはりぼんやりとした頭で、それを打ち消した。
そうだとしても、俺はどうやってこの場所で自分探しをすればいい?
そんな猶予もなければ、周りには誰もいない。
――ねえ町田、今すぐお前と話したい事あるんだけど。
暗いの怖くて来れないとか?
迎えに来い、とか言うなよ?
「・・・早く来いよバカ」
聞きたい。
確かめても仕方ないかもしれないけれど、聞いてみたかった。
――後悔、してない?
あの時事務所を辞めていれば。
あの時嵐になっていなければ。
二人とも死なずに済んだんじゃないか。
こんな風に、自分が選んだ道を後悔する事があるなんて思ってもみなかった。
そこまで考えて、自分の頬が濡れている事にやっと気付く。
そう、さっきから止まらないのだ・・・涙が・・・。
「・・・翔くん」
もう少し早く着いていれば、助けられたかもしれない。
寝たい、なんて言わなければ、会えたかもしれないのに。
誰か殺したのかさえも分からないようでは、敵討ちすら出来ない。
最期の言葉を聞いてやることも、手を握ってやることすら出来なかった。
「ごめん、ごめんね・・・」
もう取り戻せない現実が、吐き気と共に重く圧し掛かってくる。
櫻井の声と笑顔が、波のように大野の頭の中に流れこんだ。
貝のようにケープにくるまったままで、きつく瞳を閉じる。
――会いたいよ・・・。
と、その大野の耳に、誰かの声が飛び込んできた。

221 :78 完結しやがれ連載 ◆DVBV.H/mhs :03/06/12 00:33 ID:rYgpTjpK
「大野?!」
ゆっくりとケープから顔を出すと、そこには光一の姿がある。
「あ」
「なんや無事だったんか・・・心配させんなや・・・」
無傷の大野を見て安堵のため息をこぼす光一。
大野はゆっくりと起き上がると、ケープを握ったまま視線を落とした。
「ゆめじゃなかった」
「なんやって?」
「やっぱ嘘じゃないんだ。翔くんが死んだものも、町田が死んだのも」
心の何処かに、嘘だと思っていたかった部分があって・・・。
大野は、それらが儚く、もろく崩れさっていく音を聞いたような気がしていた。
「お前・・・」
涙に濡れた頬を拭おうともせずに、遠くを見つめるその無気力な瞳。
「見た、のか・・・」
「・・・なにを?」
一瞬向けられた突き刺すような大野の瞳の冷たい光に、一抹の恐怖を感じた。
挑むような視線を投げかけられ、返す言葉が見つからない。
「光一くんは、何してるんですか?」
逆に問いかけられ、光一は一つ息を吐いた。
こんな事で動揺している場合ではない。
「ええか?大野。この殺し合いには何か裏がある。絶対に止められるハズや。
 だから皆で集まって、行動を起こそうと思う」
「行動を、おこす」
無意識のうちに光一の言葉を反芻する。
「・・・めんどくさいよ」
予想もしない大野からの返事に、光一は呆れながらもその肩を強く揺さぶった。
「お前・・・何言ってんねんな、しっかりしろ!」

222 :79 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/06/12 00:38 ID:rYgpTjpK
だが、それでも光一に顔を向けようともしない。
「観光協会で落ち合う事になってるから・・・
 お前も先にそこに行ってろ。このままここにおったら危ない」
と、その一言にピクンと反応した大野が光一に視線を移した。
「止められる?」
「あぁ、止められる。いや、止めるんだ」
「もう何人も死んでるのに?」
「だから、これ以上死なせないためにも」
「そんなの・・・意味ない」
「大野!!」
思わず声を荒げた光一に目もくれず、冷めた瞳で空を見つめる大野。
「お前、櫻井や町田の死を無駄にしたないやろ?!」
視線を落として沈黙を守る大野に、光一はため息をこぼした。
「辛いのは分かる・・・だからこそ一人でおったらアカンて。
 頼むから、観光協会に行っててくれ。な?」
とうとうしゃがみこんでしまった大野の背中を優しくさすった。
「他の嵐のメンバーはどこにいるか分かるか?」
「・・・とうだい」
「灯台だな、分かった。俺が行って伝えるから」
「・・・」
「それとも俺と一緒に灯台に行くか?」
大野は黙ったまま首を横に振る。
「分かった。観光協会やからな?!大野!」
念を押すように、さっきよりも強めに背中を叩き、光一は歩き出した。
何度も振り返ったが、大野はしゃがみこんだまま動こうとしない。
このままにしておいて良いものかと迷いもあったが、何より時間がない。
大野を信じるしかない・・・。
もう一度だけ振り返ると、光一は灯台へ向けて歩き出した。

その二人のやり取りを物陰から見ていた人物の存在に、
光一も大野も、全く気付いていなかった・・・。


223 :ななしじゃにー:03/06/12 10:20 ID:oJtEebeC
平安しっかりしる!高位置がんがれー

224 :ななしじゃにー:03/06/12 23:04 ID:NGu+CLIU
連載さん乙ー!!
完結目指してがんがってください!!

225 :ななしじゃにー:03/06/13 00:43 ID:S8rDGIXN
だ、誰が見てたんだ!?((((( ;゚Д゚))))ガクガクブルブル
連載さん完結までついて行くで!

226 :80 ◆DVBV.H/mhs :03/06/14 00:27 ID:8iAL3sVZ
  
たった一人で歩く森の中。
もうすっかり太陽は昇っているのに、なんだかとても暗く感じられる。
早朝の放送で長野の名が告げられた瞬間も、
自分の身体の一部が削り取られたような錯覚を起こした。
そして今では、自分の息遣いと足音しか聴こえてこない。
そんな時間がとても苦しくて、森田は思わず足を止めた。
知らず知らずのうちに、自分の顔が相当険しくなっていたことに気付く。
周りには誰もいない。
励ましあう仲間も、笑いあう仲間も、話さずに分かり合える仲間も。
ため息をつくと森田は静かに日本刀をかざした。
そこには、自分の犯した罪がしっかりと刻まれている。
そんな自分を、受け入れてくれる場所がまだあるだろうか。
どんな自分でも、帰れる場所がまだあるのだろうか・・・。
「一人で戦う」と、そう言った岡田を思い出す。
――お前、よくそんな事言えるよな・・・。
そういうのを強さと呼ぶのかは分からない。
でも、それが強さなのだとしたら、確実に自分は弱い。
岡田らしいとは思ったが、いつか後悔したりはしないだろうか。
日本刀にこびり付いた血液が常にちらついて頭から離れない。
見えない敵に囲まれて、独りで歩き続ける事のつらさ。
どこまで行けば終わりがあるのかが分からない、その苦しさ。
それから逃れるように、自分以外の誰かを捜し求めて歩く自分がいる。
今ここにある孤独が痛くて倒れてしまいそうだった。
森田は俯いたまま大きく息を吐きだすと、行く先を見据え歩き出した。

227 :81 ◆DVBV.H/mhs :03/06/14 00:30 ID:8iAL3sVZ

「とにかく・・・無事で良かったな」
坂本に笑顔でそう迎えられ、肩にポンと手を置かれた瞬間。
プツン、と自分の中で何かが切れたのを太一は感じた。
世界が傾き、精神の均衡が崩れそうになるのを必死で抑える。
やっとの思いで作り出した笑顔も、今すぐにでも壊れそうだった。
光一と山口の作戦について聞いた時もそうだった。
「絶対助かるよ、みんなで生き残ろう」
そう言う太一の声が震えていたのは、涙をこらえているから。
三宅も坂本も、そう信じて疑わなかった。

時計を見ると、もうすぐで10時半。
「俺、ちょっと散歩・・・」
健がそう言って突然立ち上がった。それを坂本が制す。
「なに、トイレだってば」
「あ、あぁ。そうか」
心配性だなぁと苦笑すると、三宅はそのまま外に出て行った。
「なぁ、長野、見なかった?」
少しの沈黙の後、やっとの思いで一言をつむぎ出した坂本に、
城島と太一の視線が集まる。
「いや、見んかった。太一は?」
「・・・見なかったよ」
――プツン
「信じらへんよな・・・」
「元気出してね、坂本くん」
――プツン


228 :82 ◆DVBV.H/mhs :03/06/14 00:35 ID:8iAL3sVZ
自分が自分であるための、
それを支えていた糸が一本一本、切れていく音がした。
今度は笑顔のまま、顔が動かなくなってしまいそうだった。
どんな感情を基準にしたらいいのか、分からなくなりそうで・・・。

「なんや、このメンバーでおると昔思い出すなぁ」
ぼんやりと呟いた城島に、坂本が苦笑いを浮かべる。
「確かに・・・」
「他にもみんなおればな、昔話出来ておもろいんやけど」
「太一もう28だっけ?」
「え?あ、あぁ」
「あん時まだお前20くらいだったんだよなぁ確か。ほら、あの・・・」
――昔の話なんて、するな・・・。
気を紛らわせるように話す坂本の隣で、細かく震えだす太一の身体。
その異変に長谷川が気付いた。
声をかけようとしたが、坂本が立ち上がったためにタイミングを失う。
「俺、ちょっと、見てくるわ・・・遅いから」
トイレにしては長すぎる。坂本にも次第に焦りが生まれていた。
「じゃあ俺も行くよ」
そう言って太一も立ち上がり、坂本の後に続いた。

建物の外は、別段何も変わった様子はない。
「健!健?!」
辺りを見回したが、人の気配はない。
「あいつ・・・たかだか小便のためにどこまで行ってんだよ・・・」

229 :83 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/06/14 00:38 ID:8iAL3sVZ
太一はそんな坂本の背中をジッと見つめていた。

――ねぇ坂本くん、坂本くん。
   長野くん殺したの、僕なんだよ・・・?

「おい、大丈夫か?太一、顔色悪いぞ」

何でそんなお人よしな顔して、近づいてくるんだよ・・・。
長野くんも、殺されそうだと思ったら逃げりゃ良かったじゃないか。
なにカッコつけてんだよ。なに信じきってんだよ。
やめてよ、ほんと。
落ち着けだとか、大丈夫か?だとか。
なんか、身体がぞわぞわするんだよね。
・・・むかつくんだよ。

太一はそっと右手をポケットに差し入れた。
気付くことなく三宅を捜し続ける坂本に、一歩、また一歩にじりよる。
「坂本くん」
その声に振り向いた坂本は、驚愕の表情を浮かべた。
自分に向かって突き出された太一の手に、拳銃が握られている。
「これでもまだ、僕のこと信じる?」
「・・・太一?!」
「これで死んだんだ、長野くんも」
「な、に言ってんだ・・・おい・・・冗談はやめろよ」
「冗談?」
不満げに聞き返しながら、太一は指に力を入れた。

230 :訂正です連載 ◆DVBV.H/mhs :03/06/14 00:41 ID:8iAL3sVZ
早速間違いをハケーンしたので訂正します。

>>227
× 「信じらへんよな・・・」
○ 「信じられへんよな・・・」

231 :乙です!:03/06/14 00:48 ID:vog4Kyu8
何様、うしろーうしろー!

中堅、いっぱいいっぱい状態から、
徐々に壊れていってますな…。

232 :ななしじゃにー:03/06/14 00:56 ID:pLymwgVG
連載さん乙ですー。
中堅壊れてってますね…。何様はどうなる?

233 :ななしじゃにー:03/06/14 01:15 ID:Ile3M3Dn
中堅の手によってトニは葬られていくのか?
何様ー逃げ延びてくれ!
俺様ー中堅には出会わないでくれ!
連載さん、今後もヨロシクです

234 :ななしじゃにー:03/06/14 01:39 ID:fIGlvUkr
あ、でも何様も中堅の手にかかったら、
中堅は俺様にやられちゃうって線が見えちゃう。

235 :ななしじゃにー:03/06/14 02:22 ID:FwN3IaeA
ttp://tv2.2ch.net/test/read.cgi/jan/1051200139/

新しい職人さんハケーン

236 :お節介さん:03/06/14 19:00 ID:EbTsyekz
ttp://tv2.2ch.net/test/read.cgi/jan/1051200139/56-

楽しみだなッス!

237 :84 ◆DVBV.H/mhs :03/06/16 14:09 ID:6YiQxuMs
  
バ――――ンッ

木々に止まっていた鳥たちが一斉に飛び立った。
観光協会の中にいた長谷川も驚いて立ち上がる。
「いっ、今の・・・」
撃たれた?撃った?
誰が・・・誰を?!
「・・・座っとき」
「へ?」
少しも慌てることなく、ただ静かに座っている城島。
長谷川は不審そうな表情を浮かべた。
「え、だって今銃声が・・・」
「ええから。大丈夫やって」
――何落ち着いてんだよ・・・この人。仲間が撃たれたかもしんないのに・・・。
「・・・なんなんだよ!お前らみんな・・・訳わかんないよ!!」
長谷川は捨て台詞を残し、外へと駆け出した。

なんで落ち着いてられんだよ!
見てないからそんな事言えるんだ・・・おかしいよあいつら!!
  

238 :85 ◆DVBV.H/mhs :03/06/16 14:11 ID:6YiQxuMs
「冗談もくそもないよ、坂本くん」
太一は、既に絶命している坂本を見下ろした。
なんだかふわふわする。
頭も、足も。
自分が自分じゃないみたいで、不思議な感覚だ。
手の中にある拳銃を見つめ、ゆっくりと首を傾ける。
撃ったのは自分なんだと思い出し、ようやく納得した。
「あーあ、どうしよ。もう戻れないじゃん」
今の銃声は、確実に城島達の耳にも入っている。
戻るにしても、この状況ではうまい言い訳が思いつかない。
引き返すのは得策ではない。
「坂本くん、代わりに健ちゃん探しに行ってくるよ」
にこりと微笑みかけると、太一は足取りも軽く、森の奥へと消えた。


【坂本昌行 死亡 残り21名】



239 :まっぴるま連載 ◆DVBV.H/mhs :03/06/16 14:20 ID:6YiQxuMs
こんにちわ。また新作が始まったんですね。
ご案内ありがとうございます>235,236さん

>234
そう思われますか?うーむ、どうなるでしょう・・・
この先の展開をお待ち下さい。ではまた!

240 :ななしじゃにー:03/06/16 21:05 ID:WRTW+smP
連載さん乙です!
な、何様〜・゜・(ノД`)・゜・。次は☆か・・・武威狙われまくりだな

241 :ななしじゃにー:03/06/16 21:13 ID:2b021Nzk
連載さん乙です。
長老は中堅が撃ったこと分かってたのかな・゜・(ノД`)・゜・

242 :ななしじゃにー:03/06/17 12:59 ID:NusmVM15
乙です!☆逃げろ!

243 :86 ◆DVBV.H/mhs :03/06/18 00:33 ID:uxb2gBl3
 
灯台を出てからは、ほとんど無言で海辺を歩き続けていた。
単調な波の音を聞きながら。
何か、どこかすっきりしない思いを抱えたまま。
「なぁニノ」
「ん?」
ようやく言葉をつむぎ出した米花の口調は、必要以上に明るい。
「翔くんと町田さん、本当だと思う?」
それは、黙っている間ずっと聞きたかった事だったのだろう。
当然二宮にとっても同じだったが、どうしても言い出せなかった。
変わらぬ調子で歩を進める米花からも、
必死で平静さを装っているという事が痛いほど伝わってくる。
米花は苦しそうな笑顔で、返事のない二宮の顔を見つめた。
「マジだったらさ、俺・・・ハンパじゃなく辛いんだけど」
「それは・・・」
その視線を受け、二宮も弱々しい微笑みを浮かべる。
「俺も同じだよ」
「・・・だよな」
顔を見合わせたまま、二人は複雑な思いに包まれていた。
放送を聞いた時、あの場にいた誰もが、
“死んだ”という事実を真に受け、
気が付いたら悲しんでいて、そして、涙を流した。
それを告げたのは単なる放送だったのに。
実際に自分の目で見たわけでもないのに。
「マスコミに踊らされる心境って、こんな感じなのかね」
「だな。バカだな、俺ら」
米花がそう返しながら小さく笑う。

244 :87 ◆DVBV.H/mhs :03/06/18 00:36 ID:uxb2gBl3
あの二人が死んだのが本当だという証拠はまだどこにもない。
でも・・・分かっていたのかもしれない。心のどこかで。
何故かは分からないが、否定は出来なかった。
でも根拠がないだけにそれを口にするのがとても重苦しい。
出来れば嘘だと信じたい。でも・・・。

米花が、その重い空気を打ち消すように大きな声で話し始めた。
「町田さんと屋良っちとでね、新しい振り付け考えてたんだ。
 なんかまたスッゲーややこしいの。超難しいやつ。
 これ絶対アッキーには無理!とかってわざと訳分かんないのにしたり」
四苦八苦する秋山をからかう3人の姿が浮かび、二宮は思わず吹き出した。
「でさ、二人がそれぞれ別々に考えて作ってたパートがあって。
 俺らたまに2、2に分かれて踊るんだけど」
ピタリと米花の足が止まり、二宮もそれと同時に立ち止まった。
「町田さんが帰ってきてくんないと・・・完成しないんだ」
俯く米花の横顔を見つめる二宮の表情も険しくなる。
何故だかとても息苦しくて、きゅっとトレーナーの胸あたりを掴んだ。
目の前に広がる海を見つめると、大きく息を吸い、そしてゆっくりと吐いた。
「俺ら・・・嵐ってさ、5人なんですよ、ね」
急にそう切り出した二宮の言葉に、米花は顔を上げた。
「翔くんの代わりなんて誰にも出来ないのに」
悲しいのか怒ってるのかさえ分からない声色でそう呟く。
「帰って、その後どうしたらいいかなんて、全然分かんないよ・・・」
万が一帰れたとしても、そこに櫻井は―――いない。
「それはさ・・・」
肩にポンと手を置かれ、潤んだ瞳のままで二宮が振り返った。
「無事に帰れてから考えようぜ」
米花の笑顔に、二宮も頬の緊張を緩める。
二人は無言でお互いの背中を叩いた。

245 :88 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/06/18 00:39 ID:uxb2gBl3
「二宮くーん!」
新たに現れたその声が、歩き出そうとした二人の足を止めさせた。
驚いて振り返ると、田中聖がこちらに向かって駆け寄ってくる。
「聖・・・?」
「あっ、米花くんもいたんですね、どうもー」
あまりに突然のことに2人は面くらい、曖昧な笑みを返した。
目の前の聖はニコニコと笑顔を浮かべ、何を言うともなくただ二人を見ている。
こちらの調子を狂わせる、なにかいやな感じのする笑顔・・・。
理由も分からぬまま、聖に促されて二人が別の方向へ身体を向けた時だった。
「いっきまーす!!」
と、突然背後から聞こえた大きな声に、二人はバッと振り返った。
「田口・・・!」
マシンガンを片手に嬉しそうに笑っている田口に言い知れぬ恐怖を覚える。
聖はナイフを取り出し、逃げようとする二人の行く手を阻むように移動した。
「ニノ、やべぇかもしんない・・・」
「・・・ああ」
2人は顔をそちらに向けたまま低い声で呟く。ジリジリと後ずさりながら。
こいつらはヤル気だ・・・。それは明らかだった。
米花はポケットに忍ばせていたものを静かに取り出し、聖に銃口を向けた。
それに気付いた聖がはっと息を飲み、悔しそうな表情を浮かべる。
「なんだよ・・・武器持ってんじゃねーか・・・」
こちらが攻撃すれば米花も発砲するだろう。聖は険しい顔で振り返った。
――田口・・・お前、まさかこの状況で撃ったりしねぇだろうな・・・?
撃つな、と目で訴える。その意図を察したのか、笑顔を返す田口。
銃口を聖の方に突きつけたまま、米花は2人の様子を伺っていた。
聖の関心が田口に向いている今なら・・・・。
「走れ!!」
米花が叫び、2人は砂を蹴って走り出した。一直線に森へと向かって。
バララララッ
ちょうど3人の間辺りに、田口の放った弾丸が打ち込まれる。
「お前っ・・・?!俺に当たったらどーすんだよ!!あぶねーだろ?!」
聖の怒鳴り声とマシンガンの音を背中で聴きながら、二人は全速力で駆け抜けた。

246 :ななしじゃにー:03/06/18 01:21 ID:r28UJvFT
たまには上昇させますね。

247 :みな:03/06/18 01:56 ID:KCmI8xLg
ドラマの,台本,売るよ,かなり,プレミア,ジャニーズ,多数、出てるよ。一番,高い,値段の人に,売るよ。値段,書いてね。

248 :ななしじゃにー:03/06/18 09:52 ID:Grp+LZf2
>>246おまいがageるから余計なレスつくじゃねーか。

249 :ななしじゃにー:03/06/18 21:08 ID:g/NaA8wH
上げ

250 :ななしじゃにー:03/06/19 01:17 ID:V52eCVih
連載さん
ウザイみどりちゃんはスルーで
引き続き頑張ってください

251 :89 ◆DVBV.H/mhs :03/06/20 01:20 ID:lGIJbxUt
  
生田の死を看取った後、今度は秋山が倒れてしまった。
極度の緊張と疲労から解放されたことで、
張りつめていたものが一気に吹き出したのかもしれない。
しばらく寝かせていたのだが、次第に息が荒くなり、顔が蒸気し出した。
松岡がその額に触ると、異常に熱を持っている。
秋山の身体を見ても特に外傷はない。
大量の汗をかいて冷えてしまったのが発熱の原因らしかった。
運良く診療所には水道もあり、熱を冷ましてやる事も出来る。
井ノ原は、熱を吸収してすっかり温かくなったタオルを取り、
水をはった洗面器につけて絞ると、もう一度額の上に乗せてやった。
その冷たさに、秋山がかすかに反応する。
「秋山、大丈夫か?」
「あ・・・う、ん」
かすれる声を絞り出す秋山が弱々しい笑みを浮かべた。
「喉かわいただろ。水飲め、いっぱい飲んでさっさと出しちまえ。なっ」
そう言って秋山を抱き起こすと、自分の体でもって支えてやりながら
コップ代わりのビーカーで秋山の口に水を注ぎ込んだ。
「よし、飲んだな。もらすなよ、したい時は言えよ」
いつもの調子でたたみ掛ける井ノ原に、秋山はくしゃっと顔を歪める。
「ごめんね井ノ原くん・・・」
「謝ってんじゃねーよ。いいから良くなる事だけ考えてろ」
ゆっくりと身体を寝かせると、毛布代わりに窓から剥ぎ取ったカーテンをかけてやった。
視線を移せば、同じようにカーテンにくるまって眠る生田の姿がある・・・。
「子守唄でも歌う?」
「いい、です・・・いらない」
「つまんないのー」

252 :90 ◆DVBV.H/mhs :03/06/20 01:22 ID:lGIJbxUt
いたずらっぽいその笑顔を見つめながら、
秋山は朦朧とする意識の中で井ノ原の心境を思った。
精一杯明るくしてはいるが、平気なハズがない。
岡田が生田を撃って、その結果殺してしまったという事実。
そして、長野が死んだ、と告げたあの放送・・・。
「イノッチ大丈夫・・・?」
「何がだよ」
なんでもないような素振りで聞き返す井ノ原を、
痛々しいものを見るように目を細める秋山。
そんな秋山の意図に気付き、井ノ原もため息をこぼした。
「ああ・・・お前もな。大丈夫か?」
「うん。いや・・・あんまり大丈夫じゃない、かも」
そう言って苦笑する秋山に、井ノ原も同じような表情を返す。
「町田の考えた振り付け、とうとう覚えられないままでした」
ごめんねー町田くーん・・・と、小さく呟く。
自然に視界がにじんで、秋山はこみ上げてくるものを噛み殺した。
「あんまり・・・我慢するもんじゃねーぞ」
そう言い残して立ち去った井ノ原に、小さく礼を言う。
だが、しばらく後に部屋の向こうから聞こえてきた嗚咽に、秋山はドキリとした。
「井ノ原くん・・・」
秋山はその後もずっと、声を殺して泣き続けた。

  

253 :91 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/06/20 01:25 ID:lGIJbxUt
その頃、診療所の外に座り込んだ松岡は、何をするともなく首輪を触っていた。
この首輪さえなければ、自分達は自由になれる。
これが爆発するかもしれない、という理由で思うように動けない。
この島の外、禁止区域。
「どーすりゃいいんだよ・・・」
手も足も出ないとはまさにこのことだ。でも、その中で可能性があるとすれば・・・
「校舎、か」
東山のいる、あの校舎。全てはあそこで操られている。
自分達の命を握っているこの首輪を、そしてこのゲーム自体を動かしている
コンピューターかなにかが必ずあの場所にあるはずなのだ。
でも、その側には少なくとも東山と、武装した男たちがいる。
第一校舎を禁止区域に指定されては、近づくことが出来ない。
苦虫を噛み潰したような表情でうずくまる松岡。
自分の手をぎゅっと握り、祈るように額に押し付けた。

「松岡くん?!」
突然耳に飛び込んできた声に、松岡は身体を震わせて顔を上げた。
こちらを見て驚いたような表情を浮かべ、荒い息をつくその男は長瀬だった。
「びっくりさせんなよ・・・」
会えて嬉しかった以上に、まだバクバクと脈打つ自分の心臓の鼓動が苦しい。
これくらいの事でこんなにもビクつく自分を必死で隠そうとしながら、松岡は立ち上がった。
「お前、一人か?」
自分を落ち着かせながらゆっくりと近づくと、長瀬も無言でうんうんと頷く。
だが、すぐにハッと表情を変え、走り寄ると片手を松岡の肩に置いた。
「山口くんが・・・・!!」
言葉に詰まった長瀬のその先の台詞を想像して、松岡は体の芯が冷えるのを感じた。
目の前に静かに息を引き取った生田の顔が浮かんできて・・・。
自分の心が、続きを聞くのを恐れている。
「岡田に撃たれた!!!」
大声で叫んだ長瀬の一言は、松岡の想像していたのとは違う意味の衝撃だった。
「岡田・・・」
――またお前なのか。よりにもよって・・・。

254 :ななしじゃにー:03/06/20 01:46 ID:qblwjnml
連載さん乙です!
続きも楽しみにしてます。

255 :ななしじゃにー:03/06/20 17:51 ID:NuxZsAo0
連載さん乙です。
続き楽しみにしてます。

256 :ななしじゃにー:03/06/21 22:17 ID:eUHDt2/N
見習いさんとこと比べて反響少ない脳。乙カレ様ーばっかだ(w

257 :ななしじゃにー:03/06/21 23:37 ID:pXGDgNnN
場面によって反響が多かったり少なくなったりするのはしょうがない。>256

連載さん、更新も早いし毎回楽しみにしております!
こっちの俺様はメンが2人死に2人が人殺しちゃってるし、☆も
狙われてるっぽいし大変だな。
中堅もいつか救われるといいのですが…。

258 :金欠連載 ◆DVBV.H/mhs :03/06/22 00:54 ID:0ITzR6oS
>256 イヤン・・・(w

257さん、優しいフォロー天球です(w
見習いさんとこ盛り上がってきてますねー
自分も読者の一人なのでドキムネしてます。
連載なりにがんがりますよーぃ。

259 :92 つづきです ◆DVBV.H/mhs :03/06/22 00:58 ID:0ITzR6oS
「岡田が撃ったんだよ・・・あいつ、何も言わずに俺らに向かって引き金引いた!
 まさか岡田がそんな事するなんて俺信じられなくて・・・
 でも、山口くんはとりあえず逃げるぞって言って一緒に逃げて・・・それで」
「・・・ちょっと待て長瀬、今それ以上言うな」
自分達の仲間を傷つけたのがまた岡田だと知ったら、あいつはきっと・・・。

「岡田が、撃ったのか」
「井ノ原?!」
・・・遅かった。
長瀬も、その姿を認め複雑そうな表情を浮かべる。
小屋からふらふらと出てきた井ノ原の瞳は深い悲しみと怒りに彩られていた。
「今度は山口くんを・・・」
「おい、井ノ原」
近寄ってきた松岡の腕を振り払うと、今度は長瀬に向き合った。
「悪かったな、長瀬。お前のことも撃ったんだろ?」
低い、感情を押し殺した声。長瀬は一瞬戸惑い、曖昧に頷く。
「うん・・・でも、当たらなかったから・・・」
「そーいう問題じゃねぇだろ」
それきり黙り込んだ井ノ原を見やりながら、松岡は大きく息を吐いた。
「それで・・・兄ィは無事なのか?」
「無事っていうか・・・肩撃たれて・・・。でもたぶん大丈夫だと思う。
 光一と話し合ってゲーム止めようって考えてたみたいで、二手に分かれて
 島のみんなに伝えようとしてた。自分はすぐには動けないから、
 俺に、代わりに行ってくれって。光一を探して、手伝ってやってくれって・・・」
松岡は黙ってそれを聞くと、もう一度井ノ原を見た。だが井ノ原はまだ
虚ろな瞳で遠くを見つめるばかりでこちらを見ようともしない。
「どうしよ、山口くんのとこに戻った方いいのかな・・・」
「・・・いや、兄ィの言うとおりにしよう。具体的にどうするつもりか聞いてるか?」
「聞いてない・・・でも、つよしにも協力してもらうことにはなるだろうって。
 とりあえず皆で観光協会に集まることにしたらしいけど・・・」
自信なさげに呟く長瀬の肩を叩くと、松岡は頷き、後ろを振り返った。
「井ノ原」

260 :93 ◆DVBV.H/mhs :03/06/22 01:01 ID:0ITzR6oS
井ノ原が、ゆっくりと松岡に顔を向ける。
「光一と山口くんが動いてるって。だから俺らも」
「・・・行けるわけねーだろ?」
井ノ原は自嘲気味にそう言うと踵を返した。
「どこ行くんだよ!」
「いのっち!」
二人の制止も聞かずに歩きだす背中。
松岡が走り出し、その肩をぐいっと自分の方へ引き寄せた。
「おい!!」
「・・・離せよ」
めんどくさそうにその手を振り払うと、松岡に鋭い視線を向ける。
「お前らに分かんのかよ、大事な人間を亡くした気持ち、
 大事な人間が人殺したって聞いた気持ち・・・分かんねぇだろ?」
そう言って歩き出した井ノ原が、ふいに立ち止まった。
「行きたいけどさ・・・やっぱちょっと辛ぇよ・・・悪いけど」
自分の知っている岡田と、今の岡田は違う。
頭では理解しようとしても、体と心がそれについていかない・・・、
それはどうしようもない事だった。
認められるはずがない。でも、実際に傷つけられた人間がいる。
命を奪われた人間がいる・・・。
そして、まだ誰一人として犠牲者の出ていないTOKIO。
それに対して、自分は長野を失い、そして岡田も・・・。
割り切れない思いがあった。
そんな風に思う自分をあさましくも思ったが、正直な気持ちだった。
「ちょっと頭冷やすわ。それに、お前らもやりにくいだろ?」
「そんなこと・・・」
岡田への怒りをあらわにしてしまっただけに、長瀬が気まずそうに声を漏らす。
呼び止める台詞を思いつく間も与えず、井ノ原はその場を立ち去った。

261 :94 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/06/22 01:07 ID:0ITzR6oS
「いのっち、岡田のこと・・・殺したりしないよね・・・」
「バカな事言ってんじゃねぇよ、俺らも行くぞ」
有無を言わせぬ口調でそう言うと、松岡は小屋の中へと入った。

「秋山、お前今移動できるか?」
「・・・うん・・・え・・・?」
松岡の声に辛そうに目を開け、言葉を絞り出す秋山。
「皆で集まる計画があるらしいんだわ。おぶれば行けるよな」
「うん・・・でも、ごめん松岡くん。もう少し・・休まなきゃ無理かも。
 ちょっとね、体痛いんだ・・・。先行ってて下さい」
「何言ってんだよ、置いてけねーだろこんなとこに。お姫様だっこでもダメか?」
「もっとヤですよー・・・」
こんな時にまでからかわないで下さい、と弱々しく笑みをこぼす。
「もう少し、斗真の側にいてあげたいんです・・・」
何を言っても、先に行ってくれと言って聞かない。
秋山の体調のこともあり、しぶしぶその意思を了承するしかなかった。
必ず合流することを約束をすると、松岡と長瀬は小屋を後にした。

 

262 :ななしじゃにー:03/06/22 01:18 ID:PhC3caDo
あら私は連載さんの大好きよ。
野暮なレスは置いといて、サクサク行って下さい。

263 :ななしじゃにー:03/06/22 01:33 ID:Lqm+/1Wl
自分も連載さんの話大好きです!
俺様と凸の関係が切ないな〜。
これからも更新楽しみにしております。

264 :ななしじゃにー:03/06/22 01:49 ID:3+6GyUTz
ヤル気な凸が珍しくて連載さんの話楽しみですよ。
更新がんがってください。

265 :ななしじゃにー:03/06/22 09:10 ID:dnDFh9LV
いままでレスしたことなかったんですが楽しみにずっと読んでます。
がんがってください。
そんな香具師も結構いると思いますよ〜。

266 :ななしじゃにー:03/06/22 21:26 ID:vwhButNv
連載さん乙です!
俺様の気持ちを考えると切ない・゜・(ノД`)・゜・。


267 :ななしじゃにー:03/06/22 21:43 ID:LYakcXpq
読んでます読んでます☆★それもすっごいドキドキしながら・・・
翔君の最期の時やとーまの時は思わず涙が・・・(>_<)
これからも頑張ってください^^楽しみに待ってますっ!!!

268 :ななしじゃにー:03/06/22 23:16 ID:mTOb7NMi
お・俺様・・・・゜・(ノД`)・゜・
なんだか読んでる自分までやりきれなくなってきますた
連載さんこれからも更新待ってます!


269 :ななしじゃにー:03/06/22 23:35 ID:OnpvMdT7
レス付けてるやつの文章読んでうんざり
ROMで残ってるやつはこういう奴らなのか

270 :ななしじゃにー:03/06/23 00:17 ID:2u4DGfrs
>>269
だったらよそへ行けやゴルァ!

271 :ななしじゃにー:03/06/23 01:52 ID:m6Tg/I+M
変なのはスルーで。

272 :ななしじゃにー:03/06/23 02:41 ID:wkOQC2HR
見習いさんのとこは今、俺様つフィーバーだ 私は連載さんヲタです。がんがってください!

273 :ななしじゃにー:03/06/23 02:47 ID:wkOQC2HR
sageます…

274 :ななしじゃにー:03/06/23 05:01 ID:o8Hj+tg9
韓国でも猟奇的な彼女はインターネット小説から映画になった。
がんがってください。

275 :しかしそれにしてもだ:03/06/23 05:15 ID:H0KqRmqf
すごいねここ
http://strangeworld-honten.com/cgi-bin/bbs.cgi

276 :ななしじゃにー:03/06/23 06:45 ID:2are94BG
|:3ミ バカボンのパパ
http://homepage3.nifty.com/coco-nut/

277 :_:03/06/23 07:08 ID:qMGnltO6
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/

278 :_:03/06/23 08:57 ID:qMGnltO6
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/

279 :_:03/06/23 10:35 ID:qMGnltO6
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/

280 :_:03/06/23 12:18 ID:qMGnltO6
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/

281 :_:03/06/23 13:30 ID:qMGnltO6
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/

282 :_:03/06/23 16:00 ID:qMGnltO6
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/

283 :_:03/06/23 17:43 ID:qMGnltO6
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/

284 :_:03/06/23 18:11 ID:qMGnltO6
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/

285 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/06/23 23:16 ID:ekq6uZ0K
なんだか禿しくスレが回っていると思ったら・・・
275以降すごいことになってますね(苦藁

応援レスつけてくれた皆さんありがとうございます。
読者さん達の優しさに感謝です・゜・(ノД`)・゜・
では、気合い入れて後程更新に参ります。

286 :95 ◆DVBV.H/mhs :03/06/23 23:49 ID:ekq6uZ0K

「坂本くん心配してるかな」
三宅はトイレに行くと言って出てきたきり、観光協会へは戻っていない。
何か胸騒ぎがして、森の中を彷徨っていたのだ。
「・・・?」
と、何か自分を呼ぶ声が聴こえた様な気がして立ち止まる。
「健!」
はっきりと聴こえたそれは、まさに自分が探していた声・・・。
慎重に、確かめるようにゆっくりと振り返った。
「ゴウ・・・。剛!!」
思わず森田に向かって駆け出した三宅の目に映ったのは、
その手に握られている日本刀、そして――それに付着した血液。
言い知れない衝撃が走り、足がピタリと止まった。
両足が地面に貼り付いたように、動かなくなってしまった。
――剛。それ、その血・・・。
「・・・無事だったか」
呼ばれても、声が出てこない。
三宅が動こうとしないのを見かねた森田が、ゆっくりと近づいてきた。
「行くぞ」
有無を言わせない口調でそう言うと、
三宅の腕をつかみ、そのまま向きを変えて手を引いて歩き出そうとする。
「どこに行くんだよ・・・」
両足を踏ん張ったまま小さく呟いた三宅に、森田が振り返った。
「何しに行くんだよ!誰か・・・殺しに行くのかよ!!」
突然、ザザッと強い風が吹き、木々と二人の髪を激しく揺らした。
二人の間に、妙な緊張感が走る。
森田が、憮然とした表情で自分を見ている。怒った時のあの顔で。
叫んでしまってから後悔が襲ってきたが、言ってしまったものは仕方ない。

287 :96 ◆DVBV.H/mhs :03/06/23 23:54 ID:ekq6uZ0K
「その血、なんなんだよ!何したんだよお前!」
泣き出しそうな顔で怒鳴りつける三宅から、面倒くさそうに視線をそらす森田。
その態度がまた、悔しかった。
「お前さ・・・俺が好きで人殺したりすると思う?」
ふいに発せられたその問いに、咄嗟には答えることが出来なかった。
「ま、別に、同じことかもしんねーけどさ・・・」
自嘲気味に言ったその口の端が上がる。
やがて悔しそうに歪んだその表情に、三宅は気づかない。
「今お前が俺を信じらんないなら、別にそれでもいい。
 とにかく行くぞ、ここにいたら危ない」
「なんだよ、それ!訳わかんないよ!ちゃんと説明しろよ!
 じゃないと・・・行けない。俺、お前と一緒には行けない!!」
「いいから!行くんだよ!」
「ヤだよ!」
「お前、生き残りたくねーのかよ!!」
「うるせぇよ!今はそういう問題じゃないだろ?!」
そう叫んで、自分の腕を掴んでいた森田の手を思い切り振り払った。
また一陣の風が吹き、二人の間を通り抜けていく。
「皆も待ってんだよ・・・、だからさ」
「人殺しだから、もう俺はいらないって?」
「違うだろ?そーいう事言ってんじゃなくて・・・」
「違くねーよ・・・分かった、もういい」
森田は視線を落とすと、背を向けて歩き出す。
数歩進んだところで立ち止まり、再びゆっくりと顔をこちらに向けた。
何も言わず、ただ黙って真っ直ぐな視線を送るだけ。
「・・・ぁ」
森田が諦めたように向きを変えて歩き出した途端、三宅の口から声が漏れた。

288 :97 ◆DVBV.H/mhs :03/06/23 23:56 ID:ekq6uZ0K
急に怖くなった。不安だった。
苛立ちと、そしてどこか淋しそうな色を浮かべた森田の瞳。
三宅は、遠ざかるその背中をしばらく見つめていた。
――何でこんなことになったんだろ・・・。
会いたかったはずなのに。会えて嬉しかったはずなのに。
――何があったのか、ちゃんと言ってくれないから悪いんじゃん・・・。
森田だからこそ、本当のことを本人の口から聞きたかった。
でも、このままでは行ってしまう・・・。
「ゴウっ、待てよ剛!」
気付いたらその名を叫んでいて、そして、森田がこちらを振り返って・・・。
と、その直後。

バンッ

もの凄い音がしたと同時に、視線の先にいた森田が地面に倒れた。
「え・・・?」
あまりに突然の出来事に、頭の中が一瞬で真っ白になる。
「剛っ?!」
走り出した三宅の行く手に、突然、何物かが立ちふさがるように現れた。
「と〜まれっ」
両手を広げ、通せんぼをするように笑顔でこちらを見つめている。
「たいちくん・・・」
「健ちゃーん、帰ってくるの遅いんだもん。あんまり心配させないでよね」
ニコリと笑いかける太一の手には、銀色に輝くものがしっかりと握られていた。
「坂本くんさぁ、お前の事捜しにいったせいで死んじゃったんだよ。
 お前がいなくならければ、殺すタイミングもなかったかもしれないし・・・」
『お前のせい』『死ぬ』『殺す』
言葉が針のように耳に入り込んできて、チクチク痛い・・・。
でも、今はその言葉を理解できるような状況じゃない。
それよりも、それよりも今は・・・。

289 :98 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/06/23 23:58 ID:ekq6uZ0K
「それ・・・剛を・・・撃ったの?」
三宅の問いに首をかしげ「ん?」と、それ――拳銃を軽く振る。
「あぁ。剛、あんなもの持ってるからさ。あぶないじゃん」
――自分だって・・・自分だってそんな危険な武器持ってるじゃん・・・。
「嘘、だったのかよ。皆で生き残ろうって・・・嘘だったのかよ!」
信じてた。
いつもと変わらない様子で、自分に微笑みかけてくれたその笑顔を。
いつもと同じ調子で、自分を励ましてくれたその言葉を。
「剛のことは信じられないのに、僕のことは信じてくれてたんだ?嬉しいな」
なんの罪悪感もないその言葉に、ドキリとした。
――そうだよ、何やってんだろ俺・・・バカだ、俺、超バカだ・・・。
アハハッと笑いながらおどけた様子を見せる太一を、キッと睨みつけた。
三宅の目に、猜疑心と憎しみの灯がともる。
「・・・そんな目で、見ないで欲しいなぁ・・・健ちゃん」
太一はそう呟きながら、お手玉のように拳銃を弄び、
ポーン、ポーンと上に抛っては受け取る。

「なんか、すっごいヤな気分」

そう言い放った太一の目から、スッと笑みが消えた。
その瞳は、ただひたすら冷たく、鈍い光が占拠している。
太一は沈黙を守ったまま、静かに三宅の額に拳銃を押し付けた。
カチャ
その冷たい感触に、身体中がガクガクと震え出す。
泣こうにも、叫ぼうにも、恐怖のあまり声が出ない。


290 :ななしじゃにー:03/06/24 00:11 ID:bzx0PVt4
ぐげ、どうなるんだろ。
中堅はいっぱいいっぱい通り越して、ついにいっちゃった。
無邪気な笑顔が怖い…。

291 :ななしじゃにー:03/06/24 00:15 ID:tSbar6Yg
武威・・・ガンガレ

292 :ななしじゃにー:03/06/24 00:33 ID:rm8F7a5S
うわぁ・・・中堅(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

293 :ななしじゃにー:03/06/24 00:36 ID:F2EV3Akp
今、髪の番組を見終わってすぐにここを読んだら・・・。
番長、☆・・・ガンガレ・・・・゜・(ノД`)・゜・


294 :ななしじゃにー:03/06/24 00:39 ID:pTk7N61b
☆〜なんで番長について行かんかったー
番長〜・・・・゜・(ノД`)・゜・

295 :ななしじゃにー:03/06/24 00:41 ID:2kkSXO5E
☆なんとか逃げろ!超音波!超音波!!

296 :ななしじゃにー:03/06/24 00:57 ID:73hA4pX3
信じてる相手だからこそ、人を殺した事がショックで
ちゃんと番長の口から聞きたかった☆の気持ちも分かるけど
でも、分かってやって欲しかった。
切ないなー
生きてくれ☆!


297 :ななしじゃにー:03/06/24 01:00 ID:UMovofEH
今更ですが、紫と末っ子が一緒に行動してくれてる事に感動。
この二人のコンビ、好きなのに他じゃなかなか見れなかった・・・
どうか がんがってください。

298 :ななしじゃにー:03/06/24 02:34 ID:uDeZ9SHO
黒い中堅ってなんか珍しくてカコイイ!!

けど、もう殺されそうな予感...

299 :ななしじゃにー:03/06/24 02:37 ID:RGVDJRI1
超音波にハゲシクワロタ。藁
けどまだどこでも死んでなかった番長が撃たれた(T^T)
☆!早く超音波治療してやってくでっ!!

300 :ななしじゃにー:03/06/24 03:57 ID:q1jJZ1q+
>299
それじゃRPGだよ(w

301 :ななしじゃにー:03/06/24 04:20 ID:RGVDJRI1
いっそJBRのロープレゲームでも出てくれたら買うのに。
なんて思ったがここまで複雑な人物の相関図は描けないと思われ却下。
マネージメントゲームの二の舞にな(ry・・・藁

302 :ななしじゃにー:03/06/24 07:41 ID:6Hpx38Kj
なんかで番長が「中堅くんは目がコワイ。」と
言ってたのをなぜか思い出した。

303 :ななしじゃにー:03/06/24 12:36 ID:U3GY7lyv
こんなんなっちった中堅を救うことのできる、
あのタレは現れるのだろうか。
他の職人さんのJBRでは、接触がないんだ。

304 :ななしじゃにー:03/06/24 13:37 ID:fFjzEykl
ああ中堅が本格的に壊れちゃったよ((;゚Д゚)ガクガクブルブル
番長はまだ大丈夫って信じたいけど、武威が中堅の手によって
どんどん波乱万丈に…。俺様も何様死んだことはまだ知らないし、
一体どうなるのやら、と続きドキムネでお持ちしております。

305 :ななしじゃにー:03/06/24 13:39 ID:x63koZRn
他のJBRでは☆の死を看取っている番長が
☆の目の前で撃たれるとは新鮮ですな。
何様と番長の敵を討つべくブラック★キボン。

306 :ななしじゃにー:03/06/24 14:52 ID:IbdN+tHP
キボンは職人さんのプレッシャーにもなるんでは?


307 :ななしじゃにー:03/06/24 17:47 ID:YzGXEbbf
>306
>68

連載さんが感想・希望を読んだ上で
自分の思われているように進めるでしょう。

308 :ななしじゃにー:03/06/24 18:01 ID:RGVDJRI1
なかなかの精神状態ゆえ 予想外も予想通りも何でも
受け入れ態勢は万全さっ。
職人さんの意のままに・・・さぁ どぞっ☆彡

309 :散歩中連載 ◆DVBV.H/mhs :03/06/25 00:44 ID:MBBZIaWW
一晩でこんなにレスが!感涙です・・・ありがとうございます。
〜キボン、はご意見としてとてもありがたいんですよ。>306さん
連載の考えている事と、皆さんの意見・要望が結構重なってたりして
読んでいてとても興味深いんです。これからも宜しくおながいします。
では、また明日(今晩?)更新しに参ります。

310 :306:03/06/25 21:24 ID:Fps64t/T
要らぬ心配をしてしまったようで
皆さんごめんちゃい(´・ω・`)


311 :306:03/06/25 21:27 ID:Fps64t/T
あ、それから連載さんいつも楽しみにしてます
がんがって下さい

312 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/06/26 00:49 ID:+V0t9Ddq
>306=310さん
そんなそんな、謝らないでくだちいー。お気遣い天球でした。

では本日もなんとか更新です。
このシーンの次は、あらち登場となります。
間があいたらごめんなさい・・・。

313 :99 ◆DVBV.H/mhs :03/06/26 00:51 ID:+V0t9Ddq
「や・・・めろっ!!」
ギュッと固く目を閉じた三宅の耳に、森田の叫び声と、
そして聞こえるはずではない音が重なって聞こえた。
銃声じゃない・・・何かを切るような音・・・じゃあ、これは何の・・・?
「ぐ、はぁっ」
目の前の太一が苦痛に顔を歪め、まるでスローモーションのように崩れていく。
その背後には、肩から大量の血を流しながら日本刀を構えた森田が立ちふさがり、
鋭い視線で太一を見下ろしていた。
「オ、マエ、生きてたのかよ・・・」
「悪かったな・・・俺はあのくらいじゃ死なねーんだよ・・・」
「剛!!!」
足元に転がる太一は、背中を横に大きく切り裂かれ紅に染まっていた。
太一は呻きながらも、倒れこんだままの体勢でしっかりと拳銃を掴む・・・。
その手元に気付くこともなく、森田は両手で日本刀の柄を握ると
太一の身体の上に、その切っ先を突き立てた。
「死ね・・・」
その瞳と刃の先が光り、森田が思い切り振り下ろそうとした、が・・・。
「剛、危ないっ!」
バァァンッ
三宅が叫んだのとほぼ同時だった。
太一が、至近距離から森田の腹部を撃ち抜いたのだ!
「ぐああぁぁぁあっ!!」
すさまじい衝撃と、焼けるような痛み・・・。
悶え苦しみながらも、決して倒れこむまいと両足で地を踏みしめた森田の目が
怒りの炎で燃え上がった。
「こ・・・んちくしょぉぉおおーーーーーー!!!!」
ブンッ
最期の力を振り絞って振りかざした刃が、再び太一の肉を断つ。
「うああぁぁっ」
腕から激しく吹き出す血しぶき。
点々と血をこぼし、太一はよろめきながら森の中へ消えていった。


314 :100 ◆DVBV.H/mhs :03/06/26 00:54 ID:+V0t9Ddq

――ちくしょう・・・剛のヤツ・・・。
「痛ぇ・・・痛いよマジで・・・」
本当に涙を流しながら、ヨロヨロと森の中を駆ける太一。
計算外だった、ちゃんと狙って撃ち殺したつもりだったのに!!
とりあえず皆の所へ戻ろう。
あの調子じゃ、剛は死んでる。
さすがにあんだけ近いとこから撃てば、確実に死ぬよな・・・
ていうか、死んでてくれよ。
僕の正体を知ってんのは健だけだし、
あいつより早く皆に会えば、そうすれば皆、僕のこと信じてくれる・・・。
“剛から健を守ろうとしたら切られた、そしたら今度は健にも裏切られた”
そうだ、これで完璧だ。僕のシナリオは、まだ狂ってない。
――・・・これで僕が死ななければ、だけど。
「ハ、ハハッ」
それはシャレになんないよ・・・死ぬわけにはいかないんだから。
なんのために今まで皆を、仲間や後輩を騙してきた?
全部生きるためにしてきたことだ。
ここで死んだら、全部が意味なくなるんだよ・・・。
渇いた笑いをこぼすだけでも傷に響いて気が狂いそうだった。
最後まで皆を騙して、自分を騙して・・・僕は、そうやって生きるって決めた。
長野くんを撃ったときにそう決めたんだよ!

だからまだ死ねない、死なない・・・死ぬもんか!!!



315 :101 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/06/26 01:02 ID:+V0t9Ddq
「ご・・・っ剛?!」
三宅は、太一が去ったと同時に急いで駆け寄ると
背中に手を回し、森田の身体を抱き起こした。
時折痙攣しながら、ゴボゴボと血を吐く姿に衝撃を受けずにはいられない。
「剛!!」
森田の腹部には、あるはずのない穴があいている・・・。
その傷口を手でふさいでも、次々にどくどくと血が吹き出してきた。
「ぜんぶ・・・血が・・なくなっちゃうよ・・・」
その顔からも、次第に血の気が失せていくのがよく分かる。
「やだ・・やだぁ・・・やだよ剛!いくなよ!!置いてかないでよ!!!」
撃たれた部分から手を離し、今度は必死で顔や肩を叩いて、揺さぶった。
叫ぶ声と共にもれる嗚咽をこらえながらも、必死だった。
消えていく命を繋ぎとめようと力の限りその名を叫び続けた。
と、消え入るような、蚊の泣くような声がかすかに森田の口から漏れる。
「剛?!」

かすかに耳に届く、自分の名を呼ぶ三宅の声を頼りに遠のく意識を繋ぎとめた。
薄く開いた瞳からのぞく黒目がゆっくりと動き、三宅の姿を映す。
突如として胸に押し寄せた感情の波に、森田は思わず顔を歪めた。
――・・・死にたくねぇよ・・・。
震える手が、無意識のうちに三宅の存在を探ろうとする。
必死の思いで掴んだその腕に、すがりつくように身を寄せた。
こんなに不安になるのは生まれて初めてだった。
心地よい安らぎから引き離そうとする黒い影が、
誰もいない暗い闇が、今にも自分を飲み込もうと大きく口をあけて・・・。
「こ、わ・・い」
「え、何?なに?!剛っ!!!」
子供のように震え、涙ぐむ森田に戸惑いながらもその身体を抱きしめる。

やがて、三宅の悲鳴にも似た叫びが森の中にこだました。

【森田剛 死亡 残り20人】

316 :ななしじゃにー:03/06/26 01:08 ID:qjbKRPId
ば、番長・゜・(ノД`)・゜・。安らかに眠れよ

317 :ななしじゃにー:03/06/26 01:18 ID:BuNLfPvA
番長〜〜〜〜・゜・(ノД`)・゜・ PC画面が涙で滲んでます。
☆に看取られて逝けたのが、番長にとってせめてもの救いでしょうか。
番長はビビリ王だから、最後の言葉がとてもリアルでした・・・。
☆、強く生きてくれ。

318 :ななしじゃにー:03/06/26 01:21 ID:lhCnNPKQ
連載さん乙です!!番長ーーー・゜・(ノД`)・゜・ 


319 :ななしじゃにー:03/06/26 01:36 ID:ZWZcSeKn
番長☆の絆は凄いな、毎回どの職人さんの話しでも
泣かされる。


320 :ななしじゃにー:03/06/26 01:45 ID:wvqQxGs3
「僕たちはふたりでひとつ」
な副将と中堅ってのは見かけないが。

321 :ななしじゃにー:03/06/26 02:00 ID:B15KJLRf
>320  連載さん書いてくれそうな雰囲気じゃない?なんて期待してる。 その二人の仲の深さって知ってるようで知らない鴨。

322 :ななしじゃにー:03/06/26 07:58 ID:agaE02Um
バンチョ・・・゜。・゜(/Д\)・゜・

323 :ななしじゃにー:03/06/26 08:10 ID:MKIt+dHe
無傷の☆にとってもこれ以上ない程のしんどい展開ですね。
それにしても中堅によって自Gが壊滅状態に・・・(ガクブル

324 :ななしじゃにー:03/06/26 09:10 ID:B+v94HbM
まだどこのJBRでも死んでなかった番長がとうとう逝って
しまいましたね・゚・(つД`)・゚・ 今までとは逆パターンだったので
また新鮮でした。でも残された☆はつらいなー。

325 :ななしじゃにー:03/06/26 21:25 ID:sr/j8H3a
他にもJBR書いてるひといるんですかー?

326 :ななしじゃにー:03/06/26 21:55 ID:vw6BXLeb
>>325
いるよ。
このスレの上の方にリンク貼ってある、見習いさんと新米さん。
あと未完だった完結さんも復活してくれたので禿げ嬉しい(*´∀`*)

327 :ななしじゃにー:03/06/26 23:23 ID:Wt51BvnP
なんかさ☆の事ずっと気にしててやっと逢えて
自分の事信じてもらえなくても☆の事守ってやる番長
泣けるよ。☆、番長のぶんも戦って生きてくれ

328 :ななしじゃにー:03/06/27 00:20 ID:nEJWY30r
>326
完結さんのスレ教えて欲スィ…。

329 :ななしじゃにー:03/06/27 00:59 ID:yJFHlq9h
http://cute.cd/jbr/
ここにJBRまとめてくれてるのがある四。
どなたの管理かは知らぬがとっても重宝しておりまつ。
ありがたや、ありがたや・・・(^人^)感謝♪

330 :ななしじゃにー:03/06/27 03:31 ID:nEJWY30r
>329
産休。まとめて全部読んできますた!!

331 :ななしじゃにー:03/06/27 09:51 ID:yJFHlq9h
>330
何のこれしき。w 
他の職人さんたちも復活してくれればいいのだけどねぇ〜。


332 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/06/28 00:26 ID:TxVm3kbq
本日は、これまでの流れをまとめて軽く集計してみました。
まとめてみて、改めて武威が災難続きであった事に気付きニガワラです。
でも結局はどこのGも災難が続くんです。スマソ武威メン・・・。
続いて、しばらく何事も起こらずに過ごしていた灯台組に動きがあります。

それでは、また。タトゥー騒動に禿藁の連載でした

333 :連載バトロワ@目次1 ◆DVBV.H/mhs :03/06/28 00:28 ID:TxVm3kbq
>>44     参加者名簿
>>47-60  ゲーム開始 (中丸死亡)
>>61-62  岡田・秋山・生田
>>66-67  森田・岡田
>>72-74  山口・光一
>>78-81  堂本剛・東山・滝沢・今井
>>82-83  米花・屋良
>>84-85  松岡・井ノ原
>>96-97  櫻井・山下 (櫻井死亡)
>>109-110 櫻井・長谷川
>>111-112 相葉・松本・二宮
>>115-136 長野・太一・城島 (長野死亡)
>>145-147 坂本・光一・三宅
>>151-157 大野・町田・聖・田口 (町田死亡)
>>165-166 山口・長瀬
>>168-170 東山・堂本剛
>>174-176 森田・風間・上田・亀梨・赤西(風間・上田死亡)

334 :連載バトロワ@目次2 ◆DVBV.H/mhs :03/06/28 00:31 ID:TxVm3kbq
       =第一回放送=
>>180-184 相葉・二宮・松本・米花・屋良 
>>188-191 松岡・井ノ原・秋山・斗真(斗真死亡)
>>195-197 坂本・三宅・長谷川・城島・太一
>>201-202 亀梨・赤西・山下(亀梨・赤西死亡)
>>204-213 山口・長瀬・岡田
>>219-222 光一・大野
>>226    森田
>>227-238 坂本・太一・城島・長谷川(坂本死亡)
>>243-245 二宮・米花・聖・田口
>>251-252 井ノ原・秋山
>>253-261 松岡・長瀬・井ノ原・秋山
>>286-315 森田・三宅・太一(森田死亡)

【11名死亡  残り 20名】
   

335 :ななしじゃにー:03/06/28 13:46 ID:ruku72G4
おお!
連載さん乙けれでつ。

336 :ななしじゃにー:03/06/28 13:47 ID:ruku72G4
ageてもた。。
タトゥーの所へ逝って来まつ

337 :■ジュニアが口止めされた秘密■:03/06/29 10:59 ID:+FA2jNac
@@●■●■●■●■●■●■●■●■●■●■●■●■●■●■
◆元ジュニア辞めジュのページが◆隠しページ◆隠しページだから探して〜
ココは辞めたジュニアのHPだよ↓知ってる?隠しページ開くと日記衝撃的★
http://http.nu/%83W%83%83%83j%81%5B%83Y%82%CC%94%E9%96%A7%8B%B3%82%A6%82%C4%82%A0%82%B0%82%E9%82%E6%81B 一般人が絶対に見る事が出来ないビデオを
レンタル回覧とかで見れたり、関東の人だけジュニアと会える!!前にジュニアが書いてた衝撃の◆日記が隠しページ!隠しページは探し出せ!!見つけると◆秘密の日記が全部読める〜〜w!探し出そう!!!
衝撃!。辞めジュだけじゃなく、現役タレとかジュニアの、
プライベートが見れちゃいます!●(秘密秘密vv)・スポーツ新聞に載ったやつ!
合宿所とかも・メールの送り方が悪いと削除されるから気をつけて!!!
【結那の紹介】・・・このワードを入れると割引有りで、VIP扱いに
もなるので入れてください。【 】もね!ジャニファンのコだけじゃなく、
ジュニアに興味無い人も、男のコも楽しめるよ。現役タレントとかも出てくるから!彼女とか知り合いの女性に尊敬されちゃうみたいですゼ!!!。
メールは正確に丁寧に送る事だけ守!激プライベートな感じなんで・・
あんまりミーハーな感じの人は無視されちゃうから注意してね!■不明■な
時はヤフーとかで(辞めたジュニアの秘密)で検索▲検索★見付かるw!!
●■●■●■●■●■●■●■●■●■●■●■●■●■●■●■●■


338 :◇裏ジャニスタ◇:03/06/29 13:00 ID:6rprCGG3
▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲◎▲
イヤーーw(≧∇≦♪)/―・・☆聖が来た!!■関西専用板■裏情報のみ■
亀が来た!!仁と中丸がきた〜!!!じゅんの&竜也は来ない!■Jr■
http://www3.to/tackiy-tubasa ★ジュニアがたくさん辞めそうで嫌だ!!
☆⌒(*^-゜)ノ~♪Jr・KAT-TUN・ABC♪~ヾ(゜-^*)⌒☆ (福)&(藁)の
キャーーw(≧∇≦♪)/―☆ 聖は辞めるか?http://www3.to/love-kat-tun
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http://www3.to/kat-tun-love 亀仁・滝翼・山P・ハセ純・ABC・K.K.Kity
http://www3.to/thailand-pataya♪情報持って来てネ!!♪~ヾ(゜-^*)⌒☆
●ジャニーズデビュー組●SMAP・V6・TOKIO●ジャニーズの秘密●■情報■
イヤーーw(≧∇≦♪)/―☆ ジュニア の情報のレア情報ゲットだモンッ!
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339 :102  ◆DVBV.H/mhs :03/06/30 00:16 ID:J4k4tjwr

「とうだい、か」
山下は、目の前にそびえ立つ白い建物を見上げた。
光一と大野の会話を偶然聞く事が出来た。
大野によれば、嵐のメンバーは灯台に集まっているらしい。
「確実に一人は足りないだろうけど」
――俺が殺しちゃったからね。
無意識のうちに、山下の口の端が上がりニッと笑みを作る。
「さっ、行きますか」

トントン
それは、押し黙ったまま重い時を過ごしていた3人にとって
止まっていた時計の針を突然動かされたような、そんな音だった。
しばらくの間狭い一室にとどまっていたせいで、
外界との接触を絶ってもう何日も経ってしまったような気さえしていたから。
トントン
こちらが反応しないために、再びその音が響いた。
扉の向こうから、異質なものが入ってこようとしている・・・。
だが、それと同時に3人はさっきからずっと待っている存在がいるのだ。
「大野くん?!」
「・・・秋山くん?」
ようやく松本と屋良が声をかけると、扉の向こうから音が消えた。
同時に3人の間にも緊張が走る・・・。
「山下、なんですけど」
「山P?」
その声を聞き、松本は急いで錠を外すとそこに立っていた山下を招きいれた。
山下は、いささか驚いたような表情を浮かべながらも部屋へ足を踏み入れる。
「大丈夫だった?」
心配そうに近づいてくる屋良と相葉。
小さく笑みを返すと山下はそこにある椅子に腰掛けた。
「これ、どういうメンバー?」

340 :103  ◆DVBV.H/mhs :03/06/30 00:18 ID:J4k4tjwr
「え?」
唐突なその問いに、相葉がきょとんとした顔で聞き返す。
何故そんなこと聞くのだろうと、その意味すら分からなかった。
「翔くんの提案で、ここに集まろうって事になったんだ」
屋良が、苦しそうな笑顔を浮かべて山下に語りかける。
櫻井の名に山下の体が少し反応した。
「へー・・・そうだったんだ・・・」
「まだ秋山くんも大野くんも来てないんだけどね・・・」
「でも、なんかおかしいな」
一本調子な山下の言葉に、3人は返事をすることも忘れて聞き入る。
「生き残るのは嵐とMAだけでいいってことか・・・」
「どういう意味だよ」
松本が訝しげに問う。山下らしからぬ挑戦的な口調が気に障る。
「仲良しグループが集まるのは勝手なんだけどー、
 一人で死んじゃった風間くんみたいな人、可哀相だと思わないのかな」
特に怒りを含んでいるわけでも、悲しみを含んでいるわけでもないその声。
「それにさ・・・」
言葉を続ける山下の視線は、相変わらず何もない壁に注がれているだけ。
「2人しか生き残れないって分かってるのに、ここには3人いるし。
 ・・・潤くんも相葉くんもあんまりだよ、無神経すぎない?
 屋良くんだけヨソモノじゃん。もう少し考えてあげた方いいと思うんですけど」
「よそ者って・・・」
松本が絶句する。屋良もドキリとしたように目を見開いた。
「そんな事言わないでよ!」
自分に向かって訴える相葉に目をやり、山下は首をかしげる。
「だって、もしこの中で1人選べって言ったらさ、相葉くんは潤くん選ぶでしょ?」
「え・・・」
「違う?それとも屋良くんを選ぶの?」
「変な事言うなよ!!」

341 :104 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/06/30 00:26 ID:J4k4tjwr
困惑する相葉をかばうように松本が叫ぶ。
山下は足をぶらぶらさせながら息を吐いた。
「2人が出来ないなら・・・俺が代わりに屋良くん殺してあげようか?」
「?!」
山下の一言に、屋良の体が硬直する。
「ふざけんな!!」
バンッ
松本が、目の前にある机に勢いよく両手を付き、鋭い視線を向けた。
「あのさ・・・わざわざそんなこと言いに来たわけ?」
山下はひるむことなく、それまでと同じように壁の方に目を移す。
「気にしないでね、屋良くん」
「あ、うん・・・」
松本に返した屋良の笑顔も、心なしか引きつったものになっていた。
3人の間に微妙な空気が流れる。

「ここに皆を集めてどうするつもりだったんだろう、翔くんは」
山下は自分の指を見つめ、弄びながら独り言のように呟いた。
松本の顔がピクリと痙攣する。
「松潤・・・」
険しい顔つきになった松本に相葉が声をかけたが、耳には届いていない。
「案外ここに皆を集めておいて、自分だけ逃げるつもりだったりしてね」
可笑しそうにそう言い放った山下。
全て聞き終わらないうちに右手を振り上げた松本を、慌てて相葉が抑えようとする。
だがそれも間に合わず、一瞬目を閉じた相葉がおそるおそる目を開けると、
松本は山下の腕を掴み、「ちょっと来て」と言うと山下を外へと連れ出していた。
「松潤!!」
カンカンカンと階段を降りる音がする。急いで窓に近づき下をうかがうと、
喧嘩を始めるでもなく、ただ静かに向かい合う2人がそこにいた。
相葉は安堵のため息をつくと、後ろの屋良に弱々しく微笑みかける。
それを見た屋良も、同じような表情を返した。

342 :ななしじゃにー:03/06/30 20:30 ID:QcVV7sUu
連載さん乙華麗でつ!
灯台組どうなるんだろう…。しかしPは悪魔でつな(w

343 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/07/02 00:12 ID:ju/SjWJj
今日の更新は、前回の続きのシーンです。

その次は校舎内を書こうかな、と思っております。では、また。

344 :105  ◆DVBV.H/mhs :03/07/02 00:15 ID:ju/SjWJj

相葉は、2人の様子を窓から伺いつつ椅子に腰掛けた。
屋良もそれに続いて机に寄りかかる。
「山Pどうしたんだろ・・・」
暗く呟いた相葉だったが、やがて苦笑いを浮かべて屋良を見た。
「人の事言えないよね・・・僕もさっきわけわかんなくなったし・・・」
「気にしなくていいって」
柔らかく笑うと、屋良は相葉の背中をぽんと叩いた。
「うわっ!!」
その手が触れたと同時に大声をあげて飛びのいた相葉に、屋良もビクリとする。
「な、なに・・・?」
そんなに強く叩いただろうかと屋良が思案していると、
相葉が慌てて胸や腰をぱんぱんとたたき始めた。
「あ、やっぱり!」
そう言ってズボンのポケットから相葉が取り出したのは携帯電話だった。
「忘れてた。急にぶるぶるするんだもん。超びっくりした・・・」
そう言いながらボタンをピッと押す相葉。
「まさか・・・電波あるの?!」
無人島だと聞いて当然携帯など使えるはずがないと思っていた。
電話が使えるなら外部との連絡が容易に取れるではないか!
今まで思いつかなかったのが不思議なくらいだった。興奮して屋良が叫ぶ。
慌てた様子の屋良の意図に気付いた相葉が、困ったように笑った。
「あ・・・違うんだ、ごめんね。アラームが鳴っただけ、で・・・」
残念そうにそう呟いた相葉が、液晶画面を見ながら訝しげな表情を浮かべる。
「どうかしたの?」
屋良が不安げに尋ねると、ボタンを操作していた相葉があっ!と大声を上げた。
勢いよく立ち上がったと同時に、座っていた椅子がガタンを大きな音で倒れる。
目を輝かせた相葉が、声を失ったようにバタバタと足を踏み鳴らした。
「こっ、これ・・・見て!!」
せかされるように携帯を覗きこんだ屋良もハッと息を飲み、二人は顔を見合わせた。
 

345 :106  ◆DVBV.H/mhs :03/07/02 00:20 ID:ju/SjWJj

ピーッ ピーッ ピーッ
どこかで聞いた事のある電子音がかすかに耳に届く。
それと同時に二人の恐怖に満ちた叫び声・・・。
灯台の窓がガラッと開き、その真下にいた松本と山下は顔を上げた。
「松潤!松潤!!」
そこから顔を覗かせた相葉と屋良が、泣き出しそうな顔で大きく手を振る。
「え、なに?!」
「聞いて!!!滝沢くんと翼く・・・」
  
パ――――ン

窓から身を乗り出していたはずの2人が、弾かれたように視界から消えた。
その様子を唖然と見上げていた松本の頬に、ピシャリと水の粒がかかる。
――あめ?
ゆっくり、ゆっくりと指で頬をなぞった。
――紅い。
なんで紅いんだよ、紅い雨なんて降るはずないじゃん・・・。
――・・・え?

「・・・相葉ちゃんっ?!」
蒼白な顔で駆け出す松本の背中を、山下はただ見つめていた。
聞き覚えのある音だった。あの、何かが破裂するような妙な音。
何処かで聞いた、何処だ?一体何の・・・
「・・・っ?!」
その音の正体に気付いた山下がバッと顔を上げ、再び窓を見上げた。
目をこらすと、窓の周辺には飛び散った無数の血しぶき・・・。
「なんで・・・」
ここは危険区域だったのかと、一瞬血の気が引く思いをした。
だがそんなはずはない。それならば松本も自分も同じようになっていたはずだ。
と、なると・・・誰かが故意に爆破装置を作動させた、と考える他にない。

346 :107 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/07/02 00:25 ID:ju/SjWJj
バンッ!!
階段を駆けのぼった松本が勢いよく扉を開けて部屋に飛び込むと、
風にひらひらと揺れるものが机の向こうの床に見えた。
見覚えのあるその柄物のシャツ・・・。そして、屋良の足。
「屋良くん・・・あいばちゃん・・・?」
2人は、窓際に重なるように倒れていた。
首から吹き出したらしい血液が水たまりのように溢れている。
その中に顔を沈め、2人は既に事切れていた・・・。
「うっ・・・うあぁぁああーーーーー!!!!」
耳をつんざくような松本の絶叫が響き渡った。
こんな事があっていいのだろうか・・・机の上にある手榴弾はそのままだ。
2人は何も武器は持っていなかったはずだった。2人しかいないはずだった。
それなのに・・・・。
「なんで・・・なんでこんな事すんだよおぉぉお!!!!」
相葉の体を揺さぶりながら松本は号泣した。
死ぬ意味が分からない!この2人が何をしたというのだ・・・。
少し遅れて部屋に入ってきた山下も、その現状に息を飲む。
嗚咽しながら絶叫する松本から目を背けると、静かに立ち去った。
いつまでも見ていたいような光景ではなかった。

「ふざけんな・・・ふざけんな!!!返してよ・・・みんなを返してよ・・・
 返せ返せ返せ・・っ・・ぅくっ・・・。かえせーーーーー!!!」
握り締めた手で、力任せに床を殴りつける。
その拳から血が流れ出しても、松本はその手を止めなかった。
飛び散る涙が髪を濡らし、顔に張り付く。
「っ・・ううっ・・・」
床に額をこすりつけるように泣き崩れた松本。
相葉の手に握られていた携帯も、やがて、流れ出る血液に沈んだ。

【相葉雅紀・屋良朝幸 死亡  残り18人】


347 :ななしじゃにー:03/07/02 00:46 ID:ucLIEK+c
連載さん乙。
ひらの携帯には一体何があったんだろう((;゚Д゚)ガクガクブルブル

348 :ななしじゃにー:03/07/02 02:16 ID:cbTzUTBu
連載さん乙です。
携帯に何があったのか禿しく知りたい…


349 :ななしじゃにー:03/07/02 17:05 ID:azygRmtf
歪はひらの携帯に気付いてくれるのだろうか…。

350 :ななしじゃにー:03/07/02 22:12 ID:fmUpd+e3
自分も知りたいっす!!!!!携帯に何があったんです〜〜??

351 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/07/04 00:35 ID:MEP2n4by
どうなんだろう、歪は気づいてくれるだろうか・・・。
でも相当なショック受けてるしな、どうだろう。って私が書くんですが(w
それ以前に、携帯、血の中に沈んでしまったんですよね・・・むー。
今日の更新部分は、一つのシーンを分割してるので半端です。
次回につづきますので。すみません。

352 :108  ◆DVBV.H/mhs :03/07/04 00:42 ID:MEP2n4by

「まさか・・・」
突然、驚愕の表情でイヤホンを外し東山が渇いた声を漏らした。
ピッ
「・・・?」
つよしの耳に届いた、忘れもしないあの人工的な音。
反射的に東山の方へ顔を向けていた。
『うっ、うあああ・・・』
『何で・・・何でだよぉ!!』
スピーカーから響いてきたその悲壮感に満ちた声に、
崩れるようにして座り込んでいたつよしもハッと立ち上がった。
見ると、東山がリモコンを手にし、パソコンの画面を睨みつけている。
「どないしたんですか・・・?」
東山の険しい顔つきに異様な何かを感じ、つよしもふらふらと歩き出した。
「あいつら、余計な事を・・・」
『松潤!松潤!!』
『聞いて!!!滝沢くんと翼く・・・』

――――沈黙。

『なんで・・・なんでこんな事すんだよおぉぉお!!!!』
暫くして響き渡った絶叫に、つよしの身体がビクンと痙攣する。
――今度はなんや・・・。
『ふざけんな・・・ふざけんな!!!返してよ・・・みんなを返してよ・・・
 返せ返せ返せ・・っ・・ぅくっ・・・。かえせーーーーー!!!」』
「何してん・・・」
その喉と、握り締めた拳が震えていた。
東山は一切表情を変えず、つよしの言葉にも反応を示さない。
つよしの眉間にしわがよる。
ぐっと顎を引いたその顔に、初めて怒りが表れていた。
「何してんって聞いてるやろ?!」
ガタンッ

353 :109 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/07/04 00:46 ID:MEP2n4by
座ったままの東山の襟首をぐいっと掴みあげる。
その拍子に、椅子が大きな音を立てて倒れた。
「今それ押したん、東山さんですか・・・?」
低く押し殺した問いにも、東山は何も答えない。
つよしの喉がグッと音を立てて鳴った。
「殺し合わせるって言ったんアンタやろ?!
 なんで勝手に殺したりすんねん!!ふざけんなや・・・・
 それやったら俺も一緒に・・・最初っから全員まとめて殺しとけや!!」
ぐぐっと襟首を持ち上げられたまま、冷めた瞳でつよしを見下ろす東山。
つよしはそれでも尚両の手に力を込め、鋭く睨み付けた。
「・・・っ・・・つよし、お前何してるか分かってるのか・・・」
「またその脅し文句ですか・・・もうウンザリや!
 殺すならはよ殺せ!こんなんやったら・・・死んだ方がマシや・・・っ!!」
「お前の命を奪う気はない。勘違いするなよ、
 俺が握ってるのはお前の命じゃない、あいつら皆の命だから」
「・・・え」
手の力が急激に弱まり、東山は自然に開放された。
咳き込む東山の横で、つよしの顔からさぁっと血の気が引いていく。
「今すぐあいつらの息の根を止めることも出来るんだよ、お前が望めば。
 もしかしたらその方がいいのかもしれないな、戦って、苦しんで、
 裏切られる悲しみも知らずに死んでいく方が・・・」
東山はそう言いながらスーツの乱れを直すと、遠くを見つめた。
「死を持って安らぎを与えるのもお前の意のままだ。
 ただし、2人に与えられた生きる権利もお前が奪うことになる」
「そんな・・・」
「さあ、どうする?」
青ざめるつよしをよそに、涼しげな顔でキーボードに手を触れる東山。

「俺は・・・みんなと一緒に死んだらあかんのですか・・・」

354 :ななしじゃにー:03/07/04 01:20 ID:oU3z/Oty
連載さん乙です。
どつよガンガレ!

355 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/07/06 00:48 ID:oOcFsbE+
>>352-353の続きになります。次回はまた違う場面です。
やたらと浮き沈みの禿しいどつよになってしまいました。

結末はもう大体出来上がっているのに、そこになかなか
たどり着けないってどういう事でしょうヽ(´Д`;)ノアゥア・・・

356 :110  ◆DVBV.H/mhs :03/07/06 00:52 ID:oOcFsbE+
東山は静かにつよしを見つめると、小さく微笑んで背を向けた。
自分だけが死んで楽になろうなど、勝手な考えだと分かっている。
でも、いずれにしろ自分には安らぎなど用意されていない。
仲間たちを助けることすらできない・・・。
つよしは、なにげなく自分の首へと手をやった。
カチャリ
――これ、なんのためについてんねん・・・・。
自分の首にも金属の輪がはめられている。
ということは、いつか自分も皆と同じように死ねるのかもしれない、と
そう思っていた。それに気付いた時、喜びさえ抱いた。
それなのに・・・。

「ほんなら・・・全部、終わらせてもええですか・・・?」
虚ろな瞳で首輪を弄びながら、ぽつりと呟くように問う。
驚いたように東山がつよしを見た。
「なんだって?」
「みんなの命、僕が背負います・・・終わらせて下さい」
――後を、追わせて・・・。
「本気で言ってるのか」
「本気です」
「俺と生き残る道を捨てて、か」
「はい」
「あいつら全員をお前が殺すことになるんだぞ」
「もう・・・十分、罪人ですから・・・」
少しの沈黙の後、東山は顔を伏せ薄く笑った。
「・・・予想外だな」
唐突なその一言につよしが顔を上げる。
「色々、予想外なことが起こるよ」
独り言のように呟くと、東山は携帯電話を取り出し、それを見つめた。
「・・・賭けをしようか、つよし」
「え」

357 :111 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/07/06 00:56 ID:oOcFsbE+
「果たしてどのくらい歯車が狂うのか・・・いや、戻るのか」
そう言いながらキーボードを叩く。
つよしはただ黙ってそれを見ていた。
「早まる必要はないだろう?まだ時間はある」
「けど・・・」
「少しだけプログラムを変えた。後は、運命がどう動くか・・・」
立ち上がった東山を目で追いながら、つよしが口を開く。
「用意されてる結末も変えられる、いうことですか?」
「さぁ、それはどうだろうな」
真意が読めない・・・。
一体何があったというのか。
と、窓から差し込んできた光の眩しさに、つよしは目を細めた。
おぼつかない足取りで近づいた窓辺から、外を見上げた。

時の流れだけは止められない。
こうしてる間にも、空は流れ、風が新たな雲を運んでくる。
狭い檻の中に閉じ込められた自分にも、
風が未来を運んできてくれるのだろうか・・・。
――傷ついたり、涙したりした日は無駄にはならない。
そう思って生きてきた。それが明日に繋がっていくと思っていたのに、
ここに来て、そんな自分を全て否定されたような気がしていた。
でももし、まだ自分に“信じる”という行為が許されているのならば、
この光の中、もう一度だけ信じてみたいと思った。

――生きていればいつかはまた、必ず元気なあなたに会える。
――元気な自分に会える・・・。



358 :ななしじゃにー:03/07/07 01:32 ID:uydhirLQ
連載さん、乙デス。
どつよーーーーー、ガンガレーーーーーー!
続き、待ってまつ。

359 :ななしじゃにー:03/07/07 23:44 ID:33q+Wpkr
連載さん乙です!
毎日ズキドキしながら楽しみにしてます。
連載さんのペースで完結までファイト!
どつよもガンガーー!

360 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/07/09 00:53 ID:mCpUQibD
遅くなりました・・・。
0時に始まったバトロワ。折り返しまして、現在昼の12時です。
明日も続けて更新しますので、今日は1シーンの半分のみです。
少しずつですが、連載なりに完結に向けて歩んでいきますので、
それまで辛抱して読んでやってください。それでは、また。

361 :112  ◆DVBV.H/mhs :03/07/09 01:08 ID:mCpUQibD
  
太陽が真上に昇り、木々の間から漏れる光が森の中を照らす。
放送があった。
6時間前と同じように、東山の声が流れてきた。
ただ違ったのは、呼ばれる名前が増えて、残りの人数が減ったことだけ。

『相葉雅紀、赤西仁、生田斗真、亀梨和也、坂本昌行、森田剛、
 屋良朝幸。以上の7人が死亡。残り18人になった』

大野は、まるでその場に縛り付けられたように動けないまま、
ケープにくるまって小さく座り込んでいた。
淡々と読み上げられる禁止区域も、もう関係ないと思った。
“残り18人”
確かにまだ18人も生き残ってるのかもしれない。
でも。
――嵐、3人になっちゃった・・・。
18人も生き残っていることよりも、13人も死んでしまったことの方が重要で。
たった1人がいなくなってしまったことが、とてもとても重かった。
“人が死ぬ”という事はそういうことのはずだ。普通なら。
こうやってどんどん減っていくのに、どうしてみんな戦おうとするんだろう。
戦って勝ち取れるものなんて、きっと空しいはずなのに。
その先で得られるものなんて、これまでの日常に比べたら空しいはずなのに・・・。
失ったものが大きすぎて、歩き出そうとする力がおこらなかった。
独りになってから随分と色んなことを考えて、考えて、整理したけれど
誰かに仕返ししようとか、誰かを恨んだりとかしないから、
ただ、大切な人達を返して欲しい。
たどり着いた結論はそれだけ。
望むことがあるとすれば、それだけだった。
大野は小さく息を吐き、膝の間に顔を埋めた。


362 :113 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/07/09 01:17 ID:mCpUQibD

放送で生田の名が呼ばれた時、岡田は妙な感覚を覚えていた。
生田は、確かに自分が撃った。
だから、自分が殺した。
でも実感が湧かない。
自分は、何かのドラマや映画で見ていたように、引き金を引いただけだ。
それ自体は、とても綺麗な行為だった。
岡田の中で、崩れていく肉片や、飛び散る血液もそれとは一致しない。
現に、人一人の命を奪ったというのに、自分の手はちっとも汚れていない。
だから、生死は神聖なものであるという認識は壊れていなかった。
自分は既に狂ってしまったのだろうかと、自身に問いかける。
でも、おかしなくらい自分はまだ“普通”だった。
人を撃って、殺しておいて“普通”もくそもないとは思う。
“変わった”気ではいた。後輩や先輩に向けて銃弾を放ったことで。
でも実際は、何かが変わったという確信は未だ得られていない・・・。
生きるのも死ぬのも、生物としてはある意味当然で、何の不思議もなくて。
罪の意識も、恐怖も、どうしても自分の行為とは結びつかなかった。
――剛くん、健くんに会えたんかな・・・。
死んだということは、誰かが殺したということだ。
この島では、それが当たり前のこと。
自分が斗真や長瀬や山口を撃ったのと同じように、誰かが刃を向けた。
坂本に、長野に、森田に。
でも、腹を立てたり、悲しんだりする権利など自分にはない。
岡田は再び歩き出した。
そうやって割り切ることが出来る自分に半ば驚きながら。

しばらくして、視界に入ってきた人物に目がとまる。
「大野・・・」
顔を上げた大野と目が合った。
そのまま立ち上がると、岡田に向かってゆっくりと歩み寄ってくる。
岡田は、一定距離を保ったところで立ち止まった大野に拳銃を向けた。

363 :ななしじゃにー:03/07/10 22:11 ID:RWZ1i5ab
連載さん乙です。
平安はこのまま凸に撃たれてしまうのだろうか…

364 :ななしじゃにー:03/07/11 22:24 ID:Xb74Qixe
連載さん乙です!
続きが楽しみです。

365 :ほらふき連載 ◆DVBV.H/mhs :03/07/12 00:05 ID:YABsP04A
明日来ると言ったくせに更新出来ずすみませんでした!
見事に体調を崩し、寝込んでいた連載(ノД`)
今夜は起きてられる限りなんとかがんがってみますが
来られなかったら本当申し訳ないです・・・。
ネツモハナミズモトンデケー-(ノ ゜Д゜)ノ ==== ┻━━┻

366 :ななしじゃにー:03/07/12 00:53 ID:pKiJc5VN
連載さん!無理しないで、ゆっくりで全然オゲなんで、
風邪(ですよね?)治してくださいね。
マターリお待ちしとります(´∀`)。oO

367 :114 ◆DVBV.H/mhs :03/07/13 00:53 ID:qkCfWzLd
「なんだよ、それ」
自分に向けられたそれを認め、大野が眉をひそめた。
「何がしたいの・・・何がしたくてそんなことすんの・・・」
大野は逃げることもせず、不機嫌そうに横を向く。
「人を殺すとかって、わかんない。わかんないよ全然」
軽蔑を含んだその言葉に、岡田の右腕がすっと下がった。
「別に・・・殺すために戦ってるわけじゃない」
呟くような岡田の声に、大野がゆっくりと視線をうつす。
「・・・どういう意味?」
不審そうに首を傾けた後、言葉を続けた。
「じゃあ、なんでだよ」
――なんで?
投げかけられたのは、ごく当たり前の質問で。
でも何故だかはっとして、自分の心に問う。
なんで自分は戦ってるんだろう。俯いて、少し考えた。
「・・・負けたくないから」
「誰にだよ」
――何に?
「みんなに負けたくない、死にたくないってこと?」
「違う」
――俺は・・・。
「自分に負けたくないんだよ」
少し強い調子でそう言い放つと、再び拳銃を向けた。
手を伸ばせばいつでもそこにあった、かつての安らぎを。
後戻りできない世界だと知りつつ、安らぎに頼ろうとする自分を。
それでも尚、手を差し伸べようとてくれた仲間を、自ら遠のけた。
あえて踏み出した。
独りで戦うと決めた自分を貫きたい。負けたくない。
その気持ちは本当だった。

368 :115 ◆DVBV.H/mhs :03/07/13 01:01 ID:qkCfWzLd
「ふぅん・・・」
大野は黙ってそれを聞くと身体をこちらに向け、
「かっこいいね」と、そう言って笑った。
その笑顔がとても痛くて、岡田は顔をしかめる。
心臓に、細い針がささったような感覚。
「でも、淋しいね・・・」
苦しそうな顔で話しながら、大野が少しずつ近づいてくる。
岡田が思わず片足を後ろに引いたのは無意識だった。
「大切な人がいなくなるのって、すごくつらいんだ・・・
 それだけだよ、ほんとに。もう・・・からっぽになっちゃった」

それぞれに、譲れない思いがあって。
こんな世界に放り込まれてしまった以上、歩む道が異なるのは仕方がない。
でも、絶対に自分は自分でいたかった。
みんなにも、みんなでいて欲しかった。
勝つとか負けるとか、奪うとか奪われるとか。
そんなことは本当にどうでもよかった。
「俺も自分に負けたくない」

――・・・痛ぇ・・・。
チクチクとした痛みが岡田の胸に広がってゆく。
“淋しいな”という大野の声が、耳の奥の方で響いていた。
あと数歩踏み出せば手が届く位置までくると、大野が立ち止まる。
岡田は、からからに渇いた喉から言葉を絞り出した。
「大野・・・俺にどうして欲しいわけ?」
「撃っていいよ」

369 :ななしじゃにー:03/07/13 01:12 ID:KPNfaoRj
連載さん乙です!体調は大丈夫でしょうか?
凸と平安ってそういやタメでしたね…って関係ない話でスマソ。
続きもマターリお待ちしてます。

370 :116 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/07/13 01:15 ID:qkCfWzLd
あまりにもあっさりとした大野の返答に、岡田の右手がかすかに震える。
「負けたくないってのは、俺のこと殺すってことになるんでしょ?」
「本気で言ってんの・・・?」
「最初からそのつもりだったくせに。どうせ無理だもん、俺武器持ってないし」
ふてくされたように俯き加減でそう呟いた後、すっと顔を上げた。
「負けたくないんでしょ?」
念を押すようにそう尋ねた大野の瞳の中に、強い光が宿る。
「俺は、どこにいったって、どんなことがあったって俺でいたい」
そう言うと、真っ直ぐに目の前の岡田を見据えた。
「だったら・・・お互い自分の思うように生きようよ、最期まで」
――最期まで自分らしく。
大野は銃口をじっと見つめ、顔の緊張を解いた。
と、何かを思い出したように、悲しそうな顔を浮かべる。
「翔くんのこと助けてあげられなかった。町田のことも置いてきちゃった。
 すごく後悔してるから・・・。だから、いいよ。」
少し考えてから、安心したようにふんわり笑った。
――そんな顔するなよ・・・。
目を背けたくなるような表情。胸の奥で何かが疼く。
ぐっと大野を睨み付けた。
相手が「撃て」と言っている。
だから、「撃て」ばいいだけ。
さっきと同じように、引き金を引けばいいだけだ。
さっきまでと同じように、いたって“普通”に・・・。
耳鳴りのように響く大野の声を振り切るように、指に力を入れた。
大野の身体が宙を舞う。
ピシャリと岡田の顔にかかった血しぶきが、ことの終わりを告げた。

【大野智 死亡  残り17人】
 
  

371 :病み上がり連載 ◆DVBV.H/mhs :03/07/13 01:24 ID:qkCfWzLd
ご心配をおかけしました!何とか少しずつ回復に向かっております。
でも相変わらずクシャミは止まらず(゜ν゜)ヲハナムズムズです。
116を更新するのに時間があいてしまい申し訳なかったです>369さん
“書き込む”を押すのが怖くて、いつのまにか時間が・・・(苦藁

372 :ななしじゃにー:03/07/14 11:45 ID:QHdclmQ2
さみしい脳

373 :なまえをいれてください:03/07/14 18:20 ID:d+g1XQDB
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。
貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。
黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。
(黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。
また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。
「○ドルでどうだ?」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。)
彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。

374 :ななしじゃにー:03/07/14 18:44 ID:2/fS4IS2
連載さん乙です!
凸はこれからどうなるんだろう・・・
続きをマターリお待ちしております。

375 :なまえをいれてください:03/07/14 20:13 ID:nyDtjExZ
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。
貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。
黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。
(黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。
また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。
「○ドルでどうだ?」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。)
彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。

376 :山崎 渉:03/07/15 08:50 ID:AiZvlfwl

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄

377 :ななしじゃにー:03/07/18 11:46 ID:0dw5igiv
連載さん乙です。
東山が何を企んでいるのか分らないから更にコワイ〜
どつよはどうなってくんでせう?
それにしても凸がブラックで。

378 :ななしじゃにー:03/07/18 13:15 ID:AAZ3oCr9
連載さん乙です。体調は良くなりましたか?
凸と平安、どちらも自分を貫くため‥とはいえ、悲しい結末でしたね。
凸はこれから、どうなって行くのか‥。

379 :ななしじゃにー:03/07/19 01:50 ID:5Vy0Pgi/
連載さん乙です。
とうとう目の前で人を殺してしまった凸
続きも楽しみにしております。

380 :平謝り連載 ◆DVBV.H/mhs :03/07/20 00:28 ID:FfUdRyEa
仮にも連載という名を付けておきながら、1週間のご無沙汰。
本当に失礼いたしました・・・!なんかもう体調がおかしぃ(;´Д⊂)
今日も、書きながらチョコチョコと落としていきます。
更新が止まったら、ああ力つきたな、と藁ってやってください(w

381 :117  ◆DVBV.H/mhs :03/07/20 01:44 ID:FfUdRyEa

「なんやねん・・・これ・・・」
放送を耳にして、多少は覚悟していた。
だが、目の前に広がっていたのは想像を絶する光景だった。
奥歯を噛み締めた光一の表情が厳しくなる。
赤黒い血液の中に身体を沈め絶命している相葉と屋良は、
かつての面影を全く感じさせない。
顔の面積のほとんどが血をかぶり、表情すら伺えなかった。
「どないしてん・・・お前ら、大野待ってたんちゃうん?」
嵐のメンバーは灯台に集まっていると言っていた大野。
大野は果たしてここに辿りついたのだろうか。
そして、二宮と松本は一体何処に・・・。
2人の側にしゃがみこみ、その身体に触れた。
だが、何かがおかしい・・・。
そう。2人の身体にはどこにも外傷がないのだ。
「じゃあなんで・・・」
光一はその体勢のまま部屋を見回した。
争ったような後もなければ、相打ちしたという様子でもない。
この部屋に、凶器は一つもない。
それなのに壁や、開いたままの窓には血が飛び散っていて・・・。
「・・・っ!」
どこかで見た光景が脳裏に蘇り、一気に血の気が引いていった。
――首輪?!
慌てて相葉の身体を傾けた。
予想通りだった・・・。
ぐっとこみ上げるものをおさえ、もとのように身体を戻す。
と、光一の背後で、ギィィ・・・という扉が開く不気味な音がした。
身構えた光一の目に飛び込んで来た光。
眩しさに目がくらみ、侵入者が誰なのか影になってよく見えない。

382 :118  ◆DVBV.H/mhs :03/07/20 01:49 ID:FfUdRyEa
「誰や・・・!」
「光一?!」
光一の声に即反応し、叫ぶように名前を呼んだその人物は長瀬だった。
「ながせ」
突然のことに光一の声は薄くかすれていた。
「光一!無事だったんだな!!」
嬉しそうに叫ぶ長瀬の後ろで、松岡が手を顔にかざして笑みを浮かべる。
だがその2人の笑顔も、光一の後方に目をやった途端、一瞬にして消えた。
「え・・・」
固まったまま言葉の出ない長瀬を押しのけるようにして、松岡が歩み寄る。
「おい・・・今度はなんだってんだよ・・・」
「俺が来た時にはもう・・・」
「ふざけんなって・・・」
長身の松岡の大きな肩が震えている。
それを隣で見上げながら、光一はやりきれない思いを噛み締めていた。
やがてすっと目を伏せると、静かに長瀬に視線を映す。
「長瀬・・・お前達は無事やったんか?」
「あ、うん。まぁ・・・」
悲しいのか嬉しいのか分からないように笑う長瀬を見て、光一も苦笑した。
「良かった。ほんまに・・・良かった」
「光一・・・」
「坂本くんにも会うて。また落ち合おうって、約束したんやけど・・・」
「これ・・・もしかして」
2人の身体を撫でてやるようにして手を触れていた松岡が声を漏らす。
振り返った松岡と目が合い、その意を察した光一が黙ったまま頷いた。
「ここって禁止区域だったか?」
緊張した面持ちで小さく問う松岡に、長瀬が慌てて地図を取り出した。
「違う・・・違うよ、灯台はまだ一度も禁止区域になってない」
訳が分からないといった表情で思案にくれる松岡と光一。
未だ状況が飲み込めないでいる長瀬も、2人の側に近付いた。

383 :119  ◆DVBV.H/mhs :03/07/20 01:55 ID:FfUdRyEa
長瀬の手がそっと相葉と屋良の髪に触れる。
「痛かったよな、きっと。死にたくなかったよな」
呟くように言葉をかけた。
怒りと泣き出したい気持ちと、どちらとも強すぎて、どうしていいのか分からない。
「いや、きっと一瞬だから、痛くはなかったんじゃねぇかな・・・」
そんなことが慰めになるわけでも何でもない。
それでも、2人のために、自分のためになんとかして救いを見い出したかった。
「でも、すごく怖かったはずだよ・・・」
「長瀬」
光一が長瀬の肩にポンと手を置く。
「ごめん・・・俺、何もしてやれなくて・・・」
自分の方に投げ出された相葉の手に、自分の手を重ねようとした時だった。
「携帯?」
訝しげな表情を浮かべ、その手に握られているものを凝視する。
長瀬の言葉に、松岡と光一も膝を折ってそれを見下ろした。
「なんで携帯なんて握ってんねやろ・・・」
「ここ、まさか電波なんてあるわけねぇしな」
「・・・あ!なんだっけ、こういうの。なんか、殺された人がよく・・・なんか」
「ダイイングメッセージ?」
光一が問うと、長瀬が大きく頷いた。
「俺達に、何か伝えたかったのかな」
2人の会話を聞き、松岡がその携帯を相葉の手から引き抜く。
長い時間血液につかっていたであろうそれは電源が切れていた。
ふき取ってボタンを押してみるが、案の定全く反応しなかった。
「首輪の爆発で死んだ。でもここは禁止区域じゃなかった」
確認するように話す松岡の言葉に、2人も耳を傾ける。
「てことは、誰かが首輪を作動させるしか」
それが可能な人物はたった一人しかいない・・・。 
3人の視線がかち合った。
「東山さんが・・・」
ますます分からないといった様子で光一が呟く。

384 :120 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/07/20 02:04 ID:FfUdRyEa
「ついに本格的にキレちまった、とか?」
「なんか理由があるとすれば・・・相葉たちが何かをしようとしてた、とか」
「携帯で、か?圏外で何が出来んだよ・・・」
「え、ちょっと待って。理由っていうか、東山さんはずっと校舎にいるのに
 何でここでしようとしてる事が分かったんだろ」
何気ない長瀬の疑問に、2人の顔色が変化する。
――・・・なんで?
――何でだ?!
3人は弾かれたように同時に立ち上がり、部屋を見回した。
隠しカメラのようなものも、盗聴器が設置されている様子もない・・・。
第一、この広い島全体にくまなくカメラや盗聴器を設置するなど無茶な話だ。
だとすれば・・・。
「・・・もしかして」
松岡が2人に手で合図をすると、トントンと喉元を叩いてみせる。
「(くびわ?)」
長瀬が口の動きで問うと、松岡が頷く。
光一が悔しそうな表情を浮かべた。
だとすれば、自分達が仲間を集めて行動を起こそうとしていることも、
東山の耳には最初から筒抜けだったということだ。
だが、それ自体はそんなに痛手ではない。
問題はどのように行動を起こすのか、ということ。
――まだ、何も決まってへんしな・・・。
何かが出来る気でいた自分に苦笑した。だが、つよしが捕らわれている以上、
自分が何とかしなくてはならない。やるしかない。

目の前に横たわる後輩たちを前に、なかなかその場から離れられないでいた3人。
と、開かれた窓から誰かが大声で言い争う声が聞こえてきた。

385 :ななしじゃにー:03/07/20 02:23 ID:2gCMu0zD
連載さん乙です
力つきるなんてそんな!!お体は大切に、でも、続きを毎回楽しみにしてます。

386 :訂正連載 ◆DVBV.H/mhs :03/07/20 02:33 ID:FfUdRyEa
あわわ、紛らわしい書き方ですみません。
今日の更新分が止まったら、ということですのでご安心を!
では、回線切って氏んで(寝て)きます。

387 :ななしじゃにー:03/07/20 09:11 ID:8/B8eyOn
更新キタキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!

388 :ななしじゃにー:03/07/20 21:35 ID:+pe4e0zj
連載さん更新乙でした!
先がトテーモ気になる所ですが無理しないで体直してください。

しかしひらの携帯の謎がまったく判らん…


389 :ななしじゃにー:03/07/21 14:28 ID:bGw9IvAi
連載さん更新おつ!
携帯か・・・新たなる謎ですな。

連載さんに影響されて自分もJBR書きはじめますた。
連載さんのようなモノはとても書けないので
誰に見せることなくひっそりと自分で楽しみます(w

390 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/07/22 23:45 ID:7E9DHd9Q
ちょっと慎重に進めたいので(というか長いので)今日は半分。
明日続きを更新します。それでこのシーンは終わりです。
389さん、こういったものを落とすのはかなり勢いだと思いますよ。
あんまり深く考えると怖くて落とせなくなるので(苦藁 イッチャエ!!

391 :121  ◆DVBV.H/mhs :03/07/22 23:47 ID:7E9DHd9Q
「お前・・・マジでふざけんな!!」
聖の怒号が響き渡る。
もう、我慢の限界だった。
それは全てコイツの――田口淳之介の行動一つ一つからくる憤り。
「うるさいなぁ〜」
「うるさいって・・・。お前なっ・・・!」
面倒くさそうな田口の台詞に絶句し、荷物を勢いよく投げつけた。
「いてぇっ。痛いよも〜ぅ」
「さっきも俺がいるのに撃っただろ?!どういうつもりだよ!!」
「どういうつもりって・・・」
「お前さ、俺のことも殺したいわけ?」
「え?」
「え、じゃねーよ!」
聖が足を蹴り下ろし、下の砂をえぐった。

光一が窓から下を覗くと、田口と聖がまさに対峙しているところだった。
言い争っていた声の持ち主はどうやらその2人。
「なんだなんだ、仲間割れか?」
どうやら聖側からの一方的な喧嘩のようだったが、双方に殺意は感じられない。
3人は、仲裁に入るべきかと様子を伺っていた。

「一緒に行動するって決めたんだから仲間だろ?!
 俺のこと撃ってどーすんだよ!他の奴ら・・・みんな死んじゃったんだぞ・・・」
中丸も、上田も、赤西も、亀梨も、死んでしまった。
グループで残ったのは自分達2人だけだ。
他に残っているメンツだって信用できない。仲間と呼べるような人間はいない。
「俺達、もう2人だけになったんだよ・・・」
「・・るさいな」
「なんだよ?」
「あ〜うるさいうるさい。はい、うるさいでーす」

ぱらららららっ

392 :122  ◆DVBV.H/mhs :03/07/22 23:51 ID:7E9DHd9Q
「ッ・・・ぎゃぁぁああああ!!!!」
空気が一変したのは、田口が何かを呟いた直後だった。
聖の身体が衝撃を受けて吹っ飛ぶ。
田口の構えたマシンガンからは煙が立ち昇っていた。
「あ、あいつ・・・っ?!」
松岡が火がついたように走り出し、光一も長瀬もその後を追った。
勢い良く扉を開け、飛ぶように階段を駆け下りる。
カンカンカン・・・というやかましい音に、田口がのんびりと顔を上げた。
階段を降りた光一と長瀬が聖のもとへと駆け寄る。
田口と目が合った松岡はそこへ留まった。
「聖!しっかりし!」
「ぁ・・・うあぁっ・・ぁぁあ・・・・」
呻く聖の口の端から血が滴る。
だが・・・身体はそれどころではない。
胸や手足に開いた穴からは血が吹き出している。
まるで泳ぐように必死でもがき、暴れる。
「身体押さえろ長瀬!」
「ぁぁ・・がぁっ・・」
「暴れるな・・・暴れんなって!」
もがくたびに波打つように血があふれ出した。
血走った目で、狂ったように悶える聖・・・。
「お前・・・なんでこんなことすんだよ!!!」
たまらずに長瀬が叫ぶ。喉が鳴った。
「仲間なんだろ?!なんでだよ!!」
泣き叫ぶように訴える言葉にも、田中の表情は変わらない。
時折、指でマシンガンを弄ぶ様子を見せるだけ。
「長瀬・・・やめとき・・・」
――あいつ、変や・・・。
尋常ではない。だが、“異常”ともまた違った恐怖を感じていた。
狂っているというよりも、何か、決定的な何かが欠けているような・・・。

393 :123 つづく・・・ ◆DVBV.H/mhs :03/07/22 23:57 ID:7E9DHd9Q
「聖っ?!」
様子が急変し、その身体がガクガクと小刻みに痙攣し始める。
2人に支えられながら、やがて、聖の身体が全ての動きを止めた。
苦しみを越え、静かになった聖が長瀬の腕にもたれかかるように横たわっている。
その顔を無言のまま手で包む光一。その横顔に影が落ちていた。
「・・・なんスか、これ・・・」
聖の頬に、長瀬の瞳から一粒の涙が零れ落ちる。
「なんなんスか!これ!!」
なだめる光一にも耳を貸さない。
「だってこれ東山さんに聞こえてんだろ?!やめろよ!もうやめろよっ!!!」
長瀬の絶叫が、ざざーっと波が岩を打ちつける音に重なった。
だが・・・当然のことながら返事はない。
その沈黙の重さに、長瀬が肩を落とし悔しさを噛み締めた。
「ふわぁ〜ぁ・・・」
その静けさを破ったのは田口のあくび。
松岡の眉がぴくりと震える。
「・・・おい、お前」
「はい?」
とぼけた様子で、自分に指さして首を傾げる田口。
「どういうつもりだよ・・・」
低く問う松岡に、考え込むような素振りを見せる。
少しして、あぁ、と呟くとニコリと笑顔を浮かべた。
「こういうつもりですよ」
ガチャッ
「松岡くん!!!」
光一の声に長瀬もはっと顔を上げる。
マシンガンが、松岡へと向けられていた。

394 :ななしじゃにー:03/07/23 00:38 ID:6+Yw4lb4
連載さん更新乙です!
田口こぇー。しかし素でやりそうなんだよな…。
紫は撃たれてしまうのだろうか…。明日の更新楽しみにしとります!

ところでこのスレもうすぐ落ちそうなんですが一旦ageた方がいいか脳?
でも最近夏厨がわらわら繁殖してるからどうしたものか…。

395 :落ちる心配はない訳だが:03/07/23 02:14 ID:HYqnQ7Oe
探しづらいので夜中にヒッソリあげてみるとか・・・

396 :ななしじゃにー:03/07/23 09:37 ID:QsokZTZj
更新おつです。
ハラハラドキドキさせて頂きますた。
続き楽しみにしてます。

実は自分>369です。
本業が弱小劇団のホンカキなので
が〜っと書くのにはなれてて、JBR完成させてしまいますた。

397 :ななしじゃにー:03/07/23 09:51 ID:HInH/FqL
>396さん、
是非読みたいのでどこかにウプおながいしまつ。

398 :ななしじゃにー:03/07/23 12:24 ID:tSsAygwV
>396さん
自分も読んでみたいです。

399 :ななしじゃにー:03/07/23 12:43 ID:C1WKCb6q
396です。
あくまで自己満作品だったので
呼び方・キャラなどぐちゃぐちゃですが
それでもよろしいですか?


400 :ななしじゃにー:03/07/23 13:01 ID:m3NYwOJE
全然OKです。
おながいします。
本業さんが書いた、JBR、ぜひぜひ読んでみたい!

連載さん、乙です。
体調に気を付けて、書いて下され。


401 :ななしじゃにー:03/07/23 13:02 ID:wB5qEf4A
連載さん乙!!明日も楽しみにしております(´∀`*)

>396=399サソ
公開するならキャラ違いはわかるだけでも手直しして欲スィ、
呼び方違いは途中公開してくうちに指摘されるとオモ。
もしくは自信がない部分は最初に聞けば答えれる住人がいるとオモ。
勿論見てみたいし、がんがってほしいんだが。

402 :ななしじゃにー:03/07/23 13:14 ID:+6IKJCX2
399です。
キャラ違い直しながら、下記のスレでちょっとづつちょっとづつやろうと思います。
連載さんのスレなのに、長居してしまい本当にすみませんですた。

ttp://tv2.2ch.net/test/read.cgi/jan/1027095162/l50

403 :■辞めジュも現ジュも雑談サイト■:03/07/23 22:59 ID:BMKq6iNP
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404 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/07/24 00:41 ID:4SKQ9vAo
なんと!ホンカキさんだったとは・・・プロじゃないですかΣ (゜Д゜;) 
そんな事言ったらキャラも何も、ド素人連載の方が遥かにメチャクチャ。
恥ずかしい・・・。お気になさらずガンガン進めちゃって下さい。

そして気付けば>>392の下から6行目。
田口のはずが田中になってました。脳内修正お願いします。

405 :ななしじゃにー:03/07/24 00:45 ID:T7RAFBSp
いやいやめちゃくちゃなんてそんなご謙遜を。
連載さんのファンで毎回更新が楽しみでつ。
あまり無理せずがんがってくださいね。

406 :124  ◆DVBV.H/mhs :03/07/24 00:49 ID:4SKQ9vAo
松岡はひるむことなく田口を見据える。
「そうやって全員殺すつもりか?」
「はい」
「・・・ふざけんな」
吐き捨てるようにそう言うと、ザッザッと砂を踏みしめて田口に歩み寄る。
長瀬が呼び止めようとしたが遅かった。
松岡の左手が襟首を掴み上げる。
「これ以上殺すんじゃねぇぞ」
その剣幕に物怖じすることなく、苦笑いをこぼす田口。
「え〜説教ですか?いやだなもう」
松岡の拳に力がこもる。それと同時に長瀬が立ち上がった。
「トキオって、ときドキオせっかい〜」
気の抜けただじゃれに自分で笑いながら、銃口を松岡の腹に当てる。
「離して下さいよ。っていうか、無理矢理離れてもらいますね」
「やってみろよ」
挑戦的な口調に、田口が不適な笑みをこぼした。
掴んだ襟元を更に強く締め上げるも、表情は動かない。
腹に当てられたそれがカチャリと音を立て、松岡の喉が鳴った。
「危ない!!!」
ぱららららら
長瀬が松岡を突き飛ばしたのと同時に、田口の放った弾が砂を削る。
その直後、光一が田口を後ろから押さえ込んだ。
「田口っ・・・もうやめろ!」
「あー、後ろから抱きしめちゃいや〜」
可笑しそうに光一に抱えられた肩をぐいぐいと揺らす田口。
長瀬と重なるように倒れこんだ松岡が、再び立ち上がろうと鋭い視線を向けた。
だが、それを制するように長瀬が先に飛び起き、田口のマシンガンを掴む。
「ながせ・・・?」
前後から2人に押さえつけられた田口は、呆れたようにため息をこぼした。
「先輩たち、どういうつもりですか?」

407 :125  ◆DVBV.H/mhs :03/07/24 00:55 ID:4SKQ9vAo
「・・・なにがや」
「仕事なんですよ、これは。ジャニーさんが決めたことなんですよね?
 それならいつもと同じじゃないですか。突然なんですよ、なんだって。
 それが今回はたまたま殺し合いだった、ってだけで」
「何言ってんねんな・・・」
「ユー達、今度はみんなで殺し合いだよ」
社長の口調を真似しては、「言いそう!」と満足そうに笑って頷く。
「あんなにいつも仕事熱心な光一くんなのに。
 僕の方がよっぽど頑張ってますよ。なんか、すごいかも俺〜」
あははと嬉しそうに言う田口。
怒りというよりも、体中の気力が吸い取られていくような無力感に襲われた。
こんな奴がいた・・・。
人を殺すことを何とも思わない人間が、この島に確実にいた。
最初からこいつはこんな奴だったろうか。
こんな狂気を隠し持って生きている人間が大勢いるのだろうか・・・。
かつての仲間たちも、後輩も、こうやって変わっていくのか。


408 :126  ◆DVBV.H/mhs :03/07/24 00:57 ID:4SKQ9vAo
険しい表情で押し黙った光一に痺れを切らし、
長瀬は握り締めたマシンガンの先を再びぐいっとねじり上げ田口を睨み付けた。
「これ離せよ・・・離せ」
「あ〜ほら、またそういう事言う・・・」
「長瀬」
光一が俯いて低く呟く。
「もう・・・アカン、説得しても無駄や」
「光一?!」
「松岡くん、俺らが押さえてるうちに俺の荷物から武器、取って下さい」
「おっ、やる気になりましたね。さすが光一くん」
「・・・早まんな光一、選択肢はまだ一つあるぜ」
「え?」
「長瀬、どけ」
長身の長瀬の背後から突然現れた松岡の拳は、逃れる術なく腹に直撃した。
後ろで押さえていた光一の足元が、その衝撃に砂をえぐってわずかに後退する。
「ぐは・・ぁっ・・・」
呻き声を上げた田口の膝が地に付き、そのままゆっくりと前へ倒れていった。

409 :127  ◆DVBV.H/mhs :03/07/24 01:00 ID:4SKQ9vAo
「選択肢その2。殴ってとりあえず・・・逃げる、と」
「松岡くん・・・」
「こんな奴のためにお前の手汚す必要ねぇだろ」
「すいません」
「あぁ」
軽く頭を下げ、顔を上げた光一が表情を伺うようにいたずらっぽく笑った。
「なんだよ?」
「実はね、かまかけたんです。松岡くんならやってくれるかなぁ思て」
何が?という風に首を傾げる松岡に、光一は荷物の中を開いて見せた。
それを覗き込んだ松岡の訝しげな表情が、驚愕に変わる。
「武器なんて入ってないじゃん!」
おいおい・・・と座り込むその背中を叩き、無邪気な笑みをこぼす光一。
ため息まじりに立ち上がった松岡に、長瀬が真顔で向き合った。
「さっきみたいな無茶・・・もうやめてね」
「長瀬」
「やってみろよとかって、本当に撃たれたらどーすんの・・・?」
悲しそうな、けれど本気で怒っている様子だった。
その視線を受け止め、松岡は口の端を緩める。
「分かった。悪かったな」
長瀬の頭にぽんと手を置くと、倒れたままの田口に近づいた。
その腕に抱えられているマシンガン。
これをこいつから奪わないことには、悲劇は繰り返される。
「これもらってくぞ・・・」
その黒い物体に手をかけ、ぐっと引いた瞬間。
「さわんなよ」
低く響いた声。
「・・・っ?!」
――やべぇ。
「走れ!」

410 :128 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/07/24 01:04 ID:4SKQ9vAo
ふらふらと立ち上がった田口の目が、鈍く光った。
「・・・るあぁぁぁぁーーーーー!!!」
ぱららっ ぱららららららっ
走り出した3人に向けて、マシンガンを乱射する。
「逃げてんじゃねぇよ!!おらぁ!!!」
ぱらららららっ
「あいつ・・・なんだよあの変わりようは・・・!!」
走りながら青い顔で長瀬が叫ぶ。
「変なとこ殴ったか・・・?俺」
「よそ見してると身体吹っ飛ぶぞ?!」
こちらを振り返った松岡に罵声を飛ばす田口。
ぱららっぱらららららら
狂ったように撃ちまくるが、命中しない。
追いかけたくても、未だ目がくらんでまっすぐ走れそうにない。
あっという間に森の方へと消えた背中に舌打ちした。
「ちきしょう・・・ふざけてんじぇねぇよ・・・」
殴られた腹がまだ痛む・・・。
痛いのが骨なんだか筋肉なんだかも分からない。
「あの野郎・・・覚えてろよ・・・」

年寄りのくせに、やだねー未練たらたらで。
俺みたいなピチピチが生き残るべきでしょ、やっぱ。
せっかく逃げたとこ悪いけど、どっちみち、死んでもらうから。

田口はふっと笑みをこぼすと、聖に振り返ることもなく歩き出した。

【田中聖 死亡  残り16人】


411 :ななしじゃにー:03/07/24 01:25 ID:t3fYUQ9b
連載さん乙です!田口恐ぇ(((((;゚Д゚)))))ガクブル
3人が無事でヨカタ。

412 :ななしじゃにー:03/07/24 02:05 ID:b54tnJ2J
連載さん乙華麗です。田中聖よ安らかに眠れ…。
紫と末っ子の絆が(・∀・)イイ!!ですね。

413 :ななしじゃにー:03/07/24 12:09 ID:hCAP6I/l
ブチギレ俺愛に (((;゚д゚)))ガクガク
緊迫している空気のなか
平然とダジャレを言ってのける俺愛に、さらに (((;゚Д゚)))ガタガタ

414 :ななしじゃにー:03/07/24 13:13 ID:oQHm2qeE
連載さん乙!乙!

漏れん中の田口に対するイメージの最終進化形が連載さんの書く田口だったりする w
これから先どうなる?!楽しみにしてます

415 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/07/29 23:16 ID:+vtVswzk
またしても間隔が空いてしまい、申し訳ありませんでした(;´Д⊂)
本日は更新いたします!いたします!(念

実は、俺愛(田口)のキャラは全くと言っていい程知らないのですが
M捨てでやたらと恐ろしい顔で映っていたのに((;゜Д゜)ガクブルし、
いつの間にかこんなイメージが付いてしまいました。コワカッタンダヨー ママン

416 :129  ◆DVBV.H/mhs :03/07/29 23:52 ID:+vtVswzk
  
少し前まで晴れ渡っていた空を、厚い雲が覆い始めていた。
「なんか、ヤな天気になってきたね・・・」
二宮が呟き、米花が空を仰ぐ。
「雨のニオイしてきたな」
2人は田口と聖から逃げ切った後、休みつつ慎重に歩みを進めていた。
だが、残りの人数も少なくなってきたせいか、誰にめぐり合うこともない。
そうやって草をかきわけながら歩いていた時だった。
「ニノ・・・なんかいる・・・!」
その声にびくりと身体を震わせた二宮。
背中ごしにその先を覗き見ると、目の前に2つの身体が横たわっていた。
――――絶句。
頭を撃ち抜かれている赤西。
背中を真っ赤に染めている亀梨。
「・・・ちくしょう」
米花が吐き出すように声を漏らす。
二宮は、ただ呆然とその光景を眺めていた。
人はこんな風に死ぬのだろうか・・・。
初めて直面した現実に、突如として押し寄せる様々な思い。
頭をよぎる、名前。
「どうした?」
青ざめた顔で後ずさりする二宮に、米花が不安そうな瞳を向けた。
「嘘だろ・・・みんなこんな風に死んだんじゃないよね・・・?」
泣き出しそうなその顔を見やると、すっと視線を外し、歩き出す。
横たわる2人をきちんと並べて寝かせてやった。
「ニノ」
振り返ると、立ち尽くす二宮がこちらを見つめている。
「ニノはこうなるなよ」
視線を合わせ、やがて頷いた二宮を認めると、
2人の側に落ちていた荷物の中をごそごそとあさった。

417 :130 どうするんだ連載 ◆DVBV.H/mhs :03/07/29 23:56 ID:+vtVswzk
「なんだ?これ」
米花が荷物から取り出したのは、ゲーム機のような小さな機械だった。
電源と思われるスイッチを押すと、ピッという音を立てて、光が点滅する。
「赤が2つ・・・」
「どうしたの?」
二宮はしゃがみこんでいる米花に近づくと、その手の中を覗き込んだ。
「なんか、ドラゴンレーダーみたいだね」
「なんだよそれ」
米花が笑う。
だが二宮は真剣そのもの。漫画の中で見たことのある機械に似ているのだ。
「・・・あぁ、探知機、ってことか・・・」
どこかで聞いたことのあるその名称から連想し、それに気付いた米花が呟いた。
「これあればみんなの事捜せんじゃん!」
米花の笑顔に頷いた二宮だが、すぐに表情が曇る。
「でも・・・敵かどうかって、分からないよね」
言ってしまってから、敵などという言葉を使った自分が腹立たしくなった。
押し黙る二人。
と・・・・。
ピッ ピッ
「鳴ってる・・・」
米花が反射的に立ち上がる。
二宮はその肩に手をかけ、2人は身を寄せ合うようにして周囲を伺った。
画面の中に新たに現れた光の点滅。
だが、それは一度止まったきり、近づいてくる気配がない。
「あっちの方だよな」
2人は、その米花が指し示した方向へと歩き出した。
ピッ ピッ ピッ
次第に、自分達を示す2つの点が、その1つの光の点滅に近づいていく。
「・・・っ、いた」
二宮が、先を歩く米花の腕をぐいっと引き、ぴたりと立ち止まった。
「あれって・・・」
「ゴウくん?」

418 :131 だんだん思いも寄らぬ方へ・・・ ◆DVBV.H/mhs :03/07/29 23:57 ID:+vtVswzk
「えっ?」
呼んでしまってからはっと気付いた。
米花が、変な顔で自分を見ている。
――ゴウくんってもう名前呼ばれちゃったんだ・・・。
死んだはずの森田。
だが、そのシャツには見覚えがあった。
教室で、近くに座っていた森田が着ていたものに似ている。
自分の見間違いだろうか・・・。
と、その背中がゆっくりと動き、横を向いた。
「・・・健くんだよ」
目をこらし、米花が言う。
「あれ、健くんだ」
ふらふらと、振り返るように身体を向けたのは、確かに三宅だった。
だが、こちらに気付いている様子もない。
――敵。
自分の発した言葉が、まるで呪いのように頭の中を行き来する。
今すぐにでも三宅に駆け寄りたい自分を、何かが引き止める・・・。
だが、再びその姿を捉えた二宮の目に映ったは、
三宅のシャツを染めるおびただしい量の血液だった。
「健くん!!」
考えるより先に身体が動く。
何よりも今は、三宅を案じる気持ちが勝った。
2人は三宅の元へと走った。
「健く・・」
二宮が俯く三宅の背中に触れ、覗き込むように声をかける。が、
その手から生えるように長く伸びている鋭い刃に、思わず身構えた。
そんな自分を偽るように、今度は回り込んで三宅の正面に立った。
反応を示さない三宅の両肩に手を置いて軽く揺さぶる。
「健くん!大丈夫?!」
「・・んじゃえ」
三宅の口が、薄く開いた。
「みんな死んじゃえ」

419 :132 収拾つくのか?! ◆DVBV.H/mhs :03/07/29 23:59 ID:+vtVswzk
「ニノ!!」
ドンッ
激しい勢いで突き飛ばされた二宮が次に目を開けた時には、
米花と三宅が、1本の刃で繋がったように見えていた。
「ぐ・・あぁぁっ・・・」
「パナ!!!」
三宅が突き出した日本刀の先が、ぐさりと深く米花の身体に沈んでいく。
「や、めてよ・・・健くん!やめてよ!!!」
二宮が三宅に抱きつくようにしてその身体を引っ張った。
「何で?!ねえ健くん!!」
苦悶の表情を浮かべた米花が、自力でその刃から身体を引き離す。
二宮は、そのまま倒れこんだ米花に駆け寄った。
「パナ!パナ!!しっかりしてよ・・・」
視界がにじみ、米花の顔がぼやける。
「・・・ぅくっ」
嗚咽をこらえながら、自分たちを見下ろす三宅へと視線を向けた。
「なんでこんなこと」
激しい言葉をぶつけようとしたが、ふいに語尾が小さくなる。
――泣いてる・・・?
三宅の頬を伝う涙。
「健くん・・・?」
「・・・ゴウと生き残るんだ。だから、みんな死んじゃえ」
例えようのない怒り、憤り、空しさ、喪失感。
目の前の三宅が抱えているであろう感情が、
その一瞬で、二宮の胸に一気になだれ込んでくる。
それがとても苦しくて、声にならない・・・。
震える足を必死で支えにし、立ち上がった。
「健くん・・・ゴウくんはもう・・・」

420 :133 でもつづきます ◆DVBV.H/mhs :03/07/30 00:00 ID:swSuoS5l
ザシュウッ
「あ・・・」
目の前が紅く染まる。
三宅が振りかざした日本刀が、二宮の肌を切り裂いた。
そして、もう一度。
何度となく振り下ろされるそれに、少しずつ肉を削られていくようだった。
ついにその身体が、バタンと地に吸い寄せられる。
顔に浴びた無数の返り血を拭うこともなく、それを黙って見下ろす三宅。
やがて、自分を抱きしめるようにシャツをつかんだ。
「ゴウ・・・これでいいんだよね・・・?」
目を閉じ、懐かしい香りを吸い込む。
三宅の顔に笑顔がこぼれた。
「行こっか。ゴウ」

――健くん・・・。
何故だろう。
その背中を見送りながら、涙が溢れて止まらなかった。
何故だかとても、淋しくなった。
「う、うぅっ」
あちこちが熱くて、痛い・・・。
身体を引きずるようにして、横たわる米花へと近づき、揺さぶる。
だが、いくらその名を呼んでも固く閉じられたその瞳は開かず、動くことはなかった。
『ニノはこうなるなよ』
抑えきれずに嗚咽を漏らした二宮の耳に、米花の言葉がよみがえる。
泣いてばかりいられない・・・留まってはいられない・・・。
――・・・会わなくちゃ・・・。
衝動的に、そう思った。
会いたい人達に。どうしても会わなければ・・・。
激しい痛みに表情を歪めつつも、二宮は行く先を見据えた。

【米花剛史 死亡  残り15人】


421 :ななしじゃにー:03/07/30 01:03 ID:SiZAIu9k
連載さん更新乙です。
今回出てきた3人ともすごく切ないよー!・゜・(ノД`)・゜・ 
☆はこのまま仲間を殺めつづけてしまうのだろうか…

元カスン某担から言わせて頂くと田口はまさしくあんなキャラでつ。
あの笑顔の奥に黒い心が…w

422 :ななしじゃにー:03/07/30 02:23 ID:pOCJ4NLY
☆・・・(ノД`)
番長の死で心が壊れたのか・・・
やるせないのぅ

423 :ななしじゃにー:03/07/30 04:04 ID:2yxpEFql
☆ぃぃぃ….・゚・(ノД`)・゚・.
すごくせつないでつ。☆は元に戻れるのでしょうか?
連載さん、期待してまつ。

424 :ななしじゃにー:03/07/30 06:47 ID:aB4hY5+L
連載さん乙です!
☆はとうとう番長の死でいっちゃいましたか。
3人皆優しくて、可哀想です。

>423
どーでも良いが呼び方違いますぞ(コソッ


425 :ななしじゃにー:03/07/30 12:46 ID:pOCJ4NLY
☆ァァァ・・・ダゾと禿時間差&ウザスマソ

426 :ななしじゃにー:03/07/31 00:10 ID:yLiSXfgF
☆・゜・(つД`)・゜・
切なすぎて泣けまつ。

427 :ななしじゃにー:03/07/31 00:25 ID:do1zqZlD
☆・・・。どうなることやら

428 :ななしじゃにー:03/07/31 01:47 ID:x8hZmOm8
ここのスレに来てる人たち、なんか好きだ(゚∀゚)
連載さん、楽しみにしとります。がんがってくだされ!!

429 :ななしじゃにー:03/07/31 17:12 ID:uBhmIwtS
誰か☆を救ってやってくれ
と思ったが残りのメンツを思い浮かべたら
イっちゃてるのばかりが浮かんできて怖くなった。
この先読めないっすね、連載さん、楽しみにしてます!

430 :山崎 渉:03/08/02 00:36 ID:xsqkDcfF
(^^)

431 :ななしじゃにー:03/08/03 20:16 ID:CqP5m3/w
ドキムネだ
連載さん更新楽しみにしてまつ

432 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/08/04 00:16 ID:fd6OR6nI
お待たせいたしました。
いや、なにげに結構、物語の終盤に入ってきているんです。なにげに。
まだ15人も残ってはいるんですが、連載的には終盤に近い感じです。
日数はかかるかもしれないんですけど・・・(苦藁
これから先も重いシーンが続くため、時間がかかってしまい、すみません。
そして、自担のキャラ違う!という皆さんも、すみません。
物語の進行上、いい様に勝手にキャラ付けされてる人多数です。
それでも完結させねば・・・(゜д゜)  出来れば明日もがんがります。

433 :134  ◆DVBV.H/mhs :03/08/04 00:22 ID:fd6OR6nI
   
物事には、大抵はなんでも理由があって、意味がある。
長野が死んで、坂本が死んで、森田が死んだ。
そして、岡田が人を撃った。結果―――殺した。
それらにはどんな理由や意味があった?
誰が許した?
長野を、坂本を、森田を殺していいと。
岡田に、人を殺していいと。
誰がそれを、許した?
――俺は許してねーよ・・・そんなこと。
果たして自分は何がしたいのか、分からなくなっていた。
死んだ3人の仇を取りたいのか。
それとも、岡田を探し出して、説教してやりたいのか。
頼れる存在が消え。いまや守りたい存在も・・・。
見上げると、太陽はほとんど沈みかけていた。
うな垂れるようにして息を吐き、再び足を前へ運ぶ。
と、少し進んだところで、怯えた瞳と目が合った。

434 :135  ◆DVBV.H/mhs :03/08/04 00:26 ID:fd6OR6nI
「長谷川?」
「ひぃっ・・・」
明らかにこちらを警戒した様子の長谷川が、身体を震わせている。
木の棒をしっかりと胸の前で握り締め、こちらを睨み付けた。
「なんだよ・・・お前」
「くんなっ!!」
手を前に突き出しながら、そのまま後ろへと下がろうとする。
だが、その足が震えて時折よろける。
「何でだよ。何で逃げんだよ」
不審そうに近寄ると、長谷川はますますすごい目をした。
その異常な怯えぶりに、心配になるより先に腹が立った。
「何で逃げんだよ。俺に殺されるとでも思ってんのか?」
憮然とした態度で長谷川につめよる井ノ原。
何が違ってるというんだ。昨日までの自分と。
ちょっと見知らぬ土地に連れてこられたぐらいで。
本当に怒っている様子の井ノ原を見つめていた長谷川が、
やがてその表情を少し和らげた。
「・・・あんたはまだ、おかしくなってないの?」
「どういう意味だよ」
やがて、長谷川の目が泣き出しそうに歪んだ。
「坂本くんが・・・」
「え」
唐突に出てきたその名前に、今度は井ノ原が震える番だった。
何で、何で今その名前が出てくるんだ・・・。
「坂本くんが、なんだよ」
冷静に問い詰めるつもりだったが、それでも声が揺れる。
「太一くんに殺された・・・」
その時、空が鳴った。
低く、ゴロゴロという音が遠くから聞こえてくる。
小さな雨の粒を顔に感じていた。

435 :136 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/08/04 00:28 ID:fd6OR6nI
「なんで・・・お前がそんな事知ってんだよ」
ようやく絞り出した一言に、長谷川が何かを思い出したように俯いた。
「2人で出て行って、しばらくしたら銃声が聞こえて・・・
 外に出てみたら坂本くんが死んでた・・・」
口にするのも恐ろしいと言った表情で、唇を震わせる。
「きっと、健くんも太一くんに殺されたんだ・・・きっと・・・」
「ちょっと待てよ、なんで健まで」
「城島くんも、なんかおかしいんだ・・・」
「長谷川?」
その虚ろな瞳から、涙がこぼれ落ちていた。
井ノ原の問いも耳に入らない。独り言のように呟いている。
「山下くんも、みんなみんな・・・なんかもう、みんな分かんないんだよ・・・」
「長谷川!」
「みんなおかしいんだよ!!訳わかんねぇよ!!」
激しく顔を左右に振った長谷川から、涙が飛び散った。
「帰りたいんだよ!!!」
「おい、長谷川!!」
「くっ」
引きとめようとする手を振り切るようにして、長谷川が走り去っていく。
一人残された井ノ原は、ただ呆然とその場に立ち尽くしていた。
「太一くんが・・・?」
ぽつぽつと降り出した雨が、少しずつ土を湿らせていた。

  

436 :ななしじゃにー:03/08/04 03:48 ID:Ut3vBpaN
タイノッチが…
終盤と聞いてますますドキドキして読ましていただきました!乙です!

437 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/08/04 23:37 ID:fd6OR6nI
終盤と言うか・・・後半戦というか・・・
そんな事言っておいて、軽く200を越す可能性もあるんですが(w
今日も無事に更新できますように。

438 :137  ◆DVBV.H/mhs :03/08/04 23:54 ID:fd6OR6nI

走って走って、走り続けて、倒れて。
また立ち上がり、歩ける限り歩き続けた。
まるで、ガス欠の壊れた車のような自分。
血を流しすぎて、もう身体の中はからっぽになってるんじゃないだろうか。
そのうち、干乾びた蛙みたいになってしまうんじゃないだろうか。
そんなことを本気で思った。
少しずつ熱いものが流れ出て、少しずつ冷えていく身体。
やがて、前と後ろが分からなくなってきて。
何で走っていたのかすら、忘れてしまいそうだった。
血と一緒に、全てどこかに流れていってしまったみたいだった。
そして今度は上と下までが分からなくなった。
気付いた時は土の上にいて。
頬でその冷たさを感じていた。
知らぬ間に寝てしまったのだろうか。
もう随分と、時が経ってしまったような気がしていた。

『太一』
――・・・え?
『おい、太一!』
――なに。
『お前いつまでそんなとこで寝てる気だよ』
――寝てたんじゃないって。
『熟睡だったな、しかし』
笑い声が聞こえる。懐かしい声だ。とても。

439 :138  ◆DVBV.H/mhs :03/08/04 23:57 ID:fd6OR6nI
『早く起きろって』
――起きろったって・・・この傷見えない?
『あ〜あ・・・何やってんだよお前』
――・・・。
『そういうとこダメなんだよな・・・。しっかりしろ、ほら』
――ほんとにもう・・・ダメなのかも。
『なに弱気になってんだよ。大丈夫だって、大したことないから』
――よく言うよ〜・・・僕、超人じゃないんだよ・・・?
『・・・大丈夫か?』
安心する。
そして、胸が苦しい。
『誰にやられたんだ?』
――・・・言えない。
言えない。
――言えないよ・・・。
でも言いたい。言ってしまいたい。
たくさんの血を流したことで、身体の中の熱を吐き出したように。
『太一?』
苦しかった。とても。
苦しかったんだ。
今になって、やっと気付いた。
――やっぱり、僕・・・。
『分かった』
――・・・え?
『分かってるよ』
その声と一緒に、ふんわりと暖かい風が背中の上を通り過ぎていった。

440 :139  ◆DVBV.H/mhs :03/08/04 23:58 ID:fd6OR6nI

目を開けると、そこはやはり冷たい土の上だった。
頬がすっかり痺れてしまっている。
――夢?
もう身体の力はすっかりなくなってしまったと思っていたのに、
不思議と立ち上がることが出来た。
自分の足で立っている、という実感があった。
違和感や、気持ち悪さもなくなっていた。
相変わらず身体は冷たかったが、何故か背中だけが温かい。
「山口くん?」
立ち上がってすぐに、その姿を探した。
必ず近くにいるという確信があった。
夢だったけれど、確かにその声を聞いた。
その声に呼び戻されたのだから。
――何処・・・?
そして、山口はいた。
ちょうど太一が横たわっていた場所の正面にある大きな木。
それに寄りかかり、座り込んでいた。
太一が、言葉もなくそれに近づく。
その手から自然にするりと拳銃が抜け落ちた。
目の前まで行き、立ち止まる。
黙ってそれを見下ろした。
静かに、そのままの体勢で、山口は息絶えていた。


【山口達也 死亡  残り14人】



441 :140 つづきます・・・ ◆DVBV.H/mhs :03/08/04 23:59 ID:fd6OR6nI
「山口くん」
あまりにその様が自然で、静か過ぎて。
「山口くんってば」
冷え切った手で、山口の肩に触れた。
そこには確かに撃たれた痕があって。
「これぐらいで・・・山口くんらしくないじゃん・・・」
山口の身体もまた、すっかり冷え切っていた。
「僕ね、長野くんと坂本くん、殺しちゃったんだ・・・」
「それから、剛の事も・・・」
「長野くんに、お前は甘いんだって言われたよ」
次々に紡ぎだされる言葉たち。
「やっぱり僕・・・」
夢の中で、言いかけた言葉。
『分かってるよ』
その言葉がよみがえり、また背中が温かくなった。
「分かってくれてるの?」
どうしようもなく情けなくて、悲しくて、嬉しくて。
「僕、まだ戻れるのかな・・・」
それは、途方もなく遠く、険しい道のりに思えた。
自分に残された時間もまたわずかであることは、何となく分かっていた。
仮に未来があるとしても、過ぎてしまった時は、もう取り戻せない。
「ごめん」
『分かった』
「ごめん、ごめんね・・・」
それから太一は、子供のように泣いた。
大声で泣きじゃくった。

442 :ななしじゃにー:03/08/05 00:47 ID:sgeK654+
連載さん、更新乙です。
303です。ついに中堅の前にあの人が現れ、嬉しく思ってます。
副将、ゲームを止めることができなかったね…(ノД`)
でも穏やかな死が、副将らしくていいです。

443 :ななしじゃにー:03/08/05 01:08 ID:Y3Ovm7XY
命が消えても副将は副将らしくあるのだな
セツナイ・・・

444 :ななしじゃにー:03/08/07 02:10 ID:AIT2vBb6
うわ。ちょびっと感動。

445 :ななしじゃにー:03/08/07 03:13 ID:YrXzkVbG
ちょびっとどころじゃないyo・。 。゜(゜´Д`゜)゜。。

446 :ななしじゃにー:03/08/07 03:15 ID:MzglA9m2
>「長野くんに、お前は甘いんだって言われたよ」
>『分かってるよ』

そういえば、副将はよく中堅に
「詰めが甘いんだよ!」って言ってたなあ。
温かいシーンだ…。



447 :ななしじゃにー:03/08/10 02:10 ID:5RLNyw9c
連載さん乙です
ラストに近付いてるとのことで、ますます楽しみです

448 :お待たせしすぎ連載 ◆DVBV.H/mhs :03/08/12 01:17 ID:8XyqNM5E
お久しぶりです。またしても遅杉で、反省です・・・。
連続投稿や改行規制など色々話し合われているようですが
(すいません、自分はちっとも参加してないんです)
ここなんて、禿しく長文で連続の嵐なわけで・・・(苦藁
今までのペースで続けても大丈夫なのでしょうか。
自治に関して無頓着で本当に申し訳ないです。

449 :ななしじゃにー:03/08/12 21:49 ID:BJNvl70U
>連載さん
お待ちしてました(*´∀`*)
改行規制に関してはスルーされたようです。
連投規制は現在話し合い中ですが、
規制が厳しくなった折は全力で支援させていただきます!
続きを禿禿禿楽しみにしておりますので、
よろしくお願いします。

450 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/08/13 00:36 ID:WHYrZGY3
ありがとうございます!
では、しばらくは今までのペースでやらせていただきますね。
終盤だ終盤だ、と自分に言い聞かせて書いていたんですが
・・・終わらなーいヽ(`Д´)ノ 残りのメンバー達手強い・・・。
なのでもう少し、気長に連載と付き合ってやって下さい。

451 :141  ◆DVBV.H/mhs :03/08/13 00:49 ID:WHYrZGY3

バ――――ン

――え。
気付くと再び冷たい土の上にいた。
目の前に、山口の足があった。
「ぐっさんも、お前が殺したんか・・・太一」
――・・・え・・・?
「長野殺したんも、坂本殺したんも、お前やったんやろ」
――な、んで・・・。
「分かっとったよ、何で言わへんのや」
頭の上から響く、おっとりとした声。
もう、立ち上がる力などどこにも残っていなかった。
ゆっくりと顔を動かして、かすむ目をこらす。
見慣れたその手には、さっき自分が落とした拳銃が握られていて。
また少し視線を上に移すと、見慣れた顔があった。
――リーダー・・・。
「なんでや、太一」
太一を見下ろす城島の瞳には、深い哀しみと、冷たい光が共存している。
「ぐっさんがお前に何したん」
――ちが、う。
「仲間やないか・・・」
――ちがうんだよ・・・。
訴えかけるように口をぱくぱくと動かしても、
喉からはヒューヒューという空気が漏れるばかりだった。

452 :142  ◆DVBV.H/mhs :03/08/13 00:52 ID:WHYrZGY3
“山口を殺したのは自分じゃない。”
そう訴えようとしていた自分にはっとする。
それが何だというのだ。
既に自分は、幾つもの命を奪っているというのに。
山口は殺してない、と訴えたところで罪を拭えるわけではないのに。
城島の心が、慰められるわけでもないのに。
――そうだ、もう僕は、いっぱい騙したんだ・・・傷、つけたんだ・・・。

でも。
それでも。

たった一つの誤解。
そのたった一つが、あまりにも重くて、哀し過ぎて。
これは罰なのだ。きっと。
自分に科せられた、最も苦しい罰・・・。

「もう全部・・・終わりや。太一」
――うん、分かってる・・・。
でも、なんだろう。
苦しさは別のところで、重く圧し掛かっていたものが軽くなっていた。
奪う側だった自分が、今度は奪われる側に。
その安心感なのだろうか・・・。
未だ背中に残る温かさに、太一は瞳を閉じた。

453 :143 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/08/13 00:55 ID:WHYrZGY3

ごめんね、リーダー・・・。
信じて、なんて僕には言えないんだよね。
でも、あの時、リーダーを撃てなかった僕が、本当の僕だった。
あの時気付いてれば、こんな事させることもなかったのに。
リーダーに拳銃なんて、似合わないよ。
ごめんね。
でも・・・。

――ありがとう。

伝えたかったことはたくさんあったけれど、
その一言だけ、言えた気がしていた。
でも、それで十分だと思った。


【国分太一 死亡  残り13名】



454 :ななしじゃにー:03/08/13 01:00 ID:iNN45xOx
(ノД`) イイ!!
イイっすよ、連載さん!
オトナになると、登場人物たちの関係や感情が複雑なほど泣けます。
中堅を救ったのは、副将であり長老であったわけですな。
紫でさえついていけないと言う、この3人の「ツーカー」ぶりが何とも…。

455 :ななしじゃにー:03/08/13 02:59 ID:Q8jApQir
自担をことごとく中堅に消されて
ちと中堅に殺意を覚えたんだが(苦藁
長老の手で終わりを迎えたんだな・・・
中堅、安らかに眠ってくれ

456 :ななしじゃにー:03/08/13 16:17 ID:VyneGRCK
連載さん、乙です。
中堅も救われてよかった・・・

457 :山崎 渉:03/08/15 11:18 ID:6PPLtTYE
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン

458 :ななしじゃにー:03/08/18 02:26 ID:p1nozFuO
連載さんは今ガンガッテ執筆中でしょうか。
更新お待ちしております

459 :ななしじゃにー:03/08/20 23:19 ID:/sT687kS
連載さん、ご登場を心よりお待ちしておりまつ

460 :病み上がってない連載 ◆DVBV.H/mhs :03/08/21 00:50 ID:AoRUGiYV
お久しぶりの連載です。お待たせして本当に申し訳ありません!!
お盆の忙しさと、更に体調不良にて寝込んでおりました(;´Д⊂)
皆さんもどうぞお気をつけ下さい。
さて、薬で身体を騙しつつ更新できるようがんがります(苦藁

461 :144 ◆DVBV.H/mhs :03/08/21 01:01 ID:AoRUGiYV
  
『悪いけど、その話には乗れないよ』
ポツ ポツ ポツ
山下の髪から落ちる雨の雫の音でさえ響く程の静寂。
『待ってる人がいるから』
――なんだよ、それ。
『みんなを置いていけないし。俺だけ生き残っても仕方ないもん』
記憶の中の松本の言葉を思い返すと、今でも胸が気持ち悪い。
吐きそうな気持ち悪さとは違う。何か・・・どこかが疼くような。
ものすごく不快な気分にさせられた。

数時間前、松本に引きずられるようにして灯台の一室を出た。
鋭い視線。
櫻井や、相葉や屋良を馬鹿にするような発言をした自分を、
許さない、とでも言いたいのだろうか。
それを目の前にした自分の口から出たのは、意外な一言だった。
「ねぇ潤くん。一緒に行かない?」
「・・・は?」
予想していなかったであろうその言葉に、松本の瞳の色が驚きに変わる。
「俺、武器持ってるし。潤くんも手榴弾あったでしょ」
“一緒に行かない?”
それが、2人で生き残ろう、という意味なのはすぐに分かったはずだ。
松本の表情が、すぐに真顔に戻る。
「何で俺なの?」
長い沈黙の後、松本がそう尋ねた。
「別に・・・」
松本でなければならない理由なんて、きっとどこにもない。
――ただ。
その先を考えるのはやめることにした。
ひどく滑稽な答えが待っているだけだ。



462 :145 ◆DVBV.H/mhs :03/08/21 01:17 ID:AoRUGiYV
森の中を歩き続けていると、進む先に廃屋のようなものが見えてきた。
様子を伺いながら近づき、壊れた窓から部屋の中を覗き見る。
中にはベッドや机やソファーがいくつも無造作に並べられていた。
だが、生きた人間の気配は全くしない。
地図でそこが診療所であることを確認し、山下はゆっくりと足を踏み入れた。
パキン
木の枝か何かを踏んでしまったらしい。
室内に響き渡る渇いた音に、背中がゾクリとするような感覚を覚える。
やがて、歩を進める山下の前に、診療台が現れた。
薄暗さに少しずつ慣れてきた瞳が映したもの。
それは。
「斗真・・・」
静けさの中で響いた自分の声が震えていた事に驚く。
その死に顔を言葉もなく見下ろしていた。
「やま、した・・・」
「・・・っ?!」
自分としたことが、あまりにも無防備だった。
まったく予想していなかった、“誰か”の声。
慌てて銃を構えたが、周囲に誰が立っている様子もない。
突き出した手をそのままに、四方八方を見渡した。
「僕、だよ・・・」
その弱々しい声を辿るように視線を向けると、
ぼろぼろのソファーの上に青い顔で横たわる秋山の姿があった。
その額に乗せられているタオル、側にある洗面器。
それらは、他の誰かがここにいたことを知らせるものだった。
「なに、秋山くん、見捨てられちゃったの?」
「・・・え?」
「可哀相だね」
冷たく言い放つ山下の言葉に、秋山はくしゃりと顔を歪めて笑った。
「何笑ってんの」
「斗真さ・・・」
その名前に、山下の頬がぴくりと痙攣する。

463 :146 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/08/21 01:22 ID:AoRUGiYV
「守ってあげられなくて、ごめんね・・・」
「・・・何で俺に謝るの?」
「だって・・・」
ちらりと秋山に目をやると、山下は銃を下ろして横を向いた。
「側にいたいからってここに残ったんだけどね」
そう言いながら、起き上がろうと腕に力を入れる秋山。
だが、額の上のタオルが落ちただけで、その身体は再びソファーに沈んだ。
「なんかもう、力入らないや・・・」
あはは、と渇いた笑いをこぼす。
「ごめんね」
「謝らないでよ」
山下は腹立たしげにそう言い放つと、身体の向きは変えずに、
顔と銃だけを秋山の方へと向けた。
少しの沈黙。
「斗真の、仇?」
薄く開いた瞳で山下を見上げる秋山。
「別に秋山くんが殺したわけじゃないでしょ」
「そうだけど・・・同じことかもしれない」
「ふぅん。で、誰が殺したの?」
「え?」
名前を口にするのが何故かはばかられて、顎で診療台の方を指す。
「あぁ・・・岡田だよ」
「ふぅん」
興味なさそうに相づちを打つ山下を、秋山は静かに見つめていた。
「仇とか言ってたけど、別に、そんな理由であんたを殺すわけじゃないからさ」
今更・・・理由なんかいらない。
「もう、理由なしで人殺してるから」
「勘違いしないで」
――生き残りたいだけだから。

【秋山純 死亡  残り12名】
 

464 :ななしじゃにー:03/08/21 22:10 ID:qkHlDfst
キタキタ―――――!!
連載さん、大丈夫ですか?
早くよくなってくださいね!



465 :ななしじゃにー:03/08/22 00:45 ID:bLdwWuOf
連載さん、お待ちしとりました。
アキヤム、安らかに眠れyo…とうとう、キレキャラバカーリになってしまいそうだね。
生き残るのは誰なんだろう?気になる木だ。

466 :ななしじゃにー:03/08/27 01:58 ID:TydCFB7z
連載さん乙!

467 :ななしじゃにー:03/08/28 02:24 ID:oKsG5Zk6
連載さん、ご無理はなさらず・・・
回復を心よりお待ちいたしまつ

468 :ななしじゃにー:03/08/29 23:30 ID:x+9nmHyd
連載さん・・・待ってマツ

469 :職務怠慢・・・連載 ◆DVBV.H/mhs :03/08/31 00:28 ID:PCQu1Aml
今や体調のせいでもなんでもなく、単に行き詰っていた連載・・・
口ばかりで、もう、本当に・・・。中途半端が一番(・A・)イクナイ!!
気合い入れて書きます! (`・ω・´) シャキーン

470 :とりあえず整理@連載 ◆DVBV.H/mhs :03/08/31 03:18 ID:PCQu1Aml
============途中経過==============

社長の死。それによって、バトルロワイアルの首謀者となった東山。
滝沢と今井は、ゲームに参加することなく、最初の犠牲者に。
その死を知ったつよしが、事務所に駆けつける途中で何者かに襲われる。
連れてこられた場所は、仲間達の側ではなく、なぜか東山の隣だった。

ゲーム開始は0:00。参加者31名。
12:00の第二回目放送から、既に数時間が経過。
現在の生存者は、以下の12名。

==============================

471 :途中経過 ◆DVBV.H/mhs :03/08/31 03:21 ID:PCQu1Aml
【井ノ原快彦】
松岡と出会い、岡田に撃たれたという生田の死を看取る。
更に、岡田が山口をも撃ったという事実を知り、単独行動を選んだ。
その後に出会った長谷川の口から、坂本が太一に殺された、
三宅もあぶない、ということを聞かされる。

【岡田准一】
開始直後に生田を撃つ。森田の誘いに乗ることなく1人で戦うことを選んだ。
その後、長瀬と行動していた山口に遭遇し、再び発砲。結果、2人は死亡。
“人を殺した”という実感が持てないまま、今度は大野に出会う。
大野の言葉に違和感を感じつつも、拳銃を向け、初めて血を浴びる事に。

【田口淳之介】
校舎を出てすぐに出会った田中聖と共に行動を始める。
武器のマシンガンで町田を殺し、二宮・米花、聖にまで銃口を向けた。
その後、仲間の聖を惨殺。松岡・長瀬・光一と対峙するも、
3人には逃げられ、現在は単独で行動中。

【城島茂】
森の中で、長野を殺した直後の太一に遭遇。
共に行動を開始し、観光協会で坂本・三宅・長谷川と合流した。
三宅を探しに坂本・太一が観光協会の外へ。そこで銃声を耳にする。
長谷川が逃げ去ったことで再び1人になったが、その後、
事切れた山口の側にいた太一と再会。自らの手で制裁を与えた。

472 :途中経過 ◆DVBV.H/mhs :03/08/31 03:22 ID:PCQu1Aml
【堂本光一】
つよしの態度に疑問を感じ、このゲームを止めようと考える。
山口と、それぞれ仲間を集めるために歩き出した。
三宅・坂本、大野に出会うも、その3人は結局殺害されてしまう。
灯台にて、相葉・屋良の死、そして相葉の携帯を発見。
偶然現れた松岡・長瀬と共に田口の攻撃から逃れ、現在3人で行動中。

【長瀬智也】
森の中で山口と出会い、ゲームを止める計画を聞かされる。
だが山口が岡田に撃たれたため、山口を置いて一人で動くことに。
その後、診療所で松岡と合流。そこに秋山を残し、行動を開始した。
灯台で光一と合流。現在3人で行動中。

【二宮和也】
灯台に集まろう、という櫻井の言葉通り、松本・相葉と同じく灯台へ向かう。
だが、櫻井の死を放送で知った後、米花と2人で外へと歩き出した。
田口・聖の襲撃から逃れ、赤西・亀梨の死体を発見。レーダーを手に入れる。
だが、日本刀を持った三宅に遭遇し、米花を失い、自らも重傷を負った。

【長谷川純】
山下が櫻井を撃った瞬間を目撃。櫻井の死を看取る。
観光協会にいた三宅・坂本、後から来た城島・太一と合流。
だが、再び響いた銃声と城島の不審な態度に、逃げるようにその場を去った。
恐怖と混乱の中で井ノ原に遭遇したが、そのまま立ち去り、現在は単独行動中。

473 :途中経過 ◆DVBV.H/mhs :03/08/31 03:24 ID:PCQu1Aml
【松岡昌宏】
井ノ原と出会い、岡田に撃たれたという生田の死を看取る。
診療所にやってきた長瀬と合流し、2人で向かった灯台で、光一に会った。
相葉と屋良の不審な死に疑問を抱き、東山が会話を聞いていることに気付く。
田口との攻防の末、とりあえずそこを立ち去ることを選んだ。

【松本潤】
二宮と米花が出て行った後も、相葉・屋良と共に灯台に留まっていた。
そこに山下が現れ、外へ連れ出したところ、一緒に行こうと誘われる。
そうやって少し離れていた間に、相葉・屋良が首輪の爆発で死亡。
櫻井に続き、相次いで仲間を失った衝撃は大きく、現在の状況は不明。

【三宅健】
坂本と出会い、光一の言葉に従って観光協会へと向かった。
運良く森田に出会えたものの、ちょっとした誤解から喧嘩に。
だが、追ってきた太一に森田が撃たれ、目の前で死亡。その後、
森田のシャツと武器を身にまとい、米花を殺し、二宮にも重症を負わせた。

【山下智久】
自ら歩みよってきた櫻井を殺害し、ロープを手に入れる。
大野と光一の会話を聞き灯台へ向かったが、予想外の松本の態度、
そして相葉と屋良の死に、黙ってその場を立ち去った。
診療所で、既に息絶えた生田と対面。その後、そこにいた秋山を殺した。

474 :ななしじゃにー:03/09/01 01:46 ID:FUsRe/rJ
いいねぇ途中経過
益々続きが読みたくなりますた
連載さんマイペースでがんがれぃ

475 :147  ◆DVBV.H/mhs :03/09/01 02:07 ID:W1Ac5rGD
「・・・っ・・・はぁっ・・・」
世界が揺れ、突き出した左手に木の幹が触った。
どんどん霞んでゆく二宮の視界に、血のにじんだ自分の手が映る。
もはや、末端の痛みにすら気付かないほど冷え切った身体。
――あぁ。
ズッ、ズズズッ
左手が幹をすべるようにして、静かに身体が崩れ落ちていった。
まるで使い古しのぼろきれのような自分・・・。
ステージ上で歓声を浴びていたことが、夢か幻に思える。
あまりに突然すぎるこの変化を、正直、まだ理解できていない。
ただただ、涙が止まらない。
何で泣いているのか、何がこんなに悲しいのか自分でもよく分からなかった。
悲しいから泣いているのかすら、よく分からなかった。
悔しいから。
淋しいから。
こわいから?
――なんでだよ・・・。
三宅に切られた部分が、じくじくと自分の内側に痛みを与えていた。
泣きながら武器を振り回す姿が焼き付いて、未だに離れない。
心が泣いている、とはああいうのを言うのだろうと思った。
自分が削ぎ取られたのはきっと、肉ではなくてもっと別のものだ。
――・・・足りないんだ。
今の自分に明らかに足りないもの。
それを埋めたくて、心の底から欲していて。
でも、どうしようもなくて・・・。
「っ・・・ぐっ・・あぁ」
呻き声をあげながらも、再び身体を起こす。
幹についた手で支えながら、ふらつく足で地を踏みしめた。
と、立ち上がった二宮の目に、見覚えのある影が映る・・・。
吸い寄せられるように歩み寄った二宮の足が、ぴたりと止まった。

476 :148  ◆DVBV.H/mhs :03/09/01 02:09 ID:W1Ac5rGD


『松潤!松潤!!』
湿った風が、その声を遠くから運んでくる。
「何を・・・俺に伝えたかったの?」
あれから何度となく問いかけた。だが、当然のように答えは見つからない。
『滝沢くんと翼く・・・』
そこで一度、全てが止まる。
そして次に起こるフラッシュバックが、一番思い出したくない映像を甦らせる。
灯台を出てからずっと、その繰り返しだった。
傷ついたCDが、いつまでもいつまでも同じフレーズを繰り返し流すように。
濡れた髪から覗く無気力な瞳に、“今”も“未来”も映ってはいなかった。
『ここに皆を集めてどうするつもりだったんだろう、翔くんは』
今度は、山下の声。
それは、なんとなく分かる気がしていた。
具体的にどうするつもりだったとか、秘策があったとか、そういう訳ではない。
ただ一緒にいたかったのだろう。
一緒にいるべきだということが分かっていたから。
そうして、みんなで答えを見つけるつもりだった。
自分だってそう思っていた。答えは必ず見つかるはずだと。
見つけてみせる、と。

ピチャン

木の葉から大きな雫が頬に落ちて音を立てる。
ゆっくりと顔をあげた。低い空からとめどなく降りてくる水の糸。
そのまま、重く暗い空に吸い込まれてしまいそうな気がして、すぐに顔を下げた。

477 :149 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/09/01 02:15 ID:W1Ac5rGD
ピッ

耳に届いた電子音に、松本の身体が大きく震える。
飛び散る紅が一瞬で頭をよぎり、心臓が波打つ・・・。
ピッ ピッ
連続して、同じ速度で響く音。明らかにあの音とは違うことが分かった。
不思議なことに、それが分かった途端、自分の足は音のする方へ向いていた。
躊躇もせず、前へと進んでいく。
そしてその先にあったもの、松本の瞳に映ったのは、過去ではなく“今”だった。
「ニノ・・・」
自分が呼んだその名に、大きな引力で現実へと引き戻されたような感覚があった。
ぺたんと地べたに座り込んだ二宮が、小さく背中を丸めて俯いていた。
やがて、泥にまみれたその背中がゆっくりと振り返る。
その名を叫び、思わず駆け寄ろうとした松本の衝動が、一瞬で消えた。
涙のたまった目でこちらを見つめる二宮が、苦しそうな顔で笑っていた。
「こんなとこにいたよ、おとーさん」
「え」
再び背を向けた二宮が、震える声でもう一度呟く。
「こんなとこにいた・・・」
松本はゆっくりと二宮の横を通り過ぎ、向かい合うようにしてその場で膝を折った。
1つの身体を、2人で囲むようにして。
「・・・大野くん」
その穏やかな表情を前に、言葉もないまま、雨の音を聴いていた。
飼っていた子犬の死を理解できず、それをただ呆然と見つめる子供のように・・・。

「ねぇ、ニノ・・・」
ようやく言葉を発した松本が、静かに視線を上げると、
二宮の身体がゆっくりと横へ倒れていった。
「ニノっ?!」

478 :ななしじゃにー:03/09/01 04:36 ID:6vIl6N9B
激しく感動しますた。

479 :Athlon64 ◆Ath64/1Oeg :03/09/01 04:39 ID:6vIl6N9B
書き忘れました。これからもガンガってください!

480 :ななしじゃにー:03/09/05 10:56 ID:tRyoetcd
ダメだ、涙が止まらん。
歪ぁ、小僧ぉ〜〜〜〜!!!
連載さん、ガンガってください。

481 :ななしじゃにー:03/09/05 22:33 ID:WvLE91uP
>480
歪ぁ?

482 :150  ◆DVBV.H/mhs :03/09/07 00:56 ID:Qucu98dU
・・・ノ!ニノ!!!

遠くの方から少しずつ声が近づいてくる。
真っ暗闇の中で、光る手のようなものが伸びている。
恐る恐る、自分もそれに向かって手を伸ばしてみた。

「ニノ!!」
まず最初に二宮の目に飛び込んだのは、覗き込む自分の泣き顔だったろう。
「・・・あ」
「なんだよ・・・心配させんなよ・・・」
微かに漏れた声。震える松本の身体を安堵感が包んだ。
「俺、もう死んじゃったのかと思った・・・」
二宮が、ぼぉっと遠くを見つめるようにしてそんなことを呟く。
「・・・は?何言ってんだよ・・・死なせてたまるかよ・・・」
震える声でそう言う松本に視線を移し、二宮が笑った。
「ごめん」
「ほんとだよ・・・びっくりした、ニノ、全然目覚まさないから・・・」
「ごめんね」
――そんな風に笑わないでよ・・・。
その笑顔がなぜだがとても痛くて、松本は思わず目をそらした。
「ねぇ」
「・・・ん?」
出来るだけ普通に返事をした。
眉をあげて柔らかい表情を向ける松本に、二宮の目も和らぐ。
雨は、少しずつ弱まってきていた。
「お願いが、あるんですよ」
松本の目じりがぴくりと痙攣した。
――聞きたくない。
「そんな事よりさ・・・」
聞いてしまったら、それを受け取ってしまったら、
安心した二宮が遠くへ行ってしまうような気がして、必死で別の言葉を探した。
「誰にやられたの?」

483 :151  ◆DVBV.H/mhs :03/09/07 00:59 ID:Qucu98dU
その問いに、二宮の目の色が僅かに変わる。
「聞いてどうすんの」
「どうすんのって」
「そんなの・・・知ったとしても、空しいだけだよ」
視線を外すと、再び遠くの方を見つめて二宮が言った。
「そうだけど・・・」
「大野くんと翔くんが誰にやられたかも結局分からないままだし。
知ったとしても、何もしてあげられない。だから・・・知らなくていいんだよ」
返す言葉が思い浮かばずに、松本は黙り込むしかなかった。
「俺らのために戦ったり、仇うったりとかさ、絶対しないで」
「何それ・・・」
「絶対、しないでね」
横たわる二宮の目は、いつしか真剣なものになっていて妙な力強さを感じさせた。
その身体はもう、ほとんど動かないというのに。
「死んだ人間のために生きるって、たぶん辛いと思う・・・」
再び脳裏をよぎるあの姿・・・二宮はそれを振り払うようにして瞳を閉じた。
「そんな風になって欲しくないんだ。見たくないよ、そんな姿」
「ニノ・・・」
「自分のために生きてね」
懇願するような二宮の目と、ゆっくりと紡ぎだされる言葉。
死なないで、とか。諦めるな、とか。
そんな当たり前の台詞が何故出てこないのだろう。言えなかった。
「別にお前が背負おうとしなくたってさ、俺ら勝手に自分の足でついてくから」
そう言って笑う二宮を見ていたら何故だか悔しくなって、負けじと言い返した。
「・・・足、ないんじゃないの?幽霊って」
「あ、そっか。まぁ、なきゃないで飛びますよ、いくらでも。大丈夫」
なんでもないことのように言うその口調に、思わず笑みがこぼれる。
暫くの沈黙のあと、二宮の手が少しずつ動いて、ズボンのポケットに触れた。
そこから取り出されたものを見た途端、松本の心臓がびくんと跳ね上がった。
「ニノ・・・?」

484 :152  ◆DVBV.H/mhs :03/09/07 01:06 ID:Qucu98dU
二宮が、取り出したそれを軽く持ち上げ、顔の前に持っていく。
その手に握り締められたもの――携帯電話に、忘れたかった場面が鮮やかに蘇る。
――相葉ちゃん・・・。
こみ上げてきたものを押さえようと口に手をやったのは無意識だった。
二宮はそんな様子にも気付かず、閉じられた携帯を静かに開く。
「・・・なんで、そんなもの・・・」
震える声で訴える松本を訝しげに見つめると、軽く笑った。
「これ、みんなの画像いっぱい入ってるからさ」
見たくて・・・と言おうとした二宮の動きが一瞬止まった。
やがてその目が、悲しそうとも、嬉しそうとも取れるように歪む。
そして噛み締めるように瞳をきつく閉じてから、それをパタンと再び閉じた。
不安に駆られた松本が、二宮を覗き込むようにして顔を近づける。
二宮も相葉と同じようになってしまうのではないか、という不安がよぎった。
「どうした・・・?」
「もう少し早く気付いてればなー・・・」
「え?」
「これ、形見ね」
そう言って携帯電話を松本の手の平にぽんと置いた。
「生きて帰れるよ」
二宮は、訳が分からないといった様子でそれを受け取る松本を確認すると、
隣に横たわる大野へと視線を移し、安心したように笑う。
少しの静寂が訪れた。松本は再び手の中の携帯に視線を落とした。
「よかった」
ふいに、消え入るほどに小さく響いたその声。
だが、「何が?」と聞き返す時間を、二宮は与えてはくれなかった。
2つ並んだ身体の上をさぁっと風が通り過ぎ、その髪を揺らす。
松本は、風が吹き抜けていった方向を、暫くの間見つめていた。

【二宮和也 死亡  残り11名】

485 :153 つづく ◆DVBV.H/mhs :03/09/07 01:13 ID:Qucu98dU
ひとりだ。
とうとう独りになってしまった。
時が経つにつれ、置き所のない哀しみと虚脱感もじんわりと襲ってはきたが、
少し前の自分では予想もつかないような複雑な心境だった。
つい数分前に交わした会話を思い起こす。
不思議だった。
血だらけの仲間を目の前にして、あんな状況下でも笑えた自分が。
なんて冷たくて、不謹慎な人間なんだろうとも思った。
でも・・・違う。
どんな時でも、一緒にいれば笑える。笑顔になれる。
『よかった』
二宮はそう言った。
自分と大野を見て。きっと、自分のことも振り返って。
『自分のために生きてね』
大切なものを失ったとき、その大切さ故に、悲しみが深すぎる故に、
それと同時に生じる怒りに頼って、自分を支えようとするのかもしれない。
そうでもなければ、生きていられないくらい、人の心は弱いものだから。
怒りや憎しみや悔しさで、胸の奥底で泣いているからっぽの心を騙しながら。
二宮の言葉を何度も何度も思い返しながら、手渡された携帯電話を開いた。
と、そこには、ある受信メールの画面が開いたままになっていて。
「送信者名、滝沢・・・秀明?」
それを見た途端、松本の胸の鼓動が早まった。
「なんで・・・」
それを持つ手が震えて、思わずもう片方の手も添える。
『生きて帰れるよ』という二宮の言葉が蘇り、もう一度その顔に目をやった。
もう少し早く気付いていれば、と涙を浮かべたあの笑顔。
そして、メールを見た時のあの表情の意味に気付き、視界が潤む。
ばらばらになっていたパズルのピースが、少しずつ形になっていく・・・。
「相葉ちゃんも・・・これ、伝えたかったんだ・・・」
喉が、胸が、やけるように熱い。詰まりそうなほどに苦しい。
両手で顔を覆うと、松本はそのままその場に泣き崩れた。
 

486 :ななしじゃにー:03/09/07 01:26 ID:j8hyDE43
連載さん乙彼さまです。
漏れこれを読んで毎回泣いております。切ない脳・・・
あらちはあと歪だけになってしまったな

487 :Athlon64 ◆Ath64/1Oeg :03/09/07 17:32 ID:ow+UDpmt
お疲れ様です!

488 :ななしじゃにー:03/09/08 00:26 ID:AqCbTCem
連載さん乙っす!
こりゃまた涙なしでは読めなかった・゜・(ノД`)・゜・。

489 :ななしじゃにー:03/09/10 23:42 ID:fJsl3Zu8
連載さん乙です!
生みの苦しみ大変ですが
がんがってくだされ!

490 :ななしじゃにー:03/09/11 16:29 ID:MBdyzBlM
ただただ号泣。・゚・(ノД`)・゚・。
読んでる最中も、読み終わった後も・・・。
やっぱり自担の場面は思い入れもハンパないっす、自分。
今はまだ言葉が出てこないけど・・・これだけは言わせてくだされ。
連載さん、ありがdです。

491 :自己嫌悪・・・連載 ◆DVBV.H/mhs :03/09/18 00:41 ID:OA5hbiNb
もう、本当に平謝りです。
生みの苦しみと言ってしまえば聞こえはいいですが、
本当にもう、不甲斐ない・・・情けない・・・。

>490さん
あ・・・ありがとうございます( ´Д⊂ヽ
担当の方にそう言っていただけるのは一番嬉しいです。
他にも感想を下さる皆さんにも、ただひたすら感謝。

492 :154  ◆DVBV.H/mhs :03/09/18 00:55 ID:OA5hbiNb
「なんで誰もおらへんかったんやろ・・・」
「・・・あぁ」
訝しげに呟く光一に、松岡も曖昧な言葉を返した。
「山口くんも、まだ来てなかったしね・・・」
長瀬の脳裏に、自力で辿りついてみせる、と言った山口の笑顔が蘇る。

灯台を離れた後、3人はそのまま真っ直ぐ観光協会へと足を運んだ。
坂本の名前は既に放送で呼ばれてしまっている・・・。だが、
観光協会へ皆で集まる予定だと伝えた三宅、大野はまだ生きているはずだ。
山口も同様に他の誰かに伝えている可能性もある。
今は、とにかく自分たち以外の誰かに会う必要があった。
田口の様に豹変した者もいる中で、仲間となる誰かを探さなければならない。
だが、向かった先で待っている仲間は、一人もいなかった。
それどころか、建物のすぐそばで見つかったのは坂本の無残な姿・・・。
そのまま3人は観光協会を離れ、再び森の中を彷徨っていた。
「健もおらんかったし・・・なんでや・・・」
誰かがいた気配は確かにあそこにあった。
だが、残されていたのは息絶えた坂本だけ。
あの場で何かが起こったことは確かだった。
「・・・今、どれだけの人数が生き残ってんだ?」
立ち止まった松岡がふいにそう呟く。
光一が険しい顔で俯き、長瀬は不安そうに松岡に目をやった。
すっかり暗くなった空を見上げ、松岡が悔しそうに顔を歪める。
「昼の放送からもう何時間も経つよな・・・その間にやられたヤツもいる。
俺ら・・・一体、誰探してこんなに歩いてんだよ・・・」
自分達の手の届かないところで、次々に人が死んでいく・・・。
その事実を目の当たりにし、例えようのない虚しさに包まれていた。
重苦しい空気が流れ、沈黙が訪れたその矢先。
「ぐぁっ・・・」
突然、松岡のうめき声が響いた。

493 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/09/18 00:59 ID:OA5hbiNb
1時からメンテナンスでネット接続が出来なくなるため、
続きはまた明日、落としに来ます。

494 :ななしじゃにー:03/09/18 22:07 ID:oN1bbYaS
連載さん乙です!
今晩お待ちしておりますわ。

495 :ななしじゃにー:03/09/18 23:53 ID:NTMivu2a
連載さーん!
と、呼んでみるテスト

496 :イパーイイパーイ連載 ◆DVBV.H/mhs :03/09/19 00:25 ID:c9MbSnqp
はぁ〜い、と答えてみるテスツ・・・。
頑張ります、がんがりますよー・゜・(つД`)・゜・

497 :ななしじゃにー:03/09/19 01:35 ID:2CCSl3Gd
連載タン、いつも乙です!
無理せずゆっくりでいいんで、連載タンが自分で納得いくものを落として栗。

498 :すみ:03/09/19 20:10 ID:P1aoRTQF
連載さん。
いつも楽しく見てます!!
連載頑張ってくらさい。

499 :ななしじゃにー:03/09/19 21:38 ID:XfNfafyT
連載さん!いきづまった時は気分転換をして、
書いた話をはじめから通して読むと開けるかもでつ(′∀`)
生みの苦しみはジブンも分かるので…
どう展開しても楽しみっす!感謝しつつ待ちまつ!!

500 :Athlon64 ◆Ath64/1Oeg :03/09/19 22:34 ID:7i5KZZyf
連載さん、激しくお疲れ様です。

501 :ななしじゃにー:03/09/21 22:50 ID:VSgSPSpO
連載さん乙です
がんがってください!

502 :ななしじゃにー:03/09/23 22:29 ID:e/LmGGTH
落ちてしまいそうなので一旦あげます。
連載さん頑張ってください。

503 :ななしじゃにー:03/09/26 23:40 ID:LXbnmsCw
 ∧_∧
(^▽^)連載さんお茶でも飲みつつ、ユターリ更新してくだされ
 ( つ旦O 待ってますザ!
と_)_)


504 :ななしじゃにー:03/09/27 00:42 ID:sMHak1WT

|イ、イタダキマス(ソーッ
|つ旦



505 :ななしじゃにー:03/09/27 02:10 ID:ETS2cyN/
違う展開になってるざあげ

506 :ななしじゃにー:03/09/28 00:05 ID:uKTTvken
連載さんはsage希望なんだから
落ちそうな時以外はageんでくれ

507 :ななしじゃにー:03/09/29 17:00 ID:01HWO498
連載さんの思うままに書いて下さい
個人的にすっごいすきです。

508 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/10/03 02:11 ID:5w9VHbc9
アクセス規制ようやく解除。オイタしたの誰だよヽ(`Д´)ノウワァァン
藍喪でも弾かれるわで、手が出せない状態でした。
温かいお言葉に感謝です・・・大変お待たせいたしました!
牛歩でも亀さんでも、確実に歩んでいきたいと思っています。

509 :ななしじゃにー:03/10/03 18:10 ID:u2pHsNBv
おっ!連載さん!頑張ってくらさい!
応援します!

510 :ななしじゃにー:03/10/03 22:57 ID:dr/WAy16
連載タンだー!
アクセス規制はほんと困るよね。
ゆっくりでもいいんで焦らずがんがって下さい!

511 :155 ◆DVBV.H/mhs :03/10/05 01:41 ID:ZD+tJmPl
「松岡くん?!」
その暗さのため視界も悪く、何が起こったのかを瞬時に判断するのは困難だった。
だが、松岡の背後で光った刃が目に止まり、それを辿るとそこには・・・。
「健!」
「なっ・・・」
絶句する2人に気を留めることもなく無表情に立ち尽くす三宅。
顔色一つ変えぬまま、悶える松岡に向かって再び刃を振り下ろした。
「ぐあぁぁぁっ!!!!!」
「?!」
呻いた松岡から飛び散る血がはっきりと目に映り、長瀬が駆け寄る。
「やめろ!!」
光一は、松岡の体を引きずる長瀬をかばうようにして三宅の前に立ちふさがった。
「・・・」
完全に胸を突かれた松岡を前に言葉を失う長瀬。
突き刺さったままの日本刀を引き抜き、投げ捨てた。
「何でだよ・・・」
指の先で頬をなぞっても、松岡は既にピクリとも動かない。
光一は、背中で長瀬の嗚咽を聞きながら三宅と対峙していた。
坂本と一緒にいた時と何が変わったというのか・・・。
だが、虚ろな光をたたえているその瞳は、明らかにそれまでの三宅とは違う。
「邪魔しないでくれる」
「お前・・何考えて」
「ゴウと生きるんだから・・・邪魔しないでよ」
「ゴウって、お前・・・」
「・・・ふざけんなよ!!!」
「長瀬!」
光一が止めに入る間もなく、長瀬が殴りかかっていた。
そのまま地面をすべるようにして倒れこんだ三宅。
長瀬はその上にすかさず馬乗りになり、固く握った右の拳を振り上げた。
「長瀬っ!!!」

512 :156 ◆DVBV.H/mhs :03/10/05 01:43 ID:ZD+tJmPl
その叫びに、振り下ろす寸前で腕の動きがピタリと止まる。
確かにその声は光一のものだった。
だが、何故か山口の声がだぶって聞こえ、長瀬の目が空を泳ぐ。
『戦おうとする人間がいなければ、このゲームは成立しないんだよな・・・。
 逆に言えば一人でもそういう人間がいる限りは、終わらない』
――そうだ・・・。
誰かの殺意を受けて、それが伝染していく。
あらゆる者の憎しみや悲しみを吸収して、どんどん大きくなっていく。
それに飲まれては、いつまでも終わらない・・・。
「・・・くっ」
再び拳に力を入れると、悔しそうに顔を歪めたまま三宅を見下ろした。
「お前、ゴウを殺した奴と同じことする気か・・・」
「・・・え」
「お前までそんな事してどーすんだよ・・・お前だけでも生きなくちゃダメじゃん」
その言葉に、組み敷かれた状態の三宅の目がピクリと痙攣した。
「・・・ちがうよ・・・」
「健?」
「僕はただ一緒に・・・」
呆然と空を見つめながら呟く。
長瀬は、肩に置かれた光一の手に頷き、ゆっくりと立ち上がった。
「・・違う・・・違う」
うわ言のようにそう繰り返しながら静かに身体を起こす三宅。
「ゴウは僕と行くって言ってる・・・だから・・・」
「みんなのこと殺さないと、一緒に生きれないんでしょ?」
「そうだよね?ゴウ」
生気を失った、まるで人形のような表情で呟き続ける。
長瀬は、拳から自然に力が抜けていくのを感じていた。

513 :157 ◆DVBV.H/mhs :03/10/05 01:48 ID:ZD+tJmPl
「お前な・・・」
無言のまま立ち尽くす長瀬の横で、光一が低く声を漏らした。
「仲間失ったん、お前だけやないやろ・・・」
それまで常に平静さを保っていた光一。
その苛立った様子に、長瀬が訝しげな表情を浮かべる。
「奪われたら、奪い返してもええんか?なぁ」
「おい、光一!」
光一の瞳に灯った鋭い光。
「そんなら最初からな、“みんなで助かろう”なんて
 そんなめんどくさい事せぇへんわ・・・何の意味もないやん・・・」 
長瀬の制止を肩で振り切り、伸ばした腕でグッと三宅の襟首を掴み上げる。
次の瞬間には光一が振り上げた拳が三宅の頬を直撃していた。
ぐらりとよろめくその身体を、再び自分の腕で引き戻す。
「お前まで何してんだよ!光一!!」
再び拳を握った光一に、長瀬の激しい怒号が飛んだ。
光一が動きを止めたその次の瞬間・・・。

バ―――――ンッ

銃声と共に頭上の木々が騒々しい音を立てる。
「っ?!」
突然の出来事に、光一と長瀬が血相を変え振り返った。
「岡田・・・?」
ひらひらと舞い落ちる葉に見え隠れする人影。
と、今度は背中から、恐怖に満ちた声が響く。
「あ・・・あ・・・」
振り返ると、三宅が蒼い顔でぶるぶると震えていた。

514 :158 ◆DVBV.H/mhs :03/10/05 01:52 ID:ZD+tJmPl
銃声、悲鳴、止まらない血、震える手・・・。
そして。

『こ、わ・・い』
  
「うわぁぁあーーーーーっ!!!!!」
「健?!」
三宅が、突然狂ったように泣き叫び、転びそうになりながら駆け出した。
2人が再び振り返ると、既に岡田の姿はなくなっていて・・・。
「なんだったんだよ」
長瀬は力なくそう言うと、視線を松岡に移し、その足元に座り込んだ。
「なんだったの?ねぇ・・・」
首を傾げた拍子に、涙が零れ落ちる。
「訳わかんねぇよ・・ほんと・・・何があったんだよ今・・・」
目の前の、動かない身体。
たった一瞬。
意識していなければすぐ過ぎてしまうくらいの、ほんの一瞬。
「こんな終わり方ってあるかよ・・・ドラマでもこんなのありえないよ・・・」
あまりにあっけなかった。
あまりにも・・・。
無茶やめてね、と言った自分に、優しく微笑み返したのはほんの少し前で。
「何もしてないのにね・・・何にも悪いことしてないのに・・・」
納得できぬままでも、その喪失感を心は敏感に感じ取っていて。
現実を受け止められていなくても、不思議と涙は流れた。
ただ涙だけが、流れ続けていた。


【松岡昌宏 死亡  残り10名】


515 :159 ◆DVBV.H/mhs :03/10/05 02:02 ID:ZD+tJmPl
  
「長瀬」
光一がようやく一言を絞り出した。
ひとしきり泣いた長瀬が、腫れた目を上げる。
「俺、最悪やな・・・」
自嘲気味にそう呟く光一。
「何でやろ、腹立ってん・・・俺の考えてたこと全部アホらしくなった」
「光一」
「健の気持ちとか、どうでもよかったんやろな、さっき」
思うように事が運ばないことに対する焦り、苛立ち・・・。
悲しい、という感情以前に。
ただ時間だけが過ぎて行く。
捕らわれたままのつよし。
次々に命を落としていく仲間や、後輩たち。
皆で生き残るために奔走している自分達を尻目に、
なおも命を奪わんとしている者の存在・・・。

「そんなん全部、健にぶつけてどないすんねん、俺」
重いものを吐き出すように大きくため息をつき、俯いた。
「最悪や、ほんま」
「そんなことねーよ・・・」
背中を向けたままで長瀬が呟く。
「俺はお前の味方だから」
何気なく投げかけられたその言葉に、はっと顔を上げた。
決して意外だったわけではない。
でも、今だから、今だからこそ・・・。
光一は、ただ黙ってその言葉を噛み締めていた。
  

516 :ななしじゃにー:03/10/05 11:40 ID:xRXxP7pK
紫…安らかに眠れよ。・゚・(ノД`)・゚・。

アク禁解除早々の更新乙です。
昼間っから泣きそうでした。これからの展開に土器旨です。

517 :ななしじゃにー:03/10/05 12:31 ID:QksBBU1C
更新キタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
連載さん乙です。
紫は末っ子と光一と共に生き残る道を探すのかと思ってた。
末っ子、光一、がんがれよ。

518 :ななしじゃにー:03/10/05 20:22 ID:45UZOvGx
連載さん乙!
これからも楽しみにしてます

519 :ななしじゃにー:03/10/06 17:31 ID:WtQiKsU0
連載さん、乙です!
これからもゆっくりでいいんで更新していってください!
連載さんの書くストーリーは素晴らしいと思います!
これからも楽しみにしてます!
頑張ってください。


520 :ななしじゃにー:03/10/06 23:16 ID:j1uEiO+0
連載さん!更新乙です!
無理なさらぬように更新してくださいね!
楽しみにしてます!
紫…・゚・(ノД`)・゚・。
そして、私事ながら自担にドキムネです…

521 :ななしじゃにー:03/10/16 01:30 ID:71SNhILm
保守で。

522 :ななしじゃにー:03/10/19 23:50 ID:6xgP7c4v
        -= ∧_∧
     -=≡ ( 仝_仝:)連載さーん=====!!!
       -=( つ┯つ
      -=≡/  / //
     -=≡(__)/ )
   -= ===(◎) ̄))



523 :ななしじゃにー:03/10/20 02:06 ID:uMQvibfh
は…ハッピの…バンチョが…(禿藁
正しい天災の仕方ですな。

そんなわけでマターリお待ちしてます連載さん。

524 :連載 ◆DVBV.H/mhs :03/10/21 23:26 ID:QvVNeXmC
( ゜Д゜)ハッ ついに番長までもが・・・

525 :160 ◆DVBV.H/mhs :03/10/22 01:37 ID:Sb01gB1z
――何やってんねん・・・俺。

拳銃を握り締めた手が震えている。
何かから逃げているのか、何かを追っているのかすらも分からぬまま、
岡田はただひたすら、森の中を駆けていた。
何故こんなに焦っている?
――別に焦ってなんかない・・・。
何のために撃った?
――何のため・・・そんなの決まってるやんか・・・。
それなら何故、またその場を去ろうとしている?
――・・・。

分からない。
分からない。

ただ、不快な痛みが未だに胸で疼いている。
大野の声がぐるぐると回り続け、頭の中にもやがかかったようだった。
あの瞳の色・・・血の臭い・・・死の瞬間・・・。
なんなんだ今更。
――俺は一体どうしたかったんだよ・・・。
自分に負けたくなかった。
――負けたくないって・・・どうするつもりやったん・・・。
負けたくないという事は、殺されないようにすること?
負けたくないという事は、人を殺すこと・・・?
でも・・・大野は違った。
あいつも、「自分に負けたくない」と言った。
撃っていいよ、と言った。
俺のことを、「淋しい」と言った・・・。

526 :161 ◆DVBV.H/mhs :03/10/22 01:49 ID:Sb01gB1z
半ばムキになって足早に突き進む。
まとわりつく影を振り切るように頭を激しく揺らした。
俺は何を迷ってる?
何に怯えている?!
「っ・・・やめろや!!!」
何に対しての憤りだったのだろう。思わず口を突いて出た言葉。
険しい表情のまま上げた視線の先に、震える人影があった。
「健くん」
泣き出しそうな瞳で様子を伺う三宅。
岡田が名を呼ぶと、いっそう身体をびくつかせる。
全身に走っていた緊張がふいに解かれ、岡田は小さく息を吐いた。
体の中の力が、一気に抜けていくような感覚。
無意識で、一歩前へと踏み出していた。
だが三宅は怯えの色を浮かべたまま後ずさりする。
岡田の鼓動がドクンと波打った。
何故だろう。
自分がものすごくみじめに思えた。
「撃つの・・・?」
「え」
「お前もそれで・・撃つんだ・・・」
今まで、そんな三宅の顔を見たことはなかった。
どんなに喧嘩しても、そんな目を向けられたことなどなかった。
表現しようのない類の視線が、深く突き刺さる・・・。

527 :162 今夜はここまで… ◆DVBV.H/mhs :03/10/22 01:53 ID:Sb01gB1z
  
「撃たないよ」
大いなる無の中に放たれたような感覚に襲われながら、口を開いた。
「・・・言われたから」
「誰に・・・?」
少しの間。言うのが躊躇われて、唾を飲み込む。
口の中がカラカラだった。
「ゴウくんに」
その名に、三宅がはっと顔を上げる。
見覚えのある服が岡田の視界に入った・・・。
俯いたまま言葉を続ける。三宅の表情を伺いたくなかった。
「健くんのこと、撃つなって」
「ゴウが・・・?」
当然のように訪れた沈黙の中で、何を思っているのだろう。
ものすごく気持ちが悪かった。
前を向きたくない。
「・・・そうなんだ」
――あぁ。
分かる。分かってしまった。
今、三宅がどんな顔をしているのか。


528 :ななしじゃにー:03/10/22 06:31 ID:/11zxJMM
連載さん乙です!
自担と二押しが出会ってるのが禿嬉しいです。
同Gならではの絆が…また続き楽しみです。

529 :ななしじゃにー:03/10/22 11:23 ID:VWHzVh7l
連載さん、お待ちしていました!
凸が光一を牽制したのも
番長の言葉を守ってでしょうか。
この出会いで☆も凸も救われるとよいな。

530 :ななしじゃにー:03/10/25 01:15 ID:En7FR9ru
今日紙紺見てきたばっかりだから
感慨深さも一入。・゚・(ノД`)・゚・。



531 :ななしじゃにー:03/10/25 17:08 ID:C1bWDHpM
連載さん乙です!
凸…☆…!すごい展開ですね!
これからも頑張ってください!


532 :163 ◆DVBV.H/mhs :03/10/26 01:40 ID:eISi5VxY

『撃つなよ』
そう言う森田の声が、耳の奥で響いていた。
頬が自然と緩む。
零れ落ちた涙と一緒に、何かがはがれてゆく。
無言のまま、シャツを強く握り締めた。
微かに残っていた香りも、血の臭いにかき消されてしまっている。
森田も、自分と一緒に生き残ろうと思っていた。
でも、もうそれが叶うことはない・・・。
どんなに刃を振りかざしても、誰かの命を奪っても。
はっきりと自分の手で感じた現実。
自分が招いた現実。
もう、いない。
森田は何処にもいない・・・。
 
ふわふわと浮いているような気分だった。
立っているのが、自分の足でないような感覚だった。
 
「ねぇ、岡田・・・」
岡田がようやくゆっくりと顔を上げた。
「こわい、って言ったんだ・・・あいつ」
突然、人が変わったようにゆっくりと言葉を紡ぎ出す三宅。
「何が怖かったんだろ・・・死ぬのが怖かったのかな・・・」
そう言って空を仰ぐ。
「いや・・・たぶん」
絞り出すようにかすれる声を漏らした岡田と、三宅の視線が合った。
懐かしいものに再会した時のように、目を細めながら、お互いを見ていた。
そして、2人の口が開きかけた。その時。

533 :164 ◆DVBV.H/mhs :03/10/26 01:47 ID:eISi5VxY
パンッ

渇いた音。
岡田が目を見開いた時には、既に三宅は地面に倒れこんでいて。
あっと声を上げる前に、自分の後頭部に固いものが押し当てられていた。
「健・・・くん」
「撃たれる前から、半分死んだみたいになってたじゃないですか」
背後から響いた冷たい声。
その声の持ち主、山下の目が鈍く光った。
「・・ふふ」
と、突然、目の前の岡田が小さく鼻をならす。
「あはは」
唐突に笑い始めた岡田を訝しんだ山下が、銃口をぐいぐいと押し付けた。
「なに・・・笑ってんの。気持ち悪いんですけど」
「なんだ、これ」
可笑しそうに呟き、尚も静かに笑い続ける。
低い笑い声が、不気味に響き渡っていた。
「俺が殺すべきだったんだよ、負けたくなかったんじゃねーのかよ・・・」
渇いた笑いを含みながら言葉を続ける。
「ゴウくんが余計な事言うからやで・・・ほんまに、勘弁してくれって」
突きつけられた拳銃に恐怖を表すこともなく、ただ呆然と立ち尽くしていた。
「何がしたいねん、俺」
音を立てて、岡田の手から拳銃が滑り落ちる。
力なくダランと伸びた両腕。
その場に留まったまま、ゆっくりと膝を折った。
その動きに合わせて、岡田の頭をとらえていた山下の腕が下に伸びる。

534 :165 続きは後日 ◆DVBV.H/mhs :03/10/26 01:57 ID:eISi5VxY
「たぶん」
何の脈略もなしに語り始める岡田に、山下の眉間に皺がよった。
「一人になるんが・・・怖かったんやろな・・・」
こわい、と。
そう吐露した森田の気持ちが分かる気がした。
「なんですか、それ」
苛立たしげに吐き捨てると、山下は更に強く銃口を押しあてた。
「ま、岡田くんも一人になっちゃいましたね」
「お前も、やろ」
そう言って自分を嘲るように笑う岡田。
「・・・余計なこと言わなくていいですから」
山下は、ざわざわと波立つ感情の赴くまま、膝で背中を蹴り上げた。
勢いよく地面に両手を突く岡田。
「もう演説は終わりですか?」
背中に足を押し当て、ぐりぐりと踏みつける。
それでも反応を示さない岡田に、思いついたように瞬きをした。
「岡田くん・・・もしかして、僕と同類?」
げほげほと咳き込んでいた肩の動きがピタリと止まる。
「なんだ、そうなんだ」
「何が・・・嬉しい・・んだよ」
振り返った岡田には、冷たい視線が注がれていた。
「別に、嬉しくはないですけど」
そっけなく呟いた山下の口の端が緩む。
「生き残れるのは2人だし。1人くらいは殺さないであげてもいいかなーって」
見上げる岡田の視線の先には、山下の笑顔・・・。

535 :ななしじゃにー:03/10/26 22:24 ID:DMtfKMpP
キタ━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚  )━(  )━(  )━(  ゚)━( ゚∀)━(゚∀゚)━ !!
連載タン乙です!
続きが禿しく気になりまつ。

536 :ななしじゃにー:03/10/26 23:17 ID:qg+uo7sE
>535
ageんなボケ!!氏ねや!!

537 :ななしじゃにー:03/10/27 20:30 ID:HI3iVQe+
まぁまぁ。

連載さん乙華麗です!
☆…。・゚・(ノД`)・゚・。 そしてP禿こえ〜。
続き楽しみに待っとります。

538 :ななしじゃにー:03/10/29 01:22 ID:JxDU+cAV
☆・゜・(つД`)・゜・
とうとう自担が逝ってしまったけれどこの後の展開が気になります。

539 :ななしじゃにー:03/11/02 23:39 ID:EifdVORU
凸に残っているメンバーは
俺様だけになっちまったな(ノД`)
どーにか俺様と会わせてやりたいな

540 :ななしじゃにー:03/11/08 01:14 ID:plfb7dAN
保守

541 :ななしじゃにー:03/11/09 19:28 ID:PLWyTmhk
>>539
ハゲドー・゜・(つД`)・゜・
空の上では、何事もなかったなの様に
いつもの☆番長でいてくれる事を願いまつ・・。

542 :ななしじゃにー:03/11/09 21:32 ID:kc42k68T
まだ☆志望の表示はないんだが・・・
本当はどうなんだーー連載さん!!

543 :ななしじゃにー:03/11/14 23:01 ID:BuNF4als
俺様は今どんな気持ちで
1人彷徨っているのだろうか・・・


544 :浦島連載 ◆DVBV.H/mhs :03/11/16 01:18 ID:cDLUOvyD
本当にご無沙汰しております・・・。勝手にやってる事とは言え
執筆に集中できぬまま時間だけが過ぎる毎日に(#゜Д゜)ゴルァ

>542
そうなんです。まだ表示はないんです。
そして、俺様が登場したのは結構前なのに覚えてくれている
543さんのような方がいて何だかとても嬉しいです。
まさにこれから焦点があたる部分でもあり、なんですが。
あぁ・・・BR休暇が( ゚д゚)ホスィ・・・
皆さんにスキーリしない思いをさせてしまって申し訳ないです。

545 :ななしじゃにー:03/11/16 03:03 ID:AXLQ2C7T
連載タン、いつも乙です。
忙しいようですね。
更新はユクーリで構わないっすよー。


546 :ななしじゃにー:03/11/16 18:00 ID:/640MTxv
☆が生きることで、凸と俺様が救われるといい脳。
☆、逝くのはまだ早いYO!がんがれ!
連載さん、乙です!単なる一ファンの意見ですので、気にせず無理せず
がんがって下さい!

547 :ななしじゃにー:03/11/16 18:06 ID:/640MTxv
☆が生きることで、凸と俺様が救われるといい脳。
☆、逝くのはまだ早いYO!がんがれ!
連載さん、乙です!単なる一ファンの意見ですので、気にせず無理せず
がんがって下さい!

548 :ななしじゃにー:03/11/20 13:51 ID:Pw9BFuzQ
落ちそうなので、一度アゲ

549 :ななしじゃにー:03/11/20 15:17 ID:uyuKij3z
しつこい

550 :ななしじゃにー:03/11/23 20:47 ID:GqSNizXe
連載さん
お体に気をつけて
無理せずに頑張ってくださーい

551 :ななしじゃにー:03/11/27 00:49 ID:yHPwsSjp
ほしゅー

552 :543デス:03/12/01 00:28 ID:O6NEYZVW
今年も残すところ後一ヶ月
連載さん、体に気をつけて
マイペースで更新してくだされ

553 :ななしじゃにー:03/12/07 04:16 ID:GBxaNp9V
保守

554 :ななしじゃにー:03/12/11 00:42 ID:2tWJNyHy
さらに保守

555 :ななしじゃにー:03/12/14 03:28 ID:b9DsZYxZ
☆と凸…色んなJBRの中で初めて絡みあったんで
嬉しいです。俺様とも出会って共に生き残って欲しい脳〜
って生き残れるのは二人だけか…複雑だ(苦藁
連載さん、自分も書き手なもんなんで行き詰って
書きたくても書けない時は自分も含め誰にだってありますよね。
皆が待ってるから書かないと!と、プレッシャーもありますが
読者様居ての書き手なんで…息抜きもしつつ更新がんがって下さいね。
本当に読者様の反応が少しでもあると、とても嬉しくてやる気が出るもんですw


556 :ななしじゃにー:03/12/21 01:34 ID:CNcUfpbl
ナニガナンデモ
保守ー!!

557 :ななしじゃにー:03/12/27 01:12 ID:qq6kfQVt
保守

558 :ななしじゃにー:03/12/27 20:56 ID:Az7WCrMF
http://monachat.dyndns.org/main1.html
にゃんぱらり死ね

559 :ななしじゃにー:03/12/29 00:13 ID:sar0jrJU
あげんなブォケ!

560 :ななしじゃにー:04/01/04 17:24 ID:ZAvsc+lr
連載さんご覧になってるでしょうか?
あけおめです!
末永くお待ちしております

561 :ななじゃ:04/01/08 12:22 ID:kwr9sqgW
ずっとロムってました。
早く続きが読みたいっす。
私の頭の中では勝手に新たな展開が始まりそうです。
最近自担見ないんだけど、今いづこ・・・?

562 :ななしじゃにー:04/01/08 12:34 ID:AjtqzjQT
おえ

563 :ななしじゃにー:04/01/08 16:36 ID:IGEKzZoL
中森明菜

564 :a:04/01/08 18:14 ID:KHBw1fNH
ヤフーオークションの検索に

バブル崩壊!

と入れてみてください。すごい情報が見られますよ。
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565 :ななしじゃにー:04/01/09 20:24 ID:rgGYMrRc
今日一日かけて一気読みしました。
何回泣いたことかw
連載さんいつか降臨してください待ってます

566 :ななしじゃにー:04/01/11 16:13 ID:A7LlA8Gp
ほしゅ。

567 :ななしじゃにー:04/01/14 14:39 ID:8rRNFWz7
紺野まるひ

568 :ななしじゃにー:04/01/14 15:10 ID:bGTYILjr
誰それ?

569 :ななしじゃにー:04/01/14 16:26 ID:EUgHASbX
朝の連続テレビ小説の長女役の人が紺野まひる。
30歳越してる。
昔、宝塚歌劇団の雪組のトップ娘役だった。

570 :ななすじゃにー:04/01/14 19:39 ID:Cqnw+lZr
後藤と山Pでラブシーン希望


571 :ななしじゃにー:04/01/16 00:36 ID:VBdl3QUU
   お邪魔します。

   ・ 悲しみが喜びに、苦しみが平安に

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                 安達三郎


572 :ななしじゃにー:04/01/16 23:45 ID:b3r00pse
椎名法たん!

573 :ななしじゃにー:04/01/18 14:43 ID:pL2kjUDR
保守します
連枝さんのカムバックを祈って…(´・ω・`)

574 :ななしじゃにー:04/01/23 10:37 ID:PPSfVsqO
毎日寒いですね。
連載さんも風邪などひいていませんように。

575 :ななしじゃにー:04/01/23 22:03 ID:KOCCW7nI
>569
26だよ。

576 :ななしじゃにー:04/01/24 12:02 ID:jb6frD+9
広末ケコーンしてるから許す

577 :ななしじゃにー:04/01/26 00:14 ID:fIdCr3nO
ジャニバトの続きが早く見たひ!!

578 :ななしじゃにー:04/01/29 23:51 ID:L5/gpfNL
連載さんカムバックきぼん保守

579 :ななしじゃにー:04/01/31 00:31 ID:ndIvZk/I
今一気に読んじゃったよ。
このスレ見た事なかったけど開いてみてよかったと思った。
連載さんお帰りをお待ちしております。

580 :ななしじゃにー:04/02/01 17:46 ID:ynxvmzXs
この子見てるとムカつくよ!ジャニーズとコンパしたとか。
隅から隅まで見てみぃ!
http://plaza.rakuten.co.jp/okoisa0921/


581 :ななしじゃにー:04/02/01 21:13 ID:CD/F8Awc
ほしゅ

582 :ななしじゃにー:04/02/02 02:32 ID:1mHs49nG
保守

583 :ななしじゃにー:04/02/04 17:07 ID:KS+B4qWL
保守

584 :ななしじゃにー:04/02/05 10:34 ID:H0SHoZ5R
最近見つけて一気に読みますた。
自担…・゜・(つД`)・゜・
泣きそうです。漏れも帰りを御待ちしています。

585 :連載 ◆DVBV.H/mhs :04/02/08 03:16 ID:i3Nsv5NE
555さん、ありがたいお言葉です。そして本当にすみません!
本当にお久しぶりでした。お待たせしていることが常に気にかかりつつも。
昨年末から私事で色々あったのですが・・・春になれば少し落ち着きそうです。
保守しながら待っていてくださった皆さん、本当にありがとうございました。

そして、お待たせしていただけでなく、大きな誤りを発見Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)
前回、よっぽど焦っていたと見える連載・・・
改訂する前の、下書きの方をコピーして落としてしまった模様です・・・。
きっと、不思議に思われていた読者様もいらっしゃったかと思います。
他ならぬ最終更新の>>534の部分なんですが、改訂版を新たに落としますので
脳内修正、あるいはあぼーんしていただけるとありがたく思います。
いくら素人とは言え、書き手としてあるまじき事・・・深くお詫びいたします。

586 :165(改)  ◆DVBV.H/mhs :04/02/08 03:20 ID:i3Nsv5NE
「たぶん」
何の脈略もなしに語り始める岡田に、山下の眉間に皺が寄る。
「一人になるんが・・・怖かったんやろな・・・」
こわい、と。
そう吐露した森田の気持ちが分かる気がした。
「なんですか、それ」
苛立たしげに吐き捨てると、山下は更に強く銃口を押しあてた。
「ま、岡田くんも一人になっちゃいましたね」
「お前も、やろ」
そう言って自分を嘲るように笑う岡田。
「・・・余計なこと言わなくていいですから」
山下は、ざわざわと波立つ感情の赴くまま、膝で背中を蹴り上げた。
無言のまま、地面に両手を突く岡田。
「もう、演説は終わりですか?」
その背中に足を押し当て、ぐりぐりと押し付ける。
それでも反応を示さない岡田を前に、山下は何かを思い出した様に瞬きをした。
「あ・・・そうか」
秋山が最期に言っていたこと。
“生田は、岡田が殺した”、と。
――そうか・・・。
山下は、何かが自分の中を流れていくような・・・不思議な感覚を覚えていた。
「・・・そうだ、岡田くんも僕と同類でしたね」
げほげほと咳き込んでいた岡田の動きがピタリと止まる。
「何が・・・嬉しい・・んだよ」
振り返った岡田に、冷たい視線が注がれていた。
「別に、嬉しくないですけど」
そっけなく吐き捨てるように言う。
「生き残れるのは2人だし。1人くらいは殺さないであげてもいいかなーって」
見上げる岡田の視線の先には、山下の笑顔・・・。

587 :ななしじゃにー:04/02/08 22:03 ID:WrcpyKsu
連載タンキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
消息確認できてよかった。
気長に待ってますんでユクーリでいいですよー。

588 :ななしじゃにー:04/02/09 17:47 ID:TbBz9Ees
連載さん!!!!!お待ちしてました!!!!!
そして春には復活されるとのこと。
その確約があればいつまでもお待ちできますっ。
お身体に気をつけてがんばってくださいね。

589 :ななしじゃにー:04/02/10 16:17 ID:WuOm88Et
許される・許されないなんてあるのか?ジャニヲタはすげーなー

590 :ななしじゃにー:04/02/12 01:53 ID:GJHZNvKe
ああ安心した…
首を長くしてお待ちしております!

591 :ななしじゃにー:04/02/12 02:04 ID:QB+UdVsi
体に気をつけて負担にならない程度にかんがってください☆

592 :ななしじゃにー:04/02/14 12:25 ID:55WrOsdF
すんごいヒサシブリーにこのスレ覗いたら
連載タンキテタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
hosyuってお待ちしてます。

593 :ななしじゃにー:04/02/15 12:21 ID:fpIwr2rA
新しい職人さんハケ-ンしました!
(・∀・)イイ!!
http://tv2.2ch.net/test/read.cgi/jan/1067247404/l50

594 :166 ◆DVBV.H/mhs :04/02/16 00:14 ID:C9lZmjBv
「・・・お前、何で人殺そうと思ったん?」
「は?」
山下は、馬鹿にしたように鼻で笑う。
「この島で人を殺すのに、理由なんているんですか?」
半ば挑戦的な口調だった。
「大義名分なんていらないでしょ、正義の味方でもあるまいし」
――いらない・・・?
理由も。
大義名分も。
「僕と同類だって認めたくないみたいですけど」
唇を弄びながら俯き、可笑しそうに呟いた。
「やってることはお互い、単なる人殺しですから」
――単なる、ひとごろし・・・。
岡田の耳元で、風がざわざわと葉を揺らす音だけが響く。

少しも表情を変えない岡田を前に、次第に山下の目に鋭さが宿った。
「じゃあこっちも聞くけどさ・・・」
面倒くさそうに吐き出した言葉も、自然とトーンが低くなる。
「なんで斗真殺そうと思ったわけ?斗真が何かした?」
「・・・負けたくないからや、自分に・・・」
山下の動きがぴたりと止まった。
「殺した結果、自分に勝った・・・わけですか」
その言葉に、岡田の目が泳ぐ。
山下が呆れたように両手を揺らした。
「ものすごい思い込みっすね、それ」

岡田の中の何かに、一筋のヒビが走った。
脳裏に蘇る、“その”時。


595 :167 ◆DVBV.H/mhs :04/02/16 00:19 ID:C9lZmjBv
大きく手を振る生田の笑顔。
弾かれるように崩れていった細い身体。
秋山の背にも力なくおぶさり、遠ざかっていった背中。
それを撃つことで、自分は、自分に・・・?
・・・いや、違う。違う!
そういう意味じゃない。きっと。
「戦えって言われたから・・・戦わなあかんやろ・・・」
撃つ前から始まっていたのだ・・・。
ここでやれることは、戦うことしかない。
それが自分に与えられた役なら、受け入れる。
受け入れることが、負けないこと。
安らぎを遠ざけることが、負けないこと・・・。

『何がしたいの・・・何がしたくてそんなことすんの・・・』
突然、あの大野の横顔が頭をよぎった。
『淋しいね』
あの時感じたチクリとした痛みが、再び疼き始める。
『僕も自分に負けたくない』
――なんでお前の方が楽そうな表情してんねん・・・。
『撃っていいよ』
――なんで、生きてる俺の方がこんな・・・。
『俺は、どこにいったって、どんなことがあったって俺でいたい』

――・・・あぁ。

はらりと落ちた雫と一緒に、瞳の中のガラスが音を立ててはがれた。

――俺・・・。


596 :連載 ◆DVBV.H/mhs :04/02/16 00:23 ID:C9lZmjBv
更新部分に関連する箇所を過去レスから引っ張ってきました。
間違ってませんように・・・。

山下の回想にあたる箇所
 >>461-463(山下・秋山)

岡田の回想にあたる箇所
 >>61-67(岡田・生田・秋山・森田)
 >>362-370(岡田・大野)

597 :ななしじゃにー:04/02/17 21:12 ID:sMmSZbXc
見失いそうなのでアゲ

598 :ななしじゃにー:04/02/17 21:41 ID:+cfMXmga
モー娘。の紺野あさ美。凸とドラマ共演キボンヌ

599 :ななしじゃにー:04/02/19 10:18 ID:MugqwErj
連載さん、更新乙です。
無理なさらぬように頑張ってくださいね。
楽しみにしてます!
凸はどうなるんだろう・・・。

600 :ななしじゃにー:04/02/19 12:42 ID:oeXZMPDq
落ちてしまったな。連載さん 更新お持ちしてます!

601 :ななしじゃにー:04/02/20 05:24 ID:1Rbuu3G6
一気読み。泣き過ぎて明日どうしよう?
職人さん、スバラシイです。続き楽しみにしてますので
気長にやってくださいね。

602 :ななしじゃにー:04/02/21 02:47 ID:pI+N2Sx5
見失いそうなのでホッシュホッシュ!


603 :ななしじゃにー:04/02/23 19:57 ID:Lx4nJgOz
期待ホシュアゲ(^o^)/

604 :ななしじゃにー:04/02/23 19:59 ID:Lx4nJgOz
期待ホシュアゲ(^o^)/

605 :ななしじゃにー:04/02/25 03:50 ID:/b5CXKsr
一気に読みました。
一応番長ファンだけど、あまりジャニに詳しくないですが、
号泣。。。
知らない子供とかいるけど、主に番長を取り巻く場面は
泣きまくりデス。
連載さん、続き、無理せずでかまわないんで楽しみにしてます。

606 :ななしじゃにー:04/02/26 01:24 ID:v5nsQlI4
連載さん、お元気でしょうか?

607 :ななしじゃにー:04/02/27 23:00 ID:3191TFjq
嫉妬心かよ

608 :ななしじゃにー:04/03/02 20:04 ID:bhlz11xV
保守

609 :ななしじゃにー:04/03/03 21:23 ID:9/P6QSbv
まあ、ジャニー喜多川に掘られてる訳だが

610 :ななしじゃにー:04/03/07 17:50 ID:Up2BJhe1
ホシュ揚げますた(^o^)/

611 :ななしじゃにー:04/03/07 20:45 ID:21QAfeew
光GENJI時代〜現在までジャニと幅広く共演(制覇)してるのは三浦理恵子。

612 :ななしじゃにー:04/03/14 14:14 ID:nEHhebNF
保守

613 :ななしじゃにー:04/03/15 18:28 ID:fo4X0YQ3
保守


614 :ななしじゃにー:04/03/15 21:52 ID:DcvoBiim
ない

615 :ななしじゃにー:04/03/18 03:10 ID:pnKHCq3R
保守

616 :ななしじゃにー:04/03/20 16:36 ID:7Wj/XwDk
保守


617 :ななしじゃにー:04/03/24 17:26 ID:xSd7ZJ2H
桜の便りも聞かれる頃・・・連載さんはお元気かしら?

618 :ななしじゃにー:04/03/24 18:35 ID:qypEHIcO
機動戦士ガンダムの総監督であり、
いまでも現役で活躍し続ける富野由愁季のFANサイトです。
作品感想やリンク集があります。
http://www.hattogi.com/tomino/index.html



619 :名無しさん:04/03/25 11:07 ID:WEHNofUb
連載さんお元気っすか?
気長に待ってます(^o^)
でも、続きが気になる…
∧_∧
(-д-;)
/ 旦 」
∪∪

620 :名無しさん:04/03/25 11:07 ID:WEHNofUb
連載さんお元気っすか?
気長に待ってます(^o^)
でも、続きが気になる…
∧_∧
(-д-;)
/ 旦 」
∪∪

621 :ななしじゃにー:04/03/25 13:12 ID:5LXaY1M7
あなたとジャニーズが付き合ったら占い 
ttp://u-maker.com/view?id=28244



622 :ななしじゃにー:04/03/25 13:25 ID:5LXaY1M7
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623 :ななしじゃにー:04/04/03 05:10 ID:A5QSF67b
ほしゅ…

624 :ななしじゃにー:04/04/07 12:05 ID:A2Jx2SJq
桜前線北上中ですね。
連載さん、お元気ですか?
花粉症にやられてなければいいですが(^^)

625 :ななしじゃにー:04/04/10 01:43 ID:dwNTF6X+
揚げときますノシ
連載さんまだかなぁ…
─────┬─────
∧_∧
。゚・゚(/д`)゚・゚。
( 旦⊂)
∪ ∪


626 :ななしじゃにー:04/04/10 13:04 ID:IyVPlpJ+
  

627 :ななしじゃにー:04/04/11 17:04 ID:hsfVTlVT
age

628 :ななしじゃにー:04/04/11 17:05 ID:tK40oCCW
sage

629 :ななしじゃにー:04/04/12 10:09 ID:BRUZPoWj
sage




630 :ななしじゃにー:04/04/15 00:09 ID:6yRs1NF/
age

631 :ななしじゃにー:04/04/15 12:27 ID:zuPZCQyC
最初からまた読み返した。
伏線張ってるのかと思われる箇所もあるんだけどな。
早く続きが読みたいでーす(^^)

632 :ななしじゃにー:04/04/16 00:53 ID:hH3btnB9
age

633 :958:04/04/16 01:15 ID:REYra8DG
名前:エージェント・774 :04/04/16 00:54 ID:lt3Y8PCz
今回のオフは真剣に考えており、
私自身、そーとー彼らに腹を立ててまして
殺したいくらいでたまりません。
せめて、この国民の気持ちを伝えるためにもと
ここに馬鹿3人を迎えるオフを開催します。
そのためサイトを制作致しました。
【今井・高遠・郡山を快くお迎えするオフ】サイト
http://www.freepe.com/ii.cgi?kaereoff

応援して下さる方々へ。
そこら中にコピペして頂きたい。
御支援の程、よろしく御願いします。





634 :ななしじゃにー:04/04/21 01:24 ID:Ms/BurhK
気長に待ってます。

635 :ななしじゃにー:04/04/23 15:05 ID:joUxfgOJ
ほしゅ〜(^^)

636 :ななしじゃにー:04/04/26 09:29 ID:U16xq8zX
age

637 :ななしじゃにー:04/04/27 18:51 ID:PGQ40lMP
待つ

638 :ななしじゃにー:04/04/28 12:29 ID:Vxp981Oc
私も待ちます(^^)

639 :ななしじゃにー:04/04/29 22:53 ID:dcVKvLeo
私も待ちますよ

640 :ななしじゃにー:04/04/30 18:48 ID:u0vVDlKp
待ってます!

641 :ななしじゃにー:04/05/01 00:18 ID:sxLsgzro
泣ける泣ける〜。続き気になりまくり。あたしも待つなり〜。

642 :ななしじゃにー:04/05/01 23:08 ID:hY64BaBk
待ってますよ。

643 :ななしじゃにー:04/05/04 20:04 ID:7woFJiPY
まってますー。

644 :ななしじゃにー:04/05/05 11:56 ID:CXQd4TGo
a

645 :ななしじゃにー:04/05/06 18:06 ID:8cazD9uF
まだまだ待ちます(^^)

646 :ななしじゃにー:04/05/06 19:04 ID:FQO/TRIR
待つならアゲナイデネー

647 :ななしじゃにー:04/05/06 20:18 ID:QI21QCs9
待つぽ(^^)

648 :ななしじゃにー:04/05/06 20:26 ID:IMvLQp3B
http://id2.fm-p.jp/book/main_menu.php?uid=anim1216&dir=27&num=5&mem_pw=

649 :ななしじゃにー:04/05/07 15:15 ID:A2Jx2SJq
♪私待〜つ〜わ〜 いつまでも待〜つ〜わ〜

650 :ななしじゃにー:04/05/11 12:26 ID:3yMWy5v/
待ってまーす

651 :ななしじゃにー:04/05/13 11:50 ID:hebpVO8V
まだまだ待ちます


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